《甘え上手な彼》♯10
「母さん、このお菓子って誰に貰ったって行ったっけ?」
「裏手に越してきた宮岡さんよ? にしてもなんでうちに挨拶に來たのかしらねぇ? 普通引っ越しの挨拶ってお隣さんよね?」
「あぁ、多分俺のせいだわ……」
「なんでアンタが出てくるのよ?」
「なんでも無い……母さん、もしも俺に彼が出來たらどうする?」
「いきなりどうしたのよ? 好きな子でも出來た?」
「いや、なんとなく」
なんとなく、彼が出來た事を隠している高志だったが、両親は自分に彼が居ると知ったら、一どんな反応をするか気になった。
高志の母親はし考えて冷めた表で言う。
「とりあえず、二次元とかじゃ無ければ良いわ」
「母さん、俺をどんな息子だと思ってるんだよ……」
とりあえず二次元では無いので、何も言われる事もないだろう。
そんな事を考えながら、高志はすっかり放置していた、紗彌へメッセージを送る。
とりあえず「予定が無いので大丈夫です。どこに行きますか?」とメッセージを送る。
デートでどこに行ったら良いかなんてわからないし、こうして行きたいところを聞いた方が確実だろうと、高志は考えた。
マカロンを食べながら、返信を待っていると、すぐに返信が返ってきた、
相変わらず返信が早いなと、心しながらメッセージを見る。
『八重に任せる、楽しみにしてるね』
「マジか……」
まさかの返信に、高志は食べていたマカロンを落としてしまた。
どこに連れて行けば、紗彌が喜ぶかなんて、高志には全くわからない。
しかも時間も無い、高志は呑気にマカロンなど食べている場合で無いと気がつき、とりあえず軍資金を確かめる為に部屋に戻る。
「まぁ……金は大丈夫だろ……だが問題は…」
著ていく服、デートコース。
悩みの種はその二つだった。
高志はとりあえず、スマホでネットを開き、おすすめのデートコースをチェックする。
「遊園地は……天候に左右されるし……買いは……あっちが買いたいあるかわからんし……う~ん……」
インターネットのサイトを見ながら、高志が悩んでいると、映畫館と言うワードが出てきた。
サイトには、「映畫館なら無理に會話をする必要も無いうえに、上映後はカフェにって映畫の話しで盛り上がることも出來るので、初デートにはおすすめ。その後の話題も映畫つながりで見つけやすいので、初デートは映畫館がおすすめ。」と書かれており、高志は思わずなるほどと、納得してしまった。
「今は何をやってるんだ……」
早速、高志は上映中の映畫をチェックする。
紗彌はどんな映畫が好きなのだろうか?
そんな事を考えながら、映畫報を見ていると、高志は紗彌とのとある會話を思い出した。
「そう言えば、最近上映が始まった、映畫
が見たいとか言ってたな……」
登下校、休み時間、お晝休みと高志と紗彌は一緒にいる事が多く、々な話しをする。
その會話の中で、紗彌が最近みたい映畫があると言っていた事を思い出した高志は、これしか無いと思い、すぐさま紗彌に連絡する。
『明日、映畫でも見る?』
高志はとりあえず、紗彌に連絡し返信を待つ。
何時の上映を見に行くかなど、々話し合わなければ行けない事もあるので、とりあえず映畫で良いかを尋ねる。
そして、一分もしないうちに返信が返ってくる。
『いいよ、何見るの?』
この返信に、高志はホットをなで下ろす。
これで一つ目の目的は解決した。
高志はとりあえず、連絡を保留し、今度は著ていく服を選ぼうと考えたが、サイトに書いてあった言葉を思い出し、手を止めた。
『過度に気合いをれると、引かれちゃうかも、いつも通りの服裝が無難で安全』
その文章を思い出し、高志はし考える。
確かに、今更ドタバタしたって仕方ないし、別にセンスが特別悪い訳ではないから、普段通りで大丈夫だろう。
逆に、キメッキメで行ったら、そっちの方が不自然かもしれない。
「いつも通りでいっか」
高志は服裝の件での問題も解決し、とりあえず一安心する。
そういえば、連絡を保留にしたままだった事に気がつき、高志はスマホを見る。
すると、紗彌からメッセージが來ていた。
開いて見て、高志は一瞬固まった。
『メッセージ送るのも面倒だから、今からそっち行くね』
メッセージが來ていたのは、今から數分前。
もう向かっているかもしれないと焦る高志。
なぜ焦るのかは、聞くまでも無かった。
親にバレるし、部屋にあげるとすれば、部屋にある、とある本を隠したい。
迎える方にも準備というものがあるわけで、急に來られても々と困ってしまう。
とりあえず、高志は家には來ないように連絡をれようと、メッセージを打ち始める。
しかし、丁度そのとき、玄関のチャイムが鳴った。
「は~い」
下の階から、高志の母親の聲が聞こえる。
そこで高志は、々と終わったと思い、スマホを置いた。
その數秒後、慌てたようなじで、高志の母親が部屋にやってきた。
「た、高志! あ、あんたにお客さんよ!」
「知ってる……」
部屋のドアを開け、ため息じりで高志は部屋を出る。
高志の母親は、見るからに驚いた表をしており、高志に慌てて尋ねる。
「あ、あんた! あの子と一どういう!?」
「あぁ、後で説明するから、とりあえずリビングに居て」
高志は母親にそう告げると、高志は一階の玄関に向かう。
そこには私服姿の紗彌が笑顔で待っていた。
「來ちゃった」
「來ちゃった、じゃないよ……急にデートしようとか、家に來たりとか……」
「良いじゃ無い? 彼なんだし」
「その一言でなんでも片付けないでよ……」
肩を落とす高志は、とりあえず紗彌に上がるように言い、部屋に案する。
「お邪魔します」
「あ、い…いらっしゃい……」
途中すれ違った高志の母親に、紗彌は笑顔で挨拶する。
高志の母親は、そんな紗彌の後ろ姿を見ながら、ぽかんとしていた。
「ちょっとここで待っててくれ、し片付けるから」
「散らかってるの? それともエッチな本でも隠すの?」
「散らかってるからし片付けるだけ! そんなは持ってない!」
高志はそう言って、部屋の前に紗彌を殘し、部屋の中にる。
もちろん、しばかり散らかっているからと言う理由もあったが、正直に言うと、そう言う本も持っているので、それを隠すのがメインだった。
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