《奴ら(許嫁+馴染諸々)が我が家に引っ越してきたのだが…》子會議
天坂家。
つい昨年までは二人暮らしであったとは思えないほどの賑わいを見せていて、隠し通すのが難しくなってきた今日この頃。
リビングに神妙な面持ちで家主以外の者たちが集まり、機に置かれた各々の攜帯を見つめていた。
どれも同一人からのメールが開かれた狀態でこの迫した空気はその容が原因である。
「きちんと皆様にもこのメールが屆いているということは興様は本気のようですわね」
「ああ。どういう心境の変化があったかは姉である私も知る由もないが、このデートのいをけるかどうかは自由と記載されている。そして順番は早い者順らしい」
「お兄ちゃんもやる時はやるね〜。私は信じていたよ」
どこか遠い目をする妹。それを目に馴染は問いかける。
「それで、皆さんはこのおいをけるんですか?」
「ここでそれを言及する必要があるのかと私は疑問に思うが、気になるのもまた事実。ここは參加するか否かだけでも把握しておけば後々問題が起こらないだろう。それでは參加しない者は挙手をしてくれ」
結果は全員參加。誰も手を挙げようとしなかったのである。
「へ〜、ゆきねんが參加するのは意外だな〜。私はてっきりごとには興味ないかと思ってたのに」
「興味ない。でも、一応彼は恩人。禮を言う良い機會だから」
メールにはデートという単語は出ていない。二人きりで出かけないというおいであり、雪音はデートという意味合いとして捉えていた。
「ふ〜ん。それで順番はどうするの? 一斉に送ってお兄ちゃん困らせてみる?」
楽しそうにイタズラな提案をするがそれは利他的な姉によって靜止された。
「いや、ここはちゃんと話し合って決めよう」
「なら私は何番でも良いから抜けさせて。これから『世界パワースポット発見』が始まるから」
返事を聞く前に自室へと戻っていく雪音。この自由奔放さには流石の魅雨も驚いたが、それならばと話を進める。
「それなら殘った私たちだけで話し合うとしようか。では順に何番が良いか教えてくれ」
「もちろん、一番ですわ。真っ先に興様にアピールして他のライバルと差をつけませんと」
「私は里沙ちゃんの後なら何番でもOKだよ」
「私は日曜日なら何番でも。その日なら兄貴も空いてるだろうから……」
「わ、私はーー」
そこで里沙は言葉が詰まる。
この狀況に戸っているからだ。何となく手を挙げなかったが自分が興とデートをしたいかどうかはわからない。
八恵のように大膽で自分の気持ちのように素直にはなれない。興と一緒にいると心の奧がポカポカするが、これはなのかそれとも馴染としてのなのかーー。
「まだ期限はある。それまでに考えておいてくれ」
結局、その場は雪音以外が參加するということだけが決まった。
その後、言葉に詰まった馴染の部屋に華蓮がやって來た。これからのことについて相談するために彼が呼んだのである。
「やっぱりいきなりは戸うよね。お兄ちゃんは何を考えているんだか……」
「華蓮ちゃん……ごめんなさい。私、自分でも思っている以上に優不斷みたい」
「そんなところも似てるんだねお兄ちゃんと。けど、お兄ちゃんは決めたよ。いや、これから決めるってじかな」
「華蓮ちゃんは怖くないの?」
「怖い? どうして?」
「だってこの件が終わったらきっと今のままではいられないから」
それはあの場にいた者たちは全員悟っていた。誰かが選ばれたらそれ以外の人たちはこの場にはいられないかもしれないと。
「でも、ずっとこのままってわけにもいかないよ。大丈夫大丈夫、私がバッチしサポートするから。それともお兄ちゃんが誰かの手に渡るのを指を咥えて待ってるの?」
いつまでもこの狀態は続かない。
そういう結果になる未來も訪れてしまうのだと華蓮はし脅し気味に言うと里沙は大きく首を橫に振った。
「それじゃあ、決まり。私が良い順番になるように回ししておくから、それまでに心の準備しといてね」
嵐のように去る彼の後ろ姿を見送り、靜けさを取り戻す。
「私も覚悟しないとだよね……」
機の上に置かれたい頃の寫真に目を向け、小さく呟いた。
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