《甘え上手な彼2》第16話
*
高志と紗彌は海からホテルの自分たちの部屋に戻ってきた。
しかし、戻ってきた高志と紗彌を待っていたのは……。
「はぁ……はぁ……優一さ~ん」
「んん!! ん~!」
高志達男子部屋にて拘束される優一と、そんな優一を押し倒す芹那の姿だった。
「えっと……」
「お邪魔しました……」
「んー!! ん! ん~!!」
一瞬思考が停止した高志と紗彌。
部屋のドアを閉めようとしたが、優一の必死の訴えにとりあえず芹那を優一から引きはがす。
「さ、紗彌さん! 離して下さい、もうちょっとで優一さんを!」
「無理矢理はダメだよ」
「う~」
紗彌は芹那にそう言い聞かせるが、それは紗彌が言えるのだろうかと高志は心疑問だった。
優一の口の縄をほどき、高志は優一の拘束を次々と解き始める。
「た、高志!! よ、よく帰って來てくれた!! お前が帰ってこなかったら、俺は今頃……」
「いや、人の趣味をどうこう言うつもりはないんだが……みんなで旅行に來てそういうのはちょっと……」
「違うわ!! 俺があいつに襲われたの!!」
「なら、尚更悪い事したな……これを逃したら、お前一生……いや何でも無い」
「おい! なんて言おうとした!! 一生なんだ言ってみろ!」
「怖いから、このままで良いか」
「馬鹿ほどけ!!」
吠える優一に、高志の縄をほどく手は止まる。
しかし、いつまでもこうという訳にもいかないので、高志は渋々縄をほどく。
「あぁ……酷い目にあった……」
「お前の言う、男の妄想みたいなイベントだったのにか?」
「実際はそんなあ甘くねーよ……きっとラブコメ漫畫の主人公もそう思ってる……」
「現時點で一番ラブコメ漫畫の主人公みたいな奴に言われても」
紗彌と芹那は先に部屋に戻り、今は高志と優一だけが部屋に居た。
「それにしても、お前らは何をしてたんだ?」
「ま、まぁ……その……アレだ、散歩だ!」
「顔赤くして言う事がそれかよ……わかりやすい奴……」
高志の反応に優一は呆れつつ、立ち上がって風呂に行く準備を始める。
「ホテルの大浴場って広いのか?」
「なかなかの大きさみたいだけぞ、風呂の種類も結構あるらしい」
高志と優一は一階の大浴場に向かっていた。
先ほどの出來事で汗を掻いてしまい、高志と優一は早く風呂にりたかった。
「そう言えば、夏休み明けて直ぐに修學旅行あったよな?」
「あぁ、確か俺たちの行き先は京都と大阪だろ?」
「夏休みでカップルがメチャクチャ出來た後に、修學旅行でもカップルが量産される訳か……くそ、リア充なんて発しろ!」
「芹那ちゃんは同學年じゃないからな~」
「そういう意味じゃねーよ!」
*
高志と優一が風呂にっている頃、紗彌と由華、そして芹那も大浴場に來ていた。
「む、紗彌さんって……結構……」
「えっと……そんな見られると恥ずかしいんだけど……」
芹那は紗彌のをガン見し、由華は鼻を流して倒れている。
紗彌が下著姿になった辺りで由華は既に倒れていた。
「由華さん、お風呂れます?」
「だ、大丈夫よ……こ、これくらい……」
「なぜでしょう……由華さんが凄く男らしく見えます。鼻出してるのに……」
紗彌と由華、そして芹那の三人は風呂場に向かい、を洗い始める。
「紗彌さんって髪手れ大変そうですよね、綺麗だし、さらさらだし」
「そんな事無いわよ、慣れれば簡単。それを言うなら由華だって……由華?」
「あぁ……またですか……」
「う……さ、紗彌のがまぶしい……」
「もう上がってた方が良いんじゃ……」
由華は紗彌を直視できづ、離れた場所で顔を隠してを洗っていた。
紗彌はそんな由華に疑問を抱き、芹那は若干呆れていた。
々あったが、三人は並んで浴槽に浸かり、今日一日の疲れを落としていた。
「ふ~、極楽だわ~」
「由華さん、もう大丈夫ですか?」
「うん、ちゃんと紗彌を見ないようにしてるから!」
「なんで?」
紗彌は由華の言葉に更に疑問を抱き、芹那は苦笑いをしていた。
「それにしても、芹那ちゃんも積極的ね」
「いや、積極的すぎよ。私が寢てる間にあんな事になってるなんて」
「えへへ~そんな褒めないで下さいよ~」
「「褒めてないって……」」
照れる芹那に紗彌と由華は飽きれた様子で答える。
「そんな事より、紗彌さんは八重先輩と何してたんですか?」
「え!? そ、それは……散歩よ……」
「顔赤くしてそんな噓をつかれても……」
「う……噓じゃないわよ……散歩よ、散歩」
「あぁ、もうわかりました。そろそろ上がらないと、由華さんが上せちゃいます」
「え?」
「うぅ……さ、紗彌~」
顔を真っ赤にして目を回す由華を見て、紗彌達は風呂から上がった。
目を回す由華を紗彌と芹那で運び、部屋に戻った紗彌達三人。
「うーん……どうやったら優一さんの心を摑めるんでしょうか……」
「その癖を卒業するのが一番良いと思うけど……」
紗彌達は部屋のベッドの上で子會をしていた。
「紗彌さんは、どうやって八重先輩をゲットしたんですか?」
「ゲットって……普通に告白しただけよ」
「どういうじで告白したんですか?」
「ど、どう言うじって……」
紗彌は自分が高志に告白した時の事を思い出し顔を赤らめる。
高志に抱きつき、自分から迫った事を思い出すと恥ずかしくなってくる。
「ふ、普通に告白しただけよ……」
「普通ってどういうじで縛ったんですか?」
「とりあえず、縛ることか離れて貰っていいかしら……」
芹那の問いに対し紗彌は苦笑いをしながら答える。
相変わらずだなと思いながら、紗彌は芹那に答える。
「そんな事する必要なんてないわよ……真剣に思いを伝えれば……伝わるわよ」
「なるほど……勉強になります!」
「メモらないで!」
真面目にメモを取る芹那に、紗彌は顔を赤くしながらツッコミをいれる。
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