《先輩はわがまま》31

俺はソファーに座り、映畫の上映を待った。

先輩は俺の隣に座り、俺の肩に頭を乗せる。

「隨分頑張ったのね」

「ま、それなりにですよ……」

「ウフフ、ありがと」

映畫はクリスマスを題材にした、海外のラブロマンス映畫だ。

結構人気があり、面白いと評判らしい。

クリスマスにカップルで見る映畫として、ネットでお勧めされていた。

映畫の最中、先輩は俺の手を握りながら映畫に集中していた。

そして、およそ二時間ほどで映畫は終わった。

「面白かったわね」

「まさかベッドシーンがあるなんて思いませんでしたよ」

「まぁ、R15の映畫だしね」

「キスシーンも流石海外ってじでしたよ」

映畫が終わり、俺と先輩は話しながら外に出る。

時間も夕飯時になり、俺は先輩を連れて次の目的地に向かう。

「今度は何所に連れてってくれるの?」

「まぁ、腹も減ったと思うんで……あぁ、ここです」

「おぉ、お灑落なレストラン」

俺が次に先輩を連れてきたのは、フレンチレストラン。

まぁ、ここもデートにお勧めと書いてあったので、予約を取ったのだが……ここも結構頑張って金を出した店だ。

俺と先輩は席に通され、指定された席に座る。

「ここも個室なの?」

「個室じゃないと落ち著かないので」

「フフ、あっそ」

先輩は俺を見ながら、ニコニコと笑顔を浮かべる。

「何ですか?」

「いや、なんかいつにも増して頑張ってるな~って思っただけよ」

「まぁ、頑張りますよ。先輩とのデートですし」

「きゅ、急になによ……ばか……」

顔を赤くする先輩を見ながら、俺は思わず口元を歪める。

「頑張った甲斐がありましたよ」

「べ、別に頑張らなくても……私は次郎君と居られればそれで良いのよ」

「たまには頑張らせて下さいよ」

俺と先輩はそんな話しをしながら、食事を始めた。

高いだけの事はあって、味は申し分無かったし、見た目も凄く良かった。

でも、先輩ならこの程度店には來慣れているかもしれない。

あの高そうなマンションに、來ている服もかなり高価なじがする。

しかも、この前來た先輩のお母さんも、高そうなスーツを著ていた。

先輩の家の事はよく知らないが、噂だと會社を経営しているなんて話しがある。

知っているようで、俺は先輩のすべてを知っている訳では無い。

まぁ、俺も実家の事は一切話しをしていないのだが……。

味しかったわね」

「中々でしたね、本當に」

食事を終えた俺と先輩は、自宅への道のりを歩いていた。

「で……クリスマスの最後って言ったら……あ、あそこよね……」

帰る途中、先輩は俺から視線を反らしながら、そう言ってきた。

まぁ、クリスマスのとある時間はカップル達が、最もアレをやる時間として有名なのだが……。

「ホテル、部屋空いてますかね?」

流石に俺もそこまでは準備していない。

て言うか、ラブホの予約なんてあるの?

「次郎君の家で良いわよ、その方が落ち著く」

「じゃあ、帰りますか……」

先輩のみ通り、俺は自分の家に帰って行く。

家に著いた時刻は夜の21時過ぎ。

帰宅した俺は、コートにずっとれていたプレゼントをどのタイミングで渡そうかと悩んでいた。

「ね、一緒にお風呂りましょうよ」

「え? あ、はい」

「何してるの? コートに何か付いてた?」

「あ、いえ何も……じゃあお風呂沸かしますか」

俺は再びコートにプレゼントを戻し、風呂を沸かし始める。

「時間あるし、ゲームしよ」

「クリスマスまでゲームですか……」

「だって、暇だし」

「まぁ、俺ららしいですね」

俺と先輩は風呂が沸くまでの間、ゲームをして待つ事になった。

やっぱりクリスマスでも、やることはあまり変わっていない気がするが、まぁコレが俺と先輩なのだろう。

「あ! 次郎君今のずるい!」

「ずるいって……アイテムの効果ですよ」

「そんな効果聞いて無い!」

「説明に出て來ましたよ」

「そんなの読んでないわよ!」

「自業自得です」

そんなこんなで、ゲームをして過ごす俺と先輩。

なんだかんだで、風呂が沸いた後も熱中してやってしまった。

そして、ゲームにも飽きた頃、先輩が顔を赤くして俺の服の袖を引っ張って來た。

「……お風呂……りましょうか……」

「そ、そうですね……」

考えて見れば、一緒に風呂にるなんて始めてだ。

というか、明るいところで先輩のを見るのも始めてだ。

まぁ、先輩の下著姿とかなら、よく見たのだが……と言うのは全く意味が変わって來る。

「で……どっちからります?」

「じ、次郎君ってて……あ、あとで行くから」

「わ、分かりました」

何度かそういう事をしたとはいえ、やはりまだ気恥ずかしさは殘る。

一年付き合えばまた違うのだろうか?

俺はそんな事を考えながら、服をを洗って浴槽に浸かる。

よく考えたら、この狹い浴槽にどうやって二人ろう……。

「絶対狹いよな……」

なんて事を考えて居ると、浴槽のり口に先輩のが寫る。

「じ、次郎君……は、っても良い?」

「ど、どうぞ……」

俺がそう言うと、先輩がにタオルを巻いてって來た。

顔はリンゴのように真っ赤になっており、かなり張している様子だった。

「あ、あんまり見ないでよ!」

「散々見せようとした癖に……」

「う、うるさいわね! 良いからそっち向いててよ! 洗うから!」

「それなら、一緒にろうなんて言わなきゃ良いのに……」

俺は言われるがまま、先輩と反対の方を向く。

後ろで先輩がを洗っていると思うと、なんだか変な気分になってくる。

「あ、あの……本當に俺先に上がってましょうか?」

「い、良いから! もうし待ってて……」

「は、はい……」

先輩にそう言われ、俺は大人しく湯船の中で先輩を待った。

「じゃ、じゃあ……るから……その……詰めて……」

「あ、はい……」

俺は先輩に言われるがまま、端の方に寄って先輩が浴槽にれるようにした。

すると先輩は俺に背中を向け、浴槽の中にってきた。

先輩は俺にを預け、そのまま浴槽に肩まで浸かる。

この態勢は俺からしたら、非常にまずい。

「あ、あの……なんでこのり方なんですか?」

「別に良いでしょ……はぁ……あら? 背中に何か當たって……」

「仕方無いでしょ……この狀況じゃ……」

「?………!!」

先輩は最初わからない様子だったが、俺の言葉で意味に気がついたのか、更に顔を赤くして、浴槽の中に顔を沈めて行く。

「……エッチ…」

「だから仕方ないでしょ!」

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