同級生が新たな家族に!!》舊友との再開

今日からは式テニスの地區予選が始まる。

これを勝ち抜けば、関東大會、そして最後はインターハイへと繋がっていく。

俺のクラスからは朱音が個人戦と団戦、菅原さんは個人戦に出場すると聞いている。

どの高校もまずはここを目指して眼がってくるので、普通の大會より勝つのが難しいだろう。

そして、神代學園の地區は強豪も多く激戦區だ。この地區を勝ち抜くのはインターハイ並みに難しいのだと朱音が言っていた。だが、

「それでも勝つけどね」

そう自信満々に言って今朝は家を出ていった。

今日は平日の金曜日だがテニス部員は當然學校を休んで大會に向かう。

俺も後から応援に行くつもりだ。決してサボる訳ではなく、神代學園では理由は必要だが応援のため學校を休むことが出來る。まあ、俺の目的はそれだけではないのだが……

「それじゃあ、俺もそろそろ行くわ」

「そうか、それじゃあしっかり応援してくるんだぞ」

「分かってるって」

「私たちはいけないからお願いね。優くんが見ていてあげたらあの子安心すと思うから」

「ははは、そうだな。最近お前と朱音ちゃん仲いいからな」

「そうですね。二人ともとてもいい雰囲気になってますよね」

父さんと唯さん、二人してニコニコしながらそう言った。

「は、ははは」

俺はそれを曖昧に笑ってしまった。確かに以前よりも仲が良くなっているが、そのステップアップの原因を思い出しそうなってしまった。

朱音の頭をでたり、逆に抱きつかれたり……うん、変な追求される前にこの家から出よ。

「お、その反応は何かあるな?」

「いや、特にないから。それじゃあ」

「おいこら、もっと話を聞かせろよ!」

「帰ってきたら楽しみにしてますね」

アンタは中學生のガキかよ。それに、唯さんも便乗しないでくださいよ。

俺は心の中でそう思いなが大會會場に向かった。

※※※

大會は総合運公園にある、テニスコートで行われている。そこは、たくさんのコートが設置してあり、テニスクラブ、ちょっとし運、など萬人向けに作られているので観客席なとばなく、ネット越し見る必要がある。神代學園のテニスコートを見ているだけに陳腐にじてしまうが、これでも施設はしっかりしている。どちらかという、神代學園がやり過ぎなだけだ。

俺がついた時には會場は熱気に包まれていた。

大會はもう始まっている。いろんなコートから、勝利の雄びや、敗戦の悲壯が漂っているのをじることが出來る。

懐かしいな。

俺も昔はこの中にいたんだよな。

そんな昔の事を考えながら、朱音たちが待機しているところに行ってみる。

そこには、數ではあるが応援するために來た人がいた。

俺の知らない人もいるが、知ってる人がいた。それも意外な人で、森山だ。

俺は朱音の前に興味本位で森山に話しかけた。

「お前どうしたんだ?」

「あぁ? ここにいるんだから応援決まってるだろ? お前は違うって言うのか?」

森山は俺はウマが合わないようで會話をするといつもこんなじだ。

「いや、俺もそうだけど、森山が來るとは思ってなかったからな」

「俺が來たらダメだってのか?」

「そんな事言ってないって」

「チッ、まぁ、それだけじゃねーけどな」

「?」

「テニスを一度は見ておきたかったからな。こういった空気をじておきたかったんだよ」

「……」

「……なんだよ」

「いや、すげー真面目な理由で驚いただけだ」

「はぁ? ケンカ売ってんのか?」

「そうじゃねーよ。ただ、心したんだって。そこまで育祭で勝ちたいんだなってな」

「……ああ」

森山は気恥ずかしかったのか、小さな聲でそう言った。

俺が考えていたのは朱音を見に來たとか、テニス子を見に來たとかだったので、し恥ずかしくじた。

森山はちゃんとした理由を持ってここに來ている。試合の雰囲気を見るというのはとても大事な事だろう。

俺もここに來た目的をしっかりと果たそう。

「そうか、じゃあ俺はもう行くわ」

「ああ、そうしろ」

そう言って俺は森山から離れ朱音の所に行っみる。

「よっ朱音、調子はどうだ?」

「あ、優くん! うん、絶好調!」

「そう、それなら安心して見れるかな。それで、いつ試合?」

「えっと……次の試合だよ」

「じゃあその時になったらまた來るわ。しっかりとアップしておけよ?」

「えっ? 優くんここにいない?」

朱音は寂しそうにそう言った。

俺もその聲を聞いたらここにいたくなったがやるべき事があるのでそれは出來ない。

「まあ、ちょっとね。大丈夫、試合はちゃんと見るから」

「うん……」

あーもう、そんな顔をしないでくれ! ちゃんと見に來るから!

「菅原さんも頑張れよ」

「はいはい、ありがとね。まあ、朱音のついでだろうけど、どうもね」

「いや、そんな変な風に考えなくていいから」

菅原さんの事だから本気でそう思っているのだろう。だけど俺だって、クラスメイトだし、育祭で世話になってるし、でちゃんと応援するつもりなんですが。まあ、多分信じてもらえないか。

「それじゃあまた後で」

「はいはい、またね」

俺は菅原さんの適當な返事を聞いてから目的地の場所に向かっていった。

※※※

この地區は強豪揃いというがその中でも最強の高校が存在する。その高校はインターハイで個人団において男ともに幾度となく優勝している。

俺の中學からも先輩、同級生問わず何人もその高校に學していた。

「ここが、桜燐おうりん學園か……」

そして、俺はその高校の待機スペースに來ている。ここに俺が會いたい人がいるからだ。

だが、なかなかに話しかけずらい。殺気を出している訳ではないが、明らかに強者の雰囲気が漂っておりそれが部外者を話しかけずらくしている。

はぁ……めっちゃ帰りたいんだけど…………いや、ここまで來たんだし行くしかないか。これは俺のすべき事だ。

「あの、すいません」

俺はとりあえず近くにいた男子に話しかけた。

「はい? 何か用ですか?」

相手はいぶかしそうに対応した。

その目は完全に不審な人を見るような目をしている気がする。いや、それは思い込みか。

とりあえず、俺は低姿勢で會話をした方がいいだろう。知らない人と話すのも苦手だし、話が変な風にこじれたらめんどうだ。

「今ここに、滝崎悠馬さんはいますか?」

「はぁ、いますけど……失禮ですがどちら様ですか?」

「え、えっと……中學の時の同級生です」

「そうですか、分かりました。今呼んで來るのでし待っていてください」

「すいません。ありがとうございます」

俺がそう言うとし離れたところにいた一人の人を連れてきた。

その人の背格好は変わっていたが、顔の変化はほとんど無かったので誰だかすぐに分かった。

「おお、優じゃんか! 久しぶりだな!」

「ああ、悠馬久しぶ、ぐぇ!?」

俺が言い切る前に悠馬によって抱きつかれた。

その熱い抱擁はしばらく続き、そろそろ苦しくなってきたところで離れてくれる。

連れてきてくれた人は、驚きの眼でこの景を見ていた。多分だが、本當に知り合いだとは思っていなかったのだろう。まあ、悠馬の出は神奈川だし、俺は去年會いに來てないしで々と疑問を抱いてしまうのは仕方ないか。

「元気にしてたか? お前し背びたな」

「そっちだってびてるだろ」

「お互い長したもんだ。積もる話もあるが今日はどうした? もしかして、俺がしくなったか?」

「そんな訳ねーよ。まあ、ちょっとした頼み事さ」

「ほうほう、優からの頼み事ね……もしかして奈緒がしいのか? それだったら手伝ってやるぞ?」

「ちげぇーよ!!」

奈緒とは、海老名奈緒えびななおの事で俺と同じ中學校の同じ部活だった。

は悠馬とは馴染で仲もいい。そのせいか、俺は真っ先に紹介されよく三人で一緒にいたものだ。

そのせいか事あるごとに悠馬には「二人とも付き合っちまえよ」といじられたものだが、お互いにその気は全くなかった。逆に同じような事を言い返したら二人して「ないわー」と生きぴったりに言いていたので、早く付き合っちまえと俺はいつも思っていた。そして、そのいじりは今も健在のようで二人の関係は未だに変わっていないのだろう。

そして、俺の知る限り奈緒は中學時代は最強のテニスプレイヤーだった。今はどうか知らないが、高校でもその強さで負け知らずだろうと勝手に思っている。

「そうかそうか、で本題は何だ?」

悠馬はその事を華麗にスルーしていく。

この一悶著は絶対に必要ない。俺たちの間ではいつもの事だったが、場所が場所なだけにやめてほしかった。

ほら、周りのヤツらに変な目で見られてるじゃないか。

「……お前、試合は?」

「うん? さっき終わったばかりたまからまだ先だな」

「そうか、なら場所を変えて話そう。ちょうど見たい試合もあるし」

ここには長居したくないし、とは言わなかった。

実際、俺の見た試合、つまり朱音の試合はもうそろそろで始まるだろう。それに遅れる訳にはいかない。

「分かった。それじゃあ俺ちょっと行ってくるから。用があったら呼んでくれ」

「ああ、分ったよ」

悠馬を連れてきた部員が返事をする。話し方から見て同級生だろう。

「じゃあ行くか」

「ああ」

こうして俺はようやくここから離れることが出來た。

※※※

滝崎悠馬はテニスの神だ。

小學生の時からテニスサークルにり、そこからその片鱗を見せ始めた。

大會での優勝は當たり前。大人と混じっても容のある試合をし時には勝つ。

中に調べたが去年のインターハイ優勝は悠馬だった。一年で優勝してしまうくらいなので恐らく高校には悠馬と張り合える存在はいないだろう。

そんな人が中學の時に俺をテニスにったのは今でも謎だが、それで悠馬と友達になれたのだから理由なんて別にどうでもいいし、今はその縁に頼ろうとしているのだから逆に謝しなければいけない。

「まあ、結論から言えば、お前にテニスの練習相手になってほしんだよ」

そして、歩きながら俺は頼みごとを悠馬に話した。

「なに?」

俺の頼みが予想外の事だったのか悠馬は驚いていた。

他の人が聞いたら「おこがましい」とか「ずるい」と思うだろう。なんたって、相手はあの高校最強の滝崎悠馬なのだから。やる気のあるテニスプレイヤーなら一度は一緒に練習したいと思っているはずだ。

まあ、俺にとってはそんなの知ったことではないので気にしない。

俺が今気にしなければいけないのは、悠馬が俺の頼みを聞きれてくれるかだけだ。こいつに斷られたらもうどうしようもない。奈緒に頼むのもありだがそれは出來るだけ避けたいし、朱音に頼るのは論外だ。しかし、不思議と俺は悠馬が斷らないだろうと思っている。特に理由は無いが。

「どうだ?」

「ま、まあそれはいいけど……」

「いいのか? 練習とか大丈夫なのか?」

「ああ、それなら心配しなくてもいい。うちは午前中に四時間やったらそれで終わりなんだ。そこからは個人でやりたいヤツだけでやってるから」

おう、さすが高校テニス最強の桜燐學園。謎の長時間練習じゃないのが真の強豪らしいし、その個人練習というのもレベルが相當高いことをみんなでやっているのだろう。こりゃあ、強い訳だ。

「悠馬は出なくていいのか? その自主練に」

「俺は出たり出なかったりだからな。別にいいんだよ。そんな事よりもどうしたんだいったい。優からそんなこと言ってくるなんて初めてだろ?」

「そう……だったな。いつもはお前に連れられて無理やりやらされてたからな。まあ、その答えを言う前にっと、このコートだな」

俺たちは目的のコートについた。

コートには朱音とその対戦相手が向かい合って立っている。どうやら間に合ったようだ。

とりあえず見やすい位置に移して応援しながら、その試合を見る。

「優の見たかった試合ってこれなのか?」

「ああ、そうだよ」

「お前ってテニス子好きだったのか? それならやっぱり奈緒を……」

「違うわい。俺の家族がやってるんだよ」

「優の……家族……?」

悠馬は悩んだ後で

「……もしかして結婚したのか?」

「なぜ、みんなそこに行きつく……はぁ、再婚だよ。父さんが今年再婚したの。あの左にいる子、朱音って言うんだけどその子が連れ子ってわけ」

「ふ~ん、かなり可いじゃん。こりゃあ、奈緒が黙ってないぞ?」

「だから、奈緒は関係ないって!!」

試合をしている訳じゃないが、どっと疲れた気がする。

「彼についてはおいおい訊くとして……それで優はどうしてあんな事を言ったんだい?」

「……ああ、そうだな……実は俺、育祭で男混合テニスに出る事になったんだよ。それでペアがその……朱音なんだけど、うちの學園で朱音って多分一番強いんだよテニスが。それでクラスからは々と期待されちゃってるから下手な試合は出來ないってわけ」

「それなら、可い朱音ちゃんと練習すればいいと思うけど?」

どこか毒をじたが気にしたら負けだ。

「いや、それは無理。朱音とやって萬が一にも出來ると思われたら、々期待されちまうからな。それはなるべく避けたいんだよ。それにこれは自分を安心させるための保険的なものだから、頼れるのはお前しかいないの」

なかなかに勝手だが事実なのでどうしようもない。

自惚れかもしれないが俺はクラスからの期待も朱音からの期待も怖い。確かにクラスは別にしても朱音なら失される事も無いと思う。だが、そう信じていても怖いものは仕方ない。

「そんな事ねーと思うけどな。特にあの子はそんな風に思わないだろう?」

「……まあ、そうだと思うけど……」

「ま、別にいいよ。やろーじゃんテニス。俺も久しぶりに優とやりたいし」

「マジか!?」

「ああ、マジだ。その代わり優を全盛期以上にしてやるから。覚悟しておけよ」

「はぁ? 何無茶な事言ってんだよ。ある程度……いや、せめて全盛期ぐらいで……」

「やだね、こういうものは行けるところまで行くべきなんだ。心配するな、お前なら大丈夫だから。俺が保証する」

「……」

「ほら、試合見よーぜ。優の家族で可い朱音ちゃんが頑張ってるんだから」

「……ああ」

こうなったら悠馬は止まらない。そもそも、頼ってる俺が何かを言える訳がない。それに、そこまで出來るようになれば俺も心のゆとりが出來るので悪いことではないのだが……そこまでまやる悠馬についていけるのか?

現役と帰宅部には大きな力の差があるのでそこが心配だ。まあ、それを今更気にしてもしょうがない。なるようになるさ。

俺はそう思い、朱音の試合を観戦する。

試合はそのまま朱音が圧倒して終わった。

「お疲れ、朱音」

試合が終わった後、労いの言葉をかけに休んでいる朱音の所に來た。

著いた時は疲れた顔も見せず笑顔で出迎えてくれた。

「ありがとう、優くん……えっと……」

だが、俺の隣にいたヤツに気づき言葉を失う。

「初めまして、滝崎悠馬って言います。優の友達です」

「えっ、あっ、はい。雨宮朱音です」

そして、なぜかついて來ていた悠馬がナチュラルにあいさつをする。

朱音は狀況を理解出來ていないようで、反的に挨拶を返す。

はっきり言って俺もこの狀況をよく理解していない。別れの言葉をはっきりと言っていなかったが、

「じゃあ、俺は朱音の所に行くわ」

「おう、分かった」

こういった會話をしたので、てっきりどこかでいなくなるものだと思っていた。……どうしてこうなった?

「試合お疲れ様です」

「あ、ありがとございます」

それからも悠馬からの會話は続く。朱音は本來誰にでも想よく振る舞えるのだが、今は悠馬の勢いに負けているようだ。

ちなみに悠馬は人見知りとは程遠い存在で、知らない人にも平気で聲をかけられる。

「でも、いったいどうして……」

「えっと、ちょっと悠馬に用事があって會ってたわけ。その流れで試合を観戦してたんだけど……どうして、ここに來た?」

「ひどいな優、あのままサヨナラは寂しいじゃないか。それに、新しい優の家族を見てみたかったし」

「いや、それさっき見ただろ」

「さっき見たのはテニスプレーヤーの雨宮朱音だろ? 俺が見たかったのは優のの雨宮朱音だ」

そんなに朱音に興味があったのか? ……なんかムカつく。

「それも、これで満足したけど、もうちょっと……」

その悠馬の言葉の途中で、

「ようやく見つけた。悠馬早く戻ってきなさい。もうすぐ試合でしょ?」

俺の聞いたことがある子の聲が後から聞こえてきた。

「げっ、奈緒。てか、マジで!?」

「マジよマジ、大マジよ。ほら早く戻るわよ。それに、そこにいても他校に迷なんだし……って、もしかして優……?」

「おう、久しぶり。てっきり忘れられてるかと思ったぞ?」

そこには予想通り海老名奈緒がいた。長しているが、肩までしかばさないその髪型は変わっていなかった。

俺は當然のように會話をしているが、朱音は驚きのあまり呆然としていた。確かに、目の前に高校最強の選手が二人揃って目の前にいたら、一選手としてそうなってしまうかもしれない。ちなみに、奈緒が去年のインターハイで優勝しているのさっき悠馬に聞いた。

「あんたこそ忘れてたんじゃないの?」

「なわけ。俺はそんな薄な人間じゃねーよ」

「そうかしら? 去年は一度も私たちに會いに來なかったくせに」

「いや、それお前もじゃん」

「とか、々と話したいところだけど、あいにく今は時間がないから行くわね。また今度」

「はいはい、またねー」

「ほら、行くわよ」

そう言って、悠馬の首っこをつかみ引き寄せた。悠馬は転びそうになるが持ち前の幹でそれに耐える。

「分かっから引っ張るなって。じゃーなー優」

「ああ、後で連絡するから」

そうして、お互い手を振り合って別れた。

奈緒は昔から悠馬の世話焼きのようなポジションだったが今そうらしい。いい加減付き合っちまえばいいのに。

「なんか、すごかったね。滝崎さんと海老名さんがあんな仲だったなんてびっくりしたよ」

と、悠馬たちが去ると朱音が立ち直り話しかけてきた。

「そうか?」

俺としては懐かしいだけで、いつものじだったので特に気にしなかったが、彼らのプライベートを知らない人ならそうなるのも當然か。

「それに、そんな人たちと友達の優くんもすごいよ」

「まあ、中學が同じだしそんなもんだろ。それに、友達なんていつどんな人となるのかなんて分からんし」

「……そうだね」

あれ、なんかテンション落ちた? う~ん……特に何もやってないはずだが……

「……ねえ、優くん」

「うん? どうした?」

「うんうん、何でもない」

「そう?」

なんだか気になるけど、今は大會中だしここはそっとしておくべきか。それに、多分だけど気になるのはあいつらの事だろうな。それについては大會が終わった後で訊かれた時に答えればいいか。

「それじゃあ次の試合も頑張れよ。今度もしっかり観てるから」

「うん、お願いね」

「任せておけ」

そうして、俺は朱音の試合が始まるまでここにいる事にした。

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