「子さん、今日はやめましょう！　ここはいつもの俺のアパートの部屋じゃないんですから！」

「えぇ～じゃあ、私はどうすれば良いのよ～折角スイッチったのにぃ～」

「そんなの知りません！　とにかく、俺は下に行きます」

俺はそう言って、子さんを押しのけ立ち上がる。

すると、子さんはまたしても不満そうに頬を膨らませ俺に言う。

「ぶー……だから帰ってきたく無かったのにぃ……」

俺はそんな子さんをスルーし一階のリビングに戻る。

「子は寢ただろうか？」

「はい、ぐっすりです」

本當はまだまだ元気そうだけど……。

「そうか、岬君ももう眠るかい？　疲れたうえに酔いも回ってきただろう」

「そうですね、自分は何所で寢れば良いでしょうか？」

「あぁ、それなら子の部屋に布団を敷かせてあるから、そこで寢てくれ。元々同棲しているのだから、問題は無いだろう？」

マジか……。

いや、あの狀態の子さんが居る部屋で眠れと？！

いやいや、絶対に襲われるじゃないですか！

勘弁してくれよ！

てか、布団なんて敷かれて無かったぞ！！

俺がそんな事を考えていると、子さんの両親は何やら外出の準備を始める。

「お出かけですか？」

「あぁ、初詣にね。すまないが子をお願いできるかい？」

「は、はい大丈夫です。お、お気を付けて……」

「ありがとう、歩いて行ってくるから、帰りはし遅いかもしれない。明日は午後から出かけよう、観地でも案するよ」

「あ、ありがとうございます」

そう言って子さんの両親は、家を後にした。

子さんの両親が家を出た瞬間、俺はなんだか悪寒のようなものをじ、ブルッと震いをする。

「こ、これは……非常にまずい……」

とりあえず、俺はシャワーを借りる事にした。

さっぱりした後で、この後の事を考えようと俺は風呂場に向かい、シャワーを浴びる。

子さんはもう寢ただろうか？

そうであれば、こちらも落ち著いて眠れるのだが……。

今日は移したり、子さんの両親と対面したりと、々と疲れてしまった。

正直このまま眠りたい。

俺はそんな事を考えながら、著替えをし、恐る恐る子さんの部屋に向かい、ドアを開ける。

「み、子さ～ん？」

「………」

良かった、布団を被ってぐっすり眠っている。

よく見ると、俺の布団らしきが、部屋の隅に積んであった。

俺は布団をベッドの下に敷き、布団にる。

今日はゆっくり眠りたいのだ、子さんの相手なんてとても……。

なんて考えていると、布団の上に何かが乗ってきた。

嫌な予がした俺は、寢たふりを決行する。

「ん～、何寢たふりしてるのよ～」

「ぐーぐー」

「寢てる人は、そんなハッキリぐーぐー言いません～」

「いや、マジで勘弁して下さいよ……俺は今日は疲れてるんですから……」

「じゃあ、次郎君は寢てれば良いから～」

「そう言う意味では無く……はぁ……なんか子さん、最近求めすぎじゃないですか？」

「嫌？」

「いや……そう言う訳では無いですけど……」

「じゃあ、良いじゃ無い……」

子さんはそう言って、俺の布団に潛り混む。

俺の背中に手を回し、に抱きつき、何やらもぞもぞやっている。

「あ、制服著てあげようか？」

「……お願いします……」

「ウフフ、次郎君のエッチ……」

「うるさいですよ」

最近俺と子さんは、こんなんばっかりな気がする。

そう思いながら、俺は子さんとを重ねる。

他のカップルは知らないが、俺と子さんは々とやり過ぎな気がする……。

＊

翌日、俺は十時頃に目が覚めた。

隣では子さんがいつものように、気持ちよさそうな寢息を立てて眠っている。

しかし、いつもと違う事もある。

ここが子さんの実家だと言う事だ。

俺は目を覚まし、子さんを起こす。

「子さん、起きて下さい」

「ん……もう…朝？」

「はい、いい加減起きましょう」

「ん～……おはようの……」

「はいはい」

俺は子さんの言いたい事を察し、先手を打つ。

すると子さんは、冷水でも顔にかけられたように驚き、目を見開く。

「あれ？　違いました？」

「……ちがくない……」

「じゃあ、起きて下さい」

子さんは顔を真っ赤にし、俺をジーッと見つめる。

「何ですか？」

「……なんか負けた気がする…」

そんあ子さんの髪をで、俺は布団から立ち上がる。

「あ……そう言えばなんて言って、制服洗って貰おう……」

「あ……」

子さんは昨日の夜著た、高校時代の制服を見ながら呟く。

確かに何に使ったかなんて言えない……。

「あ、そう言えば子さん」

「ん？　どうかした？」

「あけましておめでとうございます」

「あ、そう言えば年明けたのね、うんあけおめ」

「隨分あっさりした新年の挨拶ですね」

俺と子さんは著替えを済ませ、一階のリビングに下りていく。

リビングでは、子さんの両親が優雅にソファーに座っておせち料理を食べていた。

「やぁ、おはよう。昨日はぐっすり眠れたかい？」

「は、はい」

まぁ、ぐっすりと言えばぐっすり寢れただろう……。

俺は昨日の夜の事を思い出しながら、歯切れ悪くそう答える。

「あ、そういえば、明けましておめでとうございます」

「うむ、おめでとう」

新年の挨拶もすませ、俺もソファーに座る。

子さんはも俺の隣に座る。

「はい、口に合えば良いけど」

「いえ、こんな立派なおせち始めてです。ごちそうになります」

俺は子さんのお母さんがつくってくれたおせちを食べる。

どこかで買ってきたのかと言うほど、先輩のお母さんのおせちは味しかった。

俺がおせちに夢中になっていると、子さんのお母さんが子さんに何やら耳打ちをして隣の部屋に連れて行く。

「ところで、岬君は初詣に行くのかい？」

「はい、午前中のうちに行ってきたいと思ってます。子さんとも話してました」

「そうか……ならこの近くの神社に行くと良い。出店も出ていて賑やかだよ。午後からは観地を案しよう」

「はい、ありがとうございます。コレを食べたら行ってきます」

俺が子さんのお父さんとそんな話しをしていると、隣の部屋から子さんと子さんのお母さんが戻ってきた。

「あ、子さん、コレを食べたら初詣……」

俺は言いながら子さんを見て驚いた。

そこには著姿の綺麗な子さんがいた。