《あえて鈍のふりをしてみた》10話

〈裕太視點〉

「ゆーくん何點ー?何位ー?」

ニヤニヤしながらうざいのが來た。

「うるさい、夕姫より低いから。」

今日、この間やったお迎えテストが返ってきた。

英語、數學、國語総合、理科系選択2教科で俺は科學と理で計400満點テスト。

英語は96だが、他がやばい。數學60、國語総合53、理科42。計251點。

平均は230らしい。

「ふっふーん。あたしは385點!」

噓だろ?化けかよこいつ。

「おぉ、なら首席かな?」

「うん!ゆーくんの代わりにね!って言えたらいいんだけどね、また次席。」

夕姫は、はぁっとため息をついて明後日の方向を向いた。

「なんでも、満點とった化けがいるらしいよ。確か…安藤桜って子だったかな。」

「いやいやおかしいだろ、満點とかまじかよ。てかよく知ってるな。」

「うんうん!あ、ゆーくんに勝ったからジュースおごって!」

は?なに調子こいてんだこいつ

「そんな睨まないでよー。いいじゃん!ね?」

上目遣いで手を合わせてお願いっとあざとく言ってきた。うぜぇ…

「はぁ、なに?」

「コーラで!」

「太っちまえ。」

そう言い教室を出て自販機に向かった。後ろからなんかばれてるじがするが、気のせい気のせい。

「んー、俺なににしよ、めんどいし俺もコーラでいーや。」

學校の自販機って安いよな。500mlコーラが120円とは…

自販機から教室に向かおうとしたが、何か違和じた。

「ん?…あれ、ネクタイ的に1年生…あそこ2年生の教室の方向だけどどーしたんだろ。」

この校舎は他の學校とは変わった構造をしている。

北側が3年生、南側が2年生、中央が1年生という風になっている。そして特進クラスが1階と2階で進學クラスが3階と4階になっている。

そして1年生のネクタイをしたの子がキョロキョロしながら2年生の廊下を行ったり戻ってきたりしている。そのの子の長はだいたい160くらいで、焦げ茶の髪のセミロング。

「んー、なんか見たことあるような…ん?目が合った。なんかすげー助けてしそうな目で見られてるんだが。」

そのの子は俺と目が合うと一瞬驚いたような顔をし、その後嬉しそうな顔をしてすぐに助けを求めている困っている顔をした。表かだな。

「どーしたんですかー?まさか迷ったとかー?」

「!!………ち、違う。」

ちょっと冗談をれて話しやすくしようとしてみたがなんだか図星だったみたい。

し笑いをこらえながらの子に近づいてみた。

「ほーほー、俺1年でってきたばかりでここわかんないんだけどさ、君が今行こうとした所何年生の廊下?」

「?何言ってるの?私たちの學年…いや、噓、3年生……2年…生?」

あ、うん、迷子だこれ。

「あ、あはは…どこに行きたいの?」

「…1-A教室。」

「あー、おけ。こっちだからいこ。」

てか、なんでさっきから顔赤いの…え、一目惚れ?まさかー…いや、なんかこれ春に似てる。

「…あの、私のこと覚えてる?」

上目遣いで心配そうな顔をして聞いてきた。

いや、どこかであったことがある気がするんだよなー…

あ!!!

   

〈裕太視點   回想 〉

今日は試。だけどあまり張はしない。まあやれるだけやったしかりはするだろう。

時間にかなり余裕を持って會場に著くことができ、指定の席に座り、とりあえず理科の用語など復習することにした。

しすると俺の隣の席にの子が座った。

そのの子はカバンから教科書やらノートやらを出して勉強を始めようとしていた。

「……っ!!!!」

そのの子が急に顔を変えカバンの中を漁り始めた。

「ん?どうかしました?」

さすがに気になったから尋ねてみた。

「…ペンケースがない…」

「え!!」

の子は今にも泣きそうな顔をしてカバンの中を見ていた。

「ねえ、家近い?」

そう聞くとフルフルと頭を橫に振った。

「んー、を貸すの止行為だしな。」

中には試験がすでにいて、不正行為のないように見張っていた。

「どうしようかな…あ!そうだ!」

時計を見るとあと20分余裕ある。

試験はこっちにはまだ気づいていないみたいだ。

の子は涙目になって必死になってカバンの中や制服の中を探していた。

「ねえ、し外に出よっか。」

「でも、時間的に家には帰れない…」

「いいからいいから!」

そう言っての子を連れ試験會場から出て言った。試験の人にはトイレと言っておいた。

そして校門を出たあたりで止まりの子に振り向いた。

「さて、ここなら大丈夫だろう。」

「…何するの?時間ない。」

「ルールではさ、貸し借りはダメなんだよね。」

「そんなの當たり前。バレたら一発不合格。」

そんなの當たり前、時間の無駄と言うかのような雰囲気だった。

「うん、詰んでるよね。じゃあさ、自分のだったらいいんだよね?」

「?當たり前じゃないの?」

「うん、當たり前だね。だからさこれ。」

そう言って俺はシャープペンと消しゴムと替え芯を渡した。

「今貸し借りダメだって言ったばかり。」

「貸したんじゃないよそれ。あげたの。もう今け取ってる時點でそれは俺のものじゃなく君のもの。だから君は自分の筆記用を使って験することになる。なんも問題ないしょ。」

予備の筆記用持ってきておいて本當に良かった。

「!!そんなの詭弁だよ!ダメだって!」

「じゃあ君は落ちたいの?ここまで頑張ってきて、俺の隣ってことは特進クラスにろうとしてて、諦められるの?それに、詭弁だとしても一応違反はしてないよ?こういう時はありがとうって言って素直にけ取るべきだよー。」

「……ありがとうございます。助かりました。絶対に學後にお禮しますので!」

「うん、楽しみに待ってるよ。一緒のクラスだといいね。」

「はい!」

結局この後何事もなく試験が始まり、そして何事もなく終わった。

〈裕太視點〉

「あの時の試であった子だよね?」

「はい!!あの時は本當にありがとうございました!」

の子は可らしい笑顔でお禮を言った。

やった…覚えてくれてた…とボソッと言っていたが聞こえてますよー。

「まあ同じクラスにはなれなかったねー。あ、ねえ、めっちゃ失禮なんだけど、君なんて名前だったっけ?あ、俺は水野裕太ね。」

「あ、安藤です。」

ここで1つアドバイス。好度を稼ぎたい時こう言おう。じ良くなるよ!

「あー、違う違う。えーと…安藤なんだっけ?」

「桜です!安藤、桜です!」

自分はあなたを名前で呼びたいのでの名字でなく名前を聞いているというじが出たらよし。そしてそのまま子の名前もナチュラルに呼べるというおまけつき。不祥事起こした田中角栄が使ってた技だね笑

なんか覚えてくれてた…ってボソっと言ってたけど気にしない気にしないー。

ん?今安藤桜って…

「…ねぇ、桜。テスト満點?」

「あっ…///……はっ!はい、そうです。」

「まじか。すごいな。」

「えへへ…名前呼び…//」

あー、トリップしちゃってるし…てかあの時がフラグだったのか。

そうこうしているうちに教室に著いた。

「ねえ桜、よかったらさ今日お晝食堂で食べない?俺弁當だけど。」

まあこんな可い子に好意持ってくれてるのは普通に嬉しいしね。

「!!!はい!ぜひ!」

うん、完全落ちてるね。あー、どうしようかなぁこれ…

ひとまず春みたいに気づいていないふりしとくか。

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