《あえて鈍のふりをしてみた》9話
〈春視點〉
結局ご飯は兄さんと一緒に作りました。
兄さんが疲れてるからってチャーハンを作り、私がサラダとスープを作りました。
食事が終わって私は部屋に戻り勉強してると、隣の兄さんの部屋から話し聲とギターの音がしました。
獨り言ぶつぶつ言ってるみたいで気味が悪かったのでそっと兄さんの部屋を覗くことにしました。
「…あー、もうし高く、ストップ。その音。じゃあ次は3弦、3弦は…」
なにやらギターを教えてるみたいです。そういえば私、兄さんがギターを弾いてるのはずっと見てますが、教えてるところは初めて見ました。私はギターやってないので。
し後悔してきました。私もギター教えて貰えばよかったです。しだけ、嫉妬してしまいました。今からでも教えてもらうことってできるんでしょうか…
「ん、いいよ。こっちもごめんねー。とりあえず明日ミニアンプとかシールドとかも全部渡すから。あとギターケースも渡すから。んじゃ、またなんかあったら電話して。」
兄さんの電話も終わったようで兄さんも自分のギターの練習を始めました。
「…どうした?ずっとドアの前にいて。」
最初からバレてたみたいです。なんなんですか、超能力ですか?
「いえ、兄さんぎ獨り言ぶつぶつ言っててついに頭おかしくなったと思いました。」
「ひどくない?傷ついたわー。」
と言いながらもヘラヘラと笑っています。
「んで、どうした?ギターやりたい?」
笑っていながらも、どこか真剣な聲で聞いてきました。
「まあ…はい、そうですね。やってみたいです。」
「やっぱり?いつかそう言ってくれると思ってた。春昔から俺の真似するし。」
と笑いながら兄さんはロッカーを開け、埃など全くついてない綺麗なギターケースを取り出しました。
「べつに!……そうですね、確かに兄さんの真似ばかりですね。」
否定しようとしたんですができませんでした。兄さんはいつもの冗談で言ったんでしょうが思い返せば兄さんの真似ばかりですね。
「へ?なんでシリアス?まあいいや、はいこれ。春が頼んできたら渡そうとしてたんだ。俺が一番最初に使ってたギター。アコギだけどこれ春にあげる。大切に使ってね。」
兄さんは懐かしむようにそのアコギをで、私にくれました。埃とかがいっさい見當たらず、兄さんが本當に大切に保管していたのがわかります。
「いいんですか?こんなの貰って。」
「うん、もう使わないからね。ただ仕舞われてただけじゃギターがもったいないしさ、元々春にあげる用って決めてたんだ。あとこれは持論なんだけど、初心者こそ高いギターを使うべきだと思うんだよね。抑えやすさが安いやつと比べものにならないから。それにいい音がして楽しいしね。だけど春には俺が初めて使ったギターを使ってほしいんだよね。春は俺の妹だから。」
安いやつだけどねとニヒルに笑い他にもギターに使うピックなどをもくれました。
兄さんの言う私は兄さんの妹って言葉にはどれほどの思いがあるか計り知れないですが、きっと自分の持論を曲げてでもこのギターを渡すくらいです。本當にんな思いがあるんでしょうね。
「兄さん、ありがとうございます…ちなみにですが、これいくらしましたか?」
安いとは言ってもある程度は返したいです。というか、何兄さんボーッとしてるんでしょうか。
「…へ!?あっ、んー、7萬弱とか?いまならいいモデルだと10萬とか?それ、takamineって言うんだけど、長渕剛が使ってるモデルだと20萬は軽くこすかな?」
いや!高いじゃないですか!!!
※実際はギターで7萬とか10萬はまだ安い方です。てか普通弱くらい?エレキなら雑魚です。ゴミです。噓です言いすぎましたごめんなさい。
〈裕太視點〉
今日は學校でオリエンテーションや校則などを教えてもらっただけなので明日からやっと通常授業になる。テストはまだ返ってこないらしい。
そして、予習しなきゃ死ぬ、確実に。周り頭よすぎヤバい。
ということで、一通り予習が終わったところでスマホをふと見るとラインが1件きていた。
相手は夕姫で、何やらギターの音がなんか違う気がするとのこと。
「やべ、普段チューナー使わないしチューナー渡すの忘れてた。そりゃ背中に背負ってたんだからペグもずれるよな。」
とりあえず電話してとのことらしいから電話かけてみようか。
「もしもーし!ゆーくんごめんねー!」
はやいな、ワンコールしかしてねーぞ。
「おーっす、いやーごめんごめん、チューナー完全に忘れてたわー。んじゃ、今から家に屆けるのも迷だしギター鳴らしてみて。一番上の太い弦から。」
もっと高く、高すぎ、などと言ってなんとか全ての弦を合わせ終えた。
「いやー、ごめんね夜遅くに。助かったわー。」
「ん、いいよ。こっちもごめんねー。とりあえず明日ミニアンプとかシールドとかも全部渡すから。あとギターケースも渡すから。んじゃ、またなんかあったら電話して。」
ふぅ、準備しなきゃな。とりあえず3弦のチューニング中辺りから覗いてきた現在進行形で嫉妬してる春を呼ぼっか。
「…どうした?ずっとドアの前にいて。」
ギクってなってるけど分かり易すぎるよ。ガンってたまに聞こえてたし。
「いえ、兄さんぎ獨り言ぶつぶつ言っててついに頭おかしくなったと思いました。」
ひどいなー。まあ確かに部屋見るまではそうじるわな。
「んで、どうした?ギターやりたい?」
さっきから俺が弾いてるギターじっとみてるし、夕姫に教えてることに嫉妬してそうだし。自覚あるかは知らんけど。
「まあ…はい、そうですね。やってみたいです。」
「やっぱり?いつかそう言ってくれると思ってた。春昔から俺の真似するし。」
まあいつかは言ってくれると信じててギターは綺麗にしてたんだけどさ。遅すぎじゃないかなぁ。
「べつに!……そうですね、確かに兄さんの真似ばかりですね。
おぉ、春が素直。なんか気持ち悪い。てかなんでシリアスになる…
「へ?なんでシリアス?まあいいや、はいこれ。春が頼んできたら渡そうとしてたんだ。俺が一番最初に使ってたギター。アコギだけどこれ春にあげる。大切に使ってね。」
にしてもtakamine懐かしいな。これ父さんから買ってもらった時ほんとにはしゃいでたな。ずっと弾いてたっけ。春にもあの思いをじてほしいんだよな。絶対にハマるから。一応弦は張り替えてるから大丈夫だよな?
「いいんですか?こんなの貰って。」
「うん、もう使わないからね。ただ仕舞われてただけじゃギターがもったいないしさ、元々春にあげる用って決めてたんだ。あとこれは持論なんだけど、初心者こそ高いギターを使うべきだと思うんだよね。抑えやすさが安いやつと比べものにならないから。それにいい音がして楽しいしね。だけど春には俺が初めて使ったギターを使ってほしいんだよね。春は俺の妹だから。」
んま、安いけど、あ、でもアコギだったらそこそこいい値段かな?コスパも最高だし。
「兄さん、ありがとうございます…ちなみにですが、これいくらしましたか?」
やばい、春が天使すぎる、なにあれ、微笑んだだけでなんでこんな幻想的なのさ。
え、ほんと天使じゃん。
「…へ!?あ、んー、7萬弱とか?いまならいいモデルだと10萬とか?それ、takamineって言うんだけど、長渕剛が使ってるモデルだと20萬は軽くこすかな?」
やばいやばい、危ない。油斷ならない…
その後、高すぎと怒られました。
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