《部活の後輩と付き合ってみた》バレンタイン~國木田と七海 前編~
今回から國木田と七海の2人に話が移っていきます。
尚今回は、前々から要があった七海の裝が登場します。
「……イ」
「すぅ……」
「……パイ」
ゆさゆさ、と誰かが僕を優しく揺すっている。
「ん……誰?」
僕は重たい目を開けて揺らしている張本人の姿を見た。
「おはようセンパイっ」
僕が目を覚ますと、そこには彼の七海が立っていた。
いつもなら僕が七海を起こすのだが珍しく僕が起こされる立場になっていた。
……というか起こされるのって初めてに近いと思う。
「ふぁ……もう朝か……」
「はい、朝ですよっ!!」
朝から太のような眩しい笑顔を見せてくる我が彼。
個人的に彼の笑顔は見ていてとても元気になる。
「ところで七海」
「はい、なんですか?」
「--その裝は何だい?」
僕は七海が著ている服を指さして、そう言った。
ーー白いブラウスに大きめの紺の襟
ーー襟と同のスカート
ーー元には赤のリボン
七海が著ているものは俗に言う“セーラー服”であった。
そして何故か彼は室にも関わらず水のマフラーを首に巻いていた。
……個人的に短めのスカートから見える黒いニーソが彼の綺麗な足を更に魅力的に見せていて良いと思う。
「えっとですね……これはセーラー服というものでしてね……」
とセーラー服の説明をしようとしてくる七海。
「それは見れば分かるかな。僕が聞いているのは何故著ているのかということだね」
「それはね……なんとなく勢いで!!」
親指を立てながら、いつも通りの満面の笑顔で答えてきた。
……この子、時々笑顔で誤魔化そうとする癖がある。
「だよね……そうだよね……君が深く考えている訳ないよね」
なんせこの子は人生の大半を勢いで生きている様な人間だ。
そんな彼がセーラー服を著るのに深く考えるはずがない。
「もぅセンパイったら褒めても私のを好きにしていい以外無いですよ~」
「褒めてないし、というかの子がそんなこと言ってはいけません」
この子のポジティブなところはある意味凄い。
……というか七海のは好きにしていいんだ。
そう思うと頭の片隅を七海に対して邪な考えが橫切ったがここは無視をした。
「ところでセンパイ!!」
「なんだい?」
「今日は何の日でしょうか?」
「今日かい?」
「はい、今日です!!」
「今日か……」
寢起きのためまだ十分にかない頭で考えていると、ふと部屋に飾ってあったカレンダーが目にった。そしてその瞬間、今日が何の日か理解した。
「あぁ、そうか今日はーー」
今日が何の日か分かったのだがすぐに答えを出してしまうのは何故か惜しいと思ってしまった僕は七海に対してし意地悪をすることにした。そうとは知らず七海は自分が求めている答えが出ると思って目をキラキラさせていた。
「あっ、分かりましたか? 流石に鈍で有名なセンパイでもーー」
「ーー聖バレンティヌスが殉教した日か」
「そっちですか!? まさかのそっちに行ったよ!?」
さっきまでのワクワクと言った様子は無くなり、ツッコミモードに変わる七海。
「だって間違いじゃないよね?」
「そりゃ間違いじゃないけど……というかセンパイ分かって言っているでしょ?」
とジト目で見てくる我が彼。
「ゴメンゴメン、今日はバレンタインデーでしょ?」
「分かっているなら最初から言いましょうよ……」
「いやたまには素直に答えたくない日があるんだよ僕にも」
「可い彼をイジメて楽しいんですか?」
目はそっぽを向き、を尖らせ完全に拗ねた様子の七海。
個人的には笑顔の彼も可いのだが、こういう拗ねた表やジト目の七海も好きなのである。
「うん楽しいよ」
「ドSだ!! このセンパイ優しそうな見た目に反して格ドSだ!!
私の彼氏ちょっと怖いんですけど!!」
「だって七海のジト目や拗ねた顔が可くてね」
僕がそう言うと七海はさっきまでの拗ねた表から一変し、“ポン”という効果音が出そうなぐらいに顔を赤くして慌て始めた。
「せ、せ、せ、せ、センパイは一何を言い出すんですか!?」
「いやだって事実だし。拗ねた七海も可いよ?」
「そこでさり気なく“可い”って言う単語をれてこないでください!!
更に恥ずかしくなるじゃないですか!!」
さっきよりも更に顔を赤くして照れる恥ずかしがる七海。
「そうやって顔を赤くして恥ずかしがるところも可いよ」
「今日のセンパイは何なんですか!? いつもよりも攻撃力が倍近く違いますよね!?」
「何の攻撃力だよ……」
「それはもう、私の心に囁いてくる甘い言葉ですよ!!
普段でもセンパイに褒められたら嬉しいのに今日のセンパイはおかしいよ!!」
「いやぁ……僕は普段通りにつもりなんだけどね……」
「自覚無いよこの人!!
まぁどっちでも私はウェルカムですよ!!」
さっきまで恥ずかしがっていた表から一転し、再び笑顔で親指を立てる七海。
この子は表がコロコロ変わって見ていて飽きない。
まぁそれが彼の魅力の1つなのだけど。
「さぁさぁセンパイの甘い言葉をもっと!!
私に浴びせてください!! なんなら甘い言葉に私を溺れさせて!!」
「……」
この様に調子に乗らせるととても面倒なので扱いには注意かな。
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