《部活の後輩と付き合ってみた》バレンタイン 〜織田と與謝野〜後編
桜がソファーで再び寢た後、俺はしばらくスマホをいじっていたのだがまた起きてきたので俺は隣に座った。
「ということで、はいチョコ」
「ありがとうな桜」
「お姉さんなんだから當たり前でしょ〜」
と何故か偉そうにを張る桜。
「……誕生日ほんの1週間早いだけな」
「はい、そこ事実を言わないの!! 」
「えぇ……理不盡だろ」
まぁその理不盡にも慣れてしまった俺。
「神年齢も吉晴よりも高いからね」
「それ無い、斷じて無い、絶対あり得ない」
「……3回も否定する?」
「神年齢に関しては絶対の自信を持って言える」
頭の回転や要領の良さは俺の方が劣っているかもしれないが神年齢に関しては絶対上だと斷言出來る。
「あれ……私ってそこまで低い?」
だが桜は余程ショックだったらしい。納得いかない様子で俺に聞いてきた。
「平塚と同レベルだが、何か?」
「……ちなみに聞きたいけど平塚って神的に何歳?」
「中3レベルだか」
尚これでも大目に見積もった方だ。
「私ってそこまで低い!? 悪くて高校2年生だと思っていたら更に低くてショックだよ!!」
「日頃の行いを改めろ」
……なんか國木田先輩が言いそうなセリフが自然と口から出てきた。
「何故!? 私はただに抱き著くのが好きなだけなのに!! 理由が分からない!!」
「……それが原因だと何故分からない」
「だよね……ですよね……」
「で、昨日は徹夜だったんだ?」
「平塚がやる気出しちゃって」
「凜子さんはどうした? いつもは止める立場だろ?」
彼は國木田先輩がいない場合の平塚のストッパーだ。まぁ森がいると一気に自が暴走してしまい珍しく森が慌てながら止めにいくのだが。
「あぁ……それなんだけどね……彼さ、平塚がやる気出したの見て、乗り気になっちゃって……」
「珍しいな」
……森がいない場合だが。
「2人の友にしちゃって、私も付き合っていたじかな……アハハ」
いつもは口が悪い凜子さんも平塚の事を親友に思っているのはいつもの2人の雰囲気を見ていれば良く分かる。そして桜は友関係にかなり涙脆いので多分泣きながら承諾したんだろう。
「桜も何やかんやで面倒見がいいというか、優しいんだな。まぁ前から分かっていたが」
「おっ、嬉しい事言ってくれるじゃん〜ほらほらもっと褒めていいんだよ〜? というか褒めて!!」
「……神年齢」
「うぐっ……中々刺さるね」
どうやらさっき俺が言ったセリフは余程刺さったらしく、を押さえながら苦しそうに言っていた。
「で、平塚がやる気を出した理由は?」
「ほら、來年さ國木田先輩卒業じゃん?
それが彼悲しかったみたい」
「もう來年なのか……」
桜に言われて改めてその真実に思い當たる。
いつも俺らと気軽に接してくれるあの人は先輩であり來年には大學を卒業してしまう。
「私や吉晴、森や凜子ちゃんはまだ2年近くあるけどさあの2人は今年しか無いじゃん……
ーー吉晴はさ、國木田先輩がどこけているか知っているでしょ多分」
「あぁ、確か親父さんが勤めている國有數の商社だよな……あの人ならかりそうだな」
前に聞いた時はインターンによく言っていると話を聞いた。あの人なら普通にかりそうであまり心配ないが平塚の方は違うのだろう。
「で、その商社にかったら最初は地方に配屬されるみたいだよ? そうなったらさ、分かるよね」
「離れ離れか……」
「あぁ見えて平塚は人一倍寂しがり屋だからね。
なんか……尚更かな協力したくなって」
「なんか寂しいな、俺も」
「私や森も吉晴と同じぐらい寂しいだろうけど……」
「平塚の方が悲しいよな……」
「ねぇ吉晴、練習メニューはどうだい?」
「とりあえず昨年からのを基本に組み立ている狀態」
夏目先輩からもらったマニュアルを基本に、どうやったら部活全のレベルが上がるか考えながら試行錯誤である。
「うむうむ、中々良きかな良きかな」
「……お前も考えろよ?
ーーあっ、思い出した……!!」
「う、うむ、言ってみたまえ……お手らかに〜」
……何故最後にいくにつれ聲が小さくなっていくのだろうかと俺は疑問に思いながら先ほど思い出した要件を尋ねてみた。
「前にさ部員の名簿を作って出せと言ったはずなんだが、正直に言ってみろ、作ったか?」
「吉晴の思いに私も答えましょう……
ーー作ってないっ!!」
と桜は悪びれもせず、満面の笑みでドヤ顔をしてきた。
そのドヤ顔がとてもイラついたので俺はその顔目掛けて手をばして
「出せ作れ何していたんだ……!!」
徐々に力を強めながら握っていた。
「うにゃーー!! あ、あとでいいかな〜って後回しにしていたら、忘れてたんだって!!」
「今すぐ作れ」
「えぇ〜いーー」
「ーー早くしていただけませんか與謝野桜さん?」
「吉晴の敬語怖い!? 言葉は優しいのになんか鳥が止まらないんだけど!?」
「おらやれ!!」
「はい!! 作りますーー!!」
桜が名簿を作っていないのが発覚した後、俺らは桜の部屋に向かった。そこで俺は桜の後ろに立ち続けて、サボらないかと見張っていた。そしてしばらくして……
「や、やっと終わった……徹夜明けに辛い」
椅子に座ったままびをする桜。
その際に改めて彼の手足の長さは実した。
「サボったのは桜だからな?
まぁでもお疲れさん」
「疲れた〜ベッドまで運んで〜」
「……距離にして數メートルも無いが」
そうなのである。
桜の機はベットの方向的に真後ろにあるため、椅子をそのまま後ろにズラせばベットに寢転がれるのだ。
「がかない……なら座ったまま寢る」
「はぁ……しょうがないな……」
俺はいつもの様に彼を抱っこする事にした。
「わ〜い、楽だ楽」
「……桜も大概だが俺も大概だよな、本當」
しょっちゅう桜には文句を言うが、結局俺は彼にに甘い格のようだ。ベットに桜を優しく置いたあと、俺は彼の近くに座った。
「ねぇ吉晴〜」
「なんだ?」
「もっとこっち來て」
「はいよ」
俺が今以上に桜に近づくと桜は寢ながら俺の腰付近に抱き付いてきた。そしてほにゃっとした笑顔になりながら
「うん、吉晴暖かい」
「まぁまだ生きているからな
ーーで、今日俺はいつまでいればいい?」
「ずっと」
……要するに俺に泊まっていってしいという事だろう。まぁいつもの事だから今日もそうなるだろうと思っていたので何も支障が無いが。
「だろうな……親には言っておく」
「やっぱ吉晴優しい〜そんな吉晴にはこれをどうぞ
ーーサイズはピッタリのはずだね」
と渡されたのはジャージの上下一式だった。
試しに服の上から被せてみるとサイズは何故かほぼピッタリサイズであった。
「……おい、何故サイズがピッタリのジャージがある?
桜は1人娘の筈だろ」
桜には兄弟はいなかったはずだ。
「買いましたーー!!」
「何をしているんだ桜は……」
俺は國木田先輩がしそうなポーズをしていた。
……ほぼ無意識のうちに。
「ほら〜吉晴ってよく私の家に泊まるでしょ?」
「お前さんに駄々をこねられてその結果な」
「うぐっ……とりあえずよく泊まるなら吉晴お泊りセットを用意すれば良くね? と私は考えました!!」
「なんか無駄というか……馬鹿なのか……アホか」
そんな事に金を使うなら他の事に使ってしいと俺は思うのだが桜はどうやら不満らしく頬を膨らましながら
「むぅ……良かれと思ってやったのに」
「ーーいくらだ?」
「えっ?」
「だからそのお泊りセットの総額は?
俺が使うもんなら払わないといけない」
「別に私が好きでやったんだから払わなくても……」
「俺が納得いかない、だから払う」
「律儀なのか真面目なのか正直者だね吉晴は〜」
「っるせえ、そういうのはしっかりしたいんだよ俺は」
「まぁそういうところも好きなんだけどね〜
ーー総額3萬となります〜!!」  
「はいはい3萬か……はっ? 3萬だって!?高っ!?」
多分服で3萬という金額は初めて聞いた額だ。
というかこのジャージそんなに高いのか!?
「だって吉晴にあげるつもりで買ったから高くて高品質のを選んだからね〜」
「なんかり心地が良いと思ったらそういう訳か!!」
なんかいつも俺が著ているよりもり心地が良くて、軽いなと思っていたらそういう訳だったのかと1人納得した。
「フッフッフッ……私の家の財力舐めたらいけない」
「……そうだお前、お嬢様だったわ」
……こいつはこんな格だが家はとても裕福だ。
まぁ人前で見せる仕草は育ちの良さをじる。
「オーダーメイドです、これ!!」
「何してんの本當!?」
……というかジャージにオーダーメイドってあったんだ。
そしてそんな事にお金を使う彼に対して俺はツッコミをせずにはいられなかった。
「さぁさぁ吉晴に3萬は払えるかな……」
「くそっ……今月地味にピンチなんだよな……
ーー出世払いでもいいだろうか?」
「べ、別にそこまで思い詰めなくてもいいのに……
私が好きだからしてるだけだからさ」
「絶対払うからな……」
「……何故そこまで恨めしそうにみるのかな吉晴は」
……そりゃ俺が納得しないからだよ。
桜からオーダーメイドのジャージをけ取り、シャワーを浴びた後、俺と桜は同じベットの中にいた。
「さぁさぁ一緒に寢よう!!」
「はいよ……にしても相変わらずこのベッドでかいな……2人っても余裕があるっておかしいだろ」
「これもオーダーメイド!! 」
「好きだな、オーダーメイド……」
「明日は何が起きるかな〜」
「平穏無事に過ごせればいい」
これは俺のある意味格言に近い。
「これだから最近の若者は〜」
「あっ、1つ忘れていた」
「おぉ〜なんだい?」
「桜が隣にいて平穏無事に過ごせればいいな、俺は」
どんなに平穏に過ごしていてもやっぱり隣に桜がいないとやっぱりつまらないのだと思う。もし彼がいればしぐらいスリルは許容しようと思う。
だが俺の言葉はどうやら桜には効果抜群だったらしく、彼は顔を真っ赤にしながら
「い、い、い、い、いきなり何を言うの吉晴は!?」
「いや本心を言ったまでだが?」
「吉晴の優しい笑顔で甘い言葉囁くの止!!
私が死んじゃう!!」
「好きだ、桜」
「1つ前の私の言葉聞いてたかな!?」
「桜の反応が面白くてな。中々ハマりそうだ」
「ち、ちょっと!? 
ーーあっ……」
俺は桜の頬に優しく手を添えながら
「してる、この世で誰よりもだ桜」
目を見ながら飛びっきり甘い言葉を言った。
「無理〜!! もう耐えられないってばぁ〜!!」
と夜遅くまで俺らは2人で騒いでいた。
たまにはこういうのもいいなと思った今日この頃だった。
次回は森と凜子の話です。
あと昨日さりげなく1つ短編を仕上げたので読んでくださるととても嬉しいです!!
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