《奴ら(許嫁+馴染諸々)が我が家に引っ越してきたのだが…》姉と姉
現在、二人の姉に囲まれている。
片方は母親は違うがの繋がった関係であり現在同居している姉。もう片方はは繋がっていないが先に興と知り合っている。
この間に挾まれている興は魅雨に事を説明する。嘉納先生のことを昔、知り合っていてお互いにそのことを覚えていたということを。
「なるほど、嘉納先生は私の弟と期に知り合いだったと。妙な偶然もあったものだ。でも、お姉ちゃんとはどういうことだ!」
「問題そこ? 別に深い意味はないけど、その方が合ってるかなって」
同じ姉でもタイプが違う。
呼び方はそのタイプによって自然と変わってくるもので他意はない。これから変えろと言われても困るのだが……。
「合っているか……それならそれで良いんだ。それよりも問題は何故、コソコソと二人で會っているのかということにあるな」
「これは私が呼んだの。個人的に気になったから……」
「ほほう。あまり心しませんね。実習生という立場を利用するとは。生徒會長として學園でそのような行為は見過ごせません」
ここぞとばかりに責め立てる魅雨。
らしくない行だ。何をそんなにイラついているのかは不明だが、ここは間にらなくては悪い流れになりそうだったので止めにる。
「魅雨姉、あんまり意地悪言わないであげてよ。俺も久しぶりに二人で話したくて來たんだから問題ないって」
この前は時間がなくて素っ気ない態度を取ってしまったが本當は嬉しかった。昔のように優しい彼に自分のことを覚えているかどうか問いたかった。
だからこそ彼の呼び出しに応じたわけだが、どうやら生徒會長はそれにご立腹なご様子で頬を膨らませ睨んでくる。
「み、魅雨姉⁉︎」
「どうしてそのを贔屓するんだ? 私よりもそっちを姉として選んだということかこの裏切り者‼︎」
それだけ吐き捨てると魅雨は生徒指導室を飛び出した。廊下を走るなど本當にらしくない。まるで中が違う誰かにれ替わってしまったかのようだ。
「え、ええ〜? 俺何か悪いことした?」
心當たりはないのだが、我がお姉ちゃんはため息をらしてダメ出しを始める。
「今のはダメだよ興ちゃん。昔からの子の気持ちに疎いんだから。ほら、私のことは良いから追いかけてあげて。ちゃんと納得させてあげるんだよ」
積もる話はあるが先決すべきはもう一人の姉である。あの言からして何かしらこちらにも非があったのだろう。
一番タチが悪いのは悪いことをしたという自覚がないこと。
どうやら俺は魅雨姉に対して失禮なことをしてしまったようなので謝らなくては。
だがその前にーー
「由お姉ちゃん、魅雨姉のことは後でゆっくり説明するけど俺にとってどっちも大切な姉だから」
姉に優劣などない。
付き合いが長いとか、一緒に住んでいるかとか関係ない。それは今もこれからも変わらない。
「うん分かってるよ。そのことをあの子にも伝えてあげて」
らかい笑顔に送られ、興はもう一人の姉へと自分の思いを伝えるために走り出した。
途中で先生に注意されたのはごである。
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