《奴ら(許嫁+馴染諸々)が我が家に引っ越してきたのだが…》三人目
「気をつけてくださいよ織原先輩。この時間はああゆう奴らがいて危険ですから」
治安が悪いわけではないのだが、やはりこの時間帯にはああゆう輩が多い。相手がただのチャラ男だったからよかったものの、もし不良とこだったら止められたかどうか……。
「あ、ああ。これからは注意しよう。それより……もう握らなくても大丈夫だぞ」
「あ! す、すいません。夢中だったからつい……」
言われてずっと手を握り続けていたことに気が付き、とっさに手を離すと二人は顔を赤くして何とも言えない雰囲気が漂った。
「か、構わない。それよりどうして戻って來たの?」
確かに一回帰ったはずだ。
會った時から手ぶらだったから忘れがあってとかはないのは分かるのだが、魅雨は興の言の意味が全く理解できなかった。
「ん? いや、なんか織原先輩は家出してあんな所にいるってことは行く當てがないのかな〜って思って戻って來たんですよ」
「え? 何か當てでもあるの?」
あそこで誰かを待っているわけでもなく座っているのだから行く當てがないと知れるのは覚悟していたが、こうして心配してくれるとは思わなかった。
「いや、當てというかその……もし織原先輩が良かったら何ですけど俺の家とかどうすか? ほら、理沙とか八恵がいるから俺は気にしなくていいですから」
興としては子の比率が上がって大変になりそうだが、の子同士なら気が楽だろうし三人とも知らない仲ではない。
「本當にいいの? 私は君を疑っていたし、まだ完全に信じているわけではないのよ」
「別に信じてもらおうとか思ってません。でも、織原先輩が困ってるなら助けたいんですよ」
「なんで……、なんで君はそんなに……」
だがその聲はあまりにもか細く、し前を歩く興には屆かなかった。
「どうしたんです織原先輩?」
「いえ、何でもないわ。それよりもさっきの申し出ありがたくけ取るわ」
「じゃ、じゃあ織原先輩いいんすか?」
「ええ、君なら安心できるわ。こちらこそよろしくね天坂くん」
***
「興様、確かに私はしの間散歩をして來てくださいと言いました。ですがそれは荷の移をしている間、暇だろうと思って言っただけであってそのを連れて來いとは言っておりませんわよね」
馬鹿でかい家へ到著して數分後、玄関先で魅雨は土下座をして説教をけている興の姿を見つめてた。
「い、いやな八恵。これには事があるんだ。実は織原先輩は家出をして行く當てがないらしんだよ。でも、友達の家泊まろうとしてすぐに親にバレるからって事で我が家が一番織原先輩の避難場所として向いてるんだよ」
全て條件がクリアしているのはこの家くらいで、これ以上の好件はないのだ。
「はぁ……。興様のそうゆう所は嫌いではありません。ですが、最近はおじ様に似てきている気がしますわ」
「え⁉︎ ど、どのへんがだ?」
嬉しくないような、嬉しいような……。複雑な気分だ。
「自由なところがですわ。悪い意味ではないのですが許嫁として他のを連れてくるのは々心配ですが興様を信じていますのでいいですわ。貴方がこの家に泊まるのを許可しますわ」
「一応俺がこの家の主のはずなんだがな」
「よいではありませんか。どうせ私たちのの巣になるのですから」
「だからここをの巣なんかにする気はないからな!」
そんないつものくだらないやり取りをしていると橫で見ていた魅雨は耐えられず、笑ってしまった。
「ふふっ、君たちは仲がいいんだな。羨ましいよ」
「羨ましい……ですか?」
「ああ、私は生徒會長ということで距離を置れがちなんだ。友人がいないわけではないのだが後輩には怖がられていてな。あまり上手くいってないんだ」
生徒會の仕事に支障をきたしてはいないが、友好関係はあまり良くないらしい。
「確かに、貴方って接しにくいわよね。近づき難いオーラみたいなのがあるわ」
「お、おい八恵」
止めようとするがそれにも関わらず、口を開く。
「ですが、私たちは生徒會長だからといって遠慮は致しませんわ。この家で過ごすのならそれくらいの覚悟はしておくことね」
そんな挑戦的な発言に新たる同居人は不敵な笑みを浮かべた。
「ええ、むところだわ」
ほんじつのむだぶん
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