《皇太子妃闘記~離縁計畫発中!~》14話 リンカーヌ王國
サブライマの街を出発して、ラハサカの街、モラシュルの街、あとは小さな農村を経由して無事にリンカーヌ王國の王都に著いた。
予定より一週間ほど遅れての到著だった。
サブライマの街を出発してすぐにネネにキース隊長のことを確認した。
「はい·····告白しました。キース様も盜賊の件から私のことを気になり始めたと言われて。」
ネネは両手で頬を押さえて照れながら報告してくれた。
「アリア様のおかげです!二人きりで話す機會を持たせてくれたのでんなお話しも出來たし、キース様のひととなりが分かりました。やはり立派な方でした!」
ネネは頭を下げてきてお禮を言ってきた。
「それで人同士になったの?」
「はい 」
ネネは幸せそうな顔をしている。
良かったわね!ネネ!
「ところで、夜中に、ギシッギシッとベッドの軋む音が聞こえてきてね!うめき聲みたいなのも聞こえたの!ネネは聞こえなかった?」
私は夜中のことをネネに聞いた。
ネネは視線を泳がせ
「え?····そ、そうですか。私には聞こえなかったです。」
何か汗も掻いているような?
「そう····最後に幽霊でも出たのかしら。怖くてなかなか寢れなかったわ。」
「すみません!!」
「?」
なぜかネネが謝ってきた。
それからは宿に泊まる時はネネの隣にキース隊長が部屋を借りた。何故か私の隣にはランクス副隊長も。四人セットで宿を取るようになったのだ。
キース隊長は公私をきちんと分けており、任務中は「ネネ殿」と呼び、夜は「ネネ」と呼び捨てで名前を呼ぶようになった。
部下の手前、ネネと人同士なったことはにしているとのこと。
夜は部屋の中だけど人として逢瀬をしていた。
羨ましいわ!
でもやっと王都に到著した。これでルイス王子に會える!
私自はやる気持ちを抑えるのが大変だった。
今回も最初にすることは宿を取ること。
それぞれに宿を取り、滯在期間は三日間と決めた。
本當はもっと滯在期間は一週間ほど見ていたが、想像以上に到著が遅れた為に仕方なかった。場合によってはあと一日くらいは増やしてもいいかなと思っている。ルイス王子との絡み合いがあるからだ。
私は気分が高ぶっているのか、本來ならちょっと宿で休むが街を歩きたくて仕方がなかった。
ネネとキース隊長に無理を言って街に繰り出すことにしたのだった。
勿論ランクス副隊長も一緒ですわ!
私は來てから思ってたことですが、どこを見ても人、人、人!
人が溢れかえっていた。活気もあり呼び込みの聲も飛びっている。
「お兄ちゃん達!この焼き串一本どうだい?味しいよ!」
「そこの綺麗なお姉さん!こっちのオークはらかくて味しいよ!」
······凄いわ。とりあえず街の大きさ、人口からしてサマヌーン國とは規模が違う。
まっ、當たり前だけどね。國の大きさからして違いますもの。
私は屋臺で焼き串を一本買って食べた。
その時にキース隊長が不意に思い出したように話を始めた。
「そうか、何でこんなに人が多いのかと思ったら明日はフレラルン祭なんだ。」
「フレラルン祭?」
私達三人は何のことだか分からないので聞いた。
「ええ。リンカーヌ王國の神様の1人で、國の繁栄をもたらす神様として崇められています。それがフレラルン神様です。年に一度、フレラルン神様が誕生されたと言われる日にフレラルン神様をお祝いをする、所謂祭ですね。かなり大規模でやっていて、各國から民も集まってきます。」
へえ。そうなんだ。そういえば習った気がするわ。えへっ☆
「明日はもっと人も増えて盛り上がりますよ。明日はこの道を通ってあちらにあるフレラルン神様が祀られている教會に王族がお祝いの祈りをするために通るはずです。」
「えっ?そうなの?」
「はい。もし會われるなら教會か·····でも王族を一目見ようと凄い人でごった返しているだろうし、あちらはこちらには気づかないかもしれませんね。その前に近づくのは困難かもしれません。」
·······時間がないから明日は逢いたいと思ってたけど無理そうね····。
「とりあえず明日の様子を見て、會えそうなら行けばいいじゃないですか!」
ネネが言った言葉で明日決めることにした。
「それにわざわざ教會に行かなくても王城に行けばいいですしね。」
ランクス副隊長も助言してきた。
「そうね。」
當初は王城に赴き逢うつもりだったし。
今考えても仕方ないことね。
私はそう頭の切り替えをして、リンカーヌの王都の街並みを堪能したのだった。
次の日
私たちは朝早くに街に繰り出した。時折、騎士団の者や近衛隊の者とすれ違った。
「朝から凄い人ね。」
早朝にも関わらず既に人だかりは出來ていた。警備隊も既に配置されておりロープを引いていた。
「そうですね。私もびっくりしました。」
ネネも人だかりに驚いたようだ。
「リンカーヌ王國の大きな行事ですからね。民は皆王族の顔をひと目見ようと田舎から出てきたり、他國は旅行とようして見にきてますから。」
キース隊長はネネの肩に手を置き話しをする。
幸せそう·····。
私は羨ましくその手を見ていたら、それに気付いたキース隊長がさっとネネの肩から手を引いた。
あっ、ごめんねネネ。
王族のご一行を待っている間はキース隊長が飲みと食べを買って來てくれてそれを食べたり、お話ししたりしていた。
時間が経つにつれて人もますます増えてきた。
「まだなのかしら」
「そうですねえ。」
暇すぎて思わず言ってしまう。
あっ!そうだ!
私は隣の知らない人に話しかける。
「ここのルイス皇太子様ってどうなんですか?」
ネネもキース隊長もランクス副隊長もぎょっとした目で私を見る。
「ああ、あんたは旅行者かい?」
「はい。」
人が良さそうなおじさんが教えてくれた。
「ルイス皇太子様は立派な方だよ。國王に代わって外もされてて、ルイス皇太子様がんな國と渉してくださって輸出も増えて國民は喜んでいるよ!貧困の村とかにも支援してくださったりして。誰もルイス皇太子様の悪口を言う奴はいないよ!ルイス皇太子様はリンカーヌ王國の誇りさ!」
まあ!國民の信頼も厚いのですね!
私は思わずニコニコしてしまった。
周りの人が私の笑顔を見惚れいるのに気づきもしなかった。
「國王様達が來るぞー!」
誰かがんでいる。
そろそろね!
警備隊の人達もピリピリとした雰囲気になり始めていた。
遠くから屋のない立派な馬車がやってきていた。その馬車を引く馬にも立派な裝飾が施された布を被せてある。先導している騎馬隊の人も正裝してゆっくりと馬を歩かせている。
國王様が國民の聲援に笑顔で手を振っている。隣にいる綺麗な方が國王妃様ね。國王妃も笑顔で國民の聲援に手を振って応えていた。
あの方達が未來のお義父様とお義母様·····私はじっと見つめてしまった。
そのあとの馬車にはルイス王子様ではなく、が數名乗って手を振っていた。あの方達は側妃様たちかしら?
「お!次はルイス皇太子様だ!」
國民の聲援は國王様の時よりも大きくなった。
すっ、凄い人気!
「ルイス様!」
「ルイス皇太子様ばんざーい!」
耳を塞ぎたくなるくらいの國民の大きな聲援。
それに応えているルイス王子を見つけた。
あっ!ルイス殿下だわ!
私もぼうとしたら·····が固まった。
その馬車にはルイス王子だけではなく、ルイス王子の両隣にがいた。しかもその二人のはルイス王子の腕を組み、國民に手を振っている。
·····どういうこと?
私はそれを見て頭が真っ白になった。
私の目の前をその馬車が通り過ぎていく。勿論ルイス王子は私に気付くわけもなく·····。
何故、ルイス王子の両隣にが乗っているの?しかも腕を組んで!
キース隊長とランクス副隊長が何かをんでいる。
その聲は民衆の聲と一化しており、私には何を言っているのか聞こえなかった。
民衆は馬車を追いかけてその場から移していく。
私はけずにただその場に立ちすくんでいた。
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