《部活の後輩と付き合ってみた》バレンタイン~國木田と七海 後編~

「じゃあ食べるね」

「さぁさぁどうぞ~!!」

僕は丁寧にラッピングされた梱包を開けて、中にあるチョコを取り出した。

……うん、見・た・目・は普通のチョコだ。

そしてそのチョコは表面に細かいチョコが散らばっている様子から想像するとクランチチョコであろう。

「センパイどうですか~? 私の渾の出來であるトリュフチョコは?」

「……」

……うん、僕の予想見事に外れる。

いやだってさ、トリュフチョコって普通表面に凹凸が無いのを想像するじゃん。

それがまさかのクランチチョコみたいな見た目の出されたらさ、普通そっちだと思うよね?

「あれ、どうしたんですかセンパイ? 表が固まっていますよ」

「い、いやなんでもないよ。じゃあ食べるね」

「それって先も言ってましたよね? はいどうぞ」

ま、まぁ見た目は僕の予想を超えたけど、味は大丈夫……いやなんか妙に心配になってきた。

いや與謝野さんや凜子さんが一緒に隣で作っているから変なものはれてないだろう。

……うん、大丈夫だろう。

「あっ、そういえばセンパイ」

「な、なんだい七海」

「実は與謝野先輩や凜子にはで隠し味をれたんですよ~」

といたずらっ子のような笑顔をしながら言う七海。

……勝手に人の不安のフラグの伏線を張らないでしい。

というかなんでそんなことしちゃうかな……。

多分この子は分かってないと思うけど料理初心者が一番やってはいけないことってレシピにない調味料や材を自分の判斷だけでれることなんだと僕は思うんだよね。

「へ、へぇ……ちなみに何をれたのか教えてもらえる?」

「それはヒ・ミ・ツですよっ!!」

……ここでその答えはやめてしいかな。

余計に僕の不安を煽るだけだから。

「さぁさぁ食べてください!!」

「う、うん……」

と言われても七海が作ったという事実+あの2人が知らないれたというダブルの不安要素がチョコを口に近づけるのをためらわせる。果たしてチョコを食べて僕は無事にいれるのだろうか。というか何故チョコを食べるという普段なら何も気にしない作に僕はここまで悩むのだろうか。

「あれセンパイ食べないんですか?」

「い、いや食べるよ?」

僕が中々チョコを口に運ばないことを疑問に思った七海が不思議そうに聞いてきた。

「あっ、センパイ。まさか私が作ったから心配しているんですか?」

……まさしくそうだよ。

だがそんなことを本人を目の前に言えるはずがないのでどうやって言おうかと悩んでいたら

「センパイ大丈夫ですよ!!

ーーは試しってことでファイトです!!」

とサムズアップをこちらに向けてやってきた。

……絶対使い方間違っているからね、今この現狀でその言葉はね。

というかチョコを食べるのにファイトってなんだ。

「……よし食べるか」

まぁどんなに悩んで躊躇っても結局食べるしか僕に選択肢がないので覚悟を決めて食べることにした。

「ファイトですよセンパイ!!」

「……」

だからチョコを食べるのにファイトってなんだ。

僕はそう思いながらチョコを口の中にれた。

「どうですか?」

「……」

「さぁさぁセンパイ想をどうぞ!!」

「……」

「もう躊躇わないでいいんですよ~」

「……」

「あ、あれセンパイ……」

「……」

「ちょっとセンパイ~?」

「ーーあれ、意外と食べれた」

「ちょっと!? 意外ってなんなんですか!!」

「いやまさか意外と普通に食べれたと思って、つい……」

見た目こそ若干いびつだったが食べてみると普通に味しかった。

「だって與謝野先輩、凜子監修のチョコですからね!! 食べれない訳がないですよ!!」

「まぁそれもそうか……ふぅよかった」

「ちょっとセンパイ……私のチョコどんな風に思っていたんですか」

「正直な想を言っていいなら言うけど?」

「いややめておきましょう。なんか聞いたら私がなんかとっても傷つきそうなので!!」

「そう、分かった」

まぁ実際にそれに近いを抱いていたので。

「にしても七海が食べれるを作ってくるなんて驚きだよ」

「ふふん、私も長したんですよ~」

「そうだね」

「センパイの料理の腕を超す日が意外と早く來そうですね」

「サクラダ・ファミリアとどっちが先かな」

「……ちょっとセンパイ、それって大分先ってことですよね? そうですよね?」

「さぁどうだろうか。ところで七海」

「はい、なんですか?」

「さっき七海が言っていた隠し味って何なの?」

ふとさっき七海が言っていた事が気になった。食べているじだと特に変わったじはせず多分変なものはれてないと思うが、では今度は何をれたのか気になってくる。

「気になりますか? 気になりますかぁ~?」

「じゃあいいや」

「ちょっと聞いてよ~!? なんで聞いてくれないの!?」

「だって面倒なんだもん」

「そこはほら可い彼に免じてさっ!!」

「……聞かなくていいかな?」

「マジトーン怖いからやめて!? センパイがそのトーンで話し始めたら本當に怖いってみんな言っていましたよ!?」

「それは僕を怒らせる七海を含めた輩が悪いからね?」

「それは可ーー」

「ーー本當に聞かなくていいかな?」

「ごめんなさい、許してください。聞いてほしかっただけなんです。

ーーだから聞いてくださいって!? ちょっとさりげなく私から逃げないで!?」

「はぁ……分かった聞くよ。で何がっているの?」

「それはですね~ズバリ!!

ーーセンパイへのですよ!!」

「……」

「私がセンパイに対して思っているをこのチョコにたっくさんれました!!」

「はぁ……」

まぁ確かに実際にモノとして無いものはれるタイミングを見ることは不可能だろう。

そりゃあの2人も気づかないはずだ。

「まぁセンパイが私の大きなけきれるかどうか……」

「あ、あれ……」

「どうしましたセンパイ?」

「いや……何故かいきなりお腹が痛くなってきて……」

さっきまで何もなかったのに突如お腹が痛くなった。

「あ、あれ……そんなまさか……訳ないですよね?」

「僕もそうだと思いたいかな……ハハハ

ーーゴメン、限界」

突如視界がぼやけてきた。

そしてそのままから徐々に力が抜けていくのがじた。

「ち、ちょっとセンパイ!? 大丈夫ですか!?

ーーセンパイ、カムバーーック!!」

「な、七海のは重たいのかな……ハハ」

……果たして僕が調を崩した理由は何だったのだろうか。

それは未だに不明なのである。

チョコを作る過程で何か問題が起きたのか、それとも……。

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