《甘え上手な彼3 秋編》第15話
「しっかし、なんであんな廃工場にあんな可い子が居たんだろうな?」
「さぁな、だけど確かに可かったなぁ~、あんなところで何してるんだろうな?」
大學生くらいの男二人組がそんな事を呟きながら歩いて行く。
赤西はその話しを聞き、何となく気になり、歩く方向を工場の方に変更する。
「いや、別に可い子がいるからとかそういうんじゃないから………俺は誰に言い訳してるんだ?」
自分で自分にツッコミをいれながら、赤西は廃工場の方に向かう。
*
「はぁ……はぁ……」
朋香は工場を逃げ回っていた。
敷地の広い工場の中では、そう簡単に見つかりはしないのだが、見つかるのは時間の問題だった。
「誰かに連絡を……」
そう思は思っても一誰に助けを求めれば良いのかわからなかった。
スマホを片手に朋香は連絡先の一覧を見ながら誰に連絡すれば良いかを考える。
そんな時、朋香の目に映ったのは赤西の名前だった。
「……なんで私……あの馬鹿のために……」
朋香はそうつぶやきスマホを閉じた。
こんな危ない事に友人を巻き込めないとじた朋香は一人でなんとかしようと考え始めた。 朋香は今、工場の元々事務所だったであろう場所のロッカーに隠れていた。
朋香は聲を殺し、息を潛ませてロッカー無いから、どうやって人目のある通りに逃げるかを考える。
外からは、朋香を探す男達の聲が聞こえて來る。
どうしようか考えていると、突然部屋のドアが開く音が聞こえた。
男達が中にってきたのである。
「お嬢ちゃ~ん、どこに行ったのかなぁ~?」
「俺らと遊ぼうよ~」
朋香の心臓は破裂するのではないかと言うほどに、バクバクといていた。
このままでは捕まってしまう。
そう思った朋香はなんとかしなければと焦っていた。
ロッカーの隙間から男達の姿を確認し、朋香は恐怖をじる。
逃げなければ!
焦ってそう考えてしまった朋香は、ロッカーから飛び出しそのまま外に走る。
「あ! 居たぞ!!」
「追いかけろ!!」
朋香は再び工場を逃げ回る。
しかし、朋香の力も限界が近かった。
そのため直ぐに追いつかれてしまう。
もうダメだと思ったその時……。
「アダッ!」
「あうっ!」
曲がり角を曲がろうとした瞬間、朋香は誰かにぶつかってしまった。
この工場に居るのは、朋香の他は男達と癒だけ。
諦めに似たで朋香はぶつかった相手を見る。
そこには、朋香が今一番會いたかった男が餅をついていた。
「イテテ……おい! 気を付けろよな! 西城!!」
「あ、アンタ……なんでここに……」
「たまたま通り掛かっただけなんだが……なんだか取り込み中みたいだな……」
赤西はそういうと、朋香を庇うように前に立つ。
「なんだよ、厄介な男にでも引っかかったか? そんな派手な格好してるからだバーカ」
「う、うるさいわね!」
「あの、何があったか分かりませんが……こいつはやめた方が良いですよ? 病気をもらっちゃいま……ぎゃん!」
「そんなの有るわけないでしょ!!」
赤西の言葉に朋香は思わず蹴りをれる。
赤西は前のめりに倒れ、眉間にシワを寄せながら朋香に言い返す。
「いてぇんだよ!! 助けてやろうってのにそんな態度があるか!」
「助けるにしてもやり方があるでしょ! この馬鹿!!」
「お前も馬鹿だろ!! こんな大勢の男に襲われるなんて一……」
そう言いかけて、赤西は男達の後ろにいる癒に気がつく。
「えっと……なんで癒ちゃんが?」
揺する赤西、そんな赤西に癒は可げたっぷりに言う。
「その子がねぇ~いきなり癒に突っかかってきてさぁ~、お兄ちゃん達に助けて貰ってたところなんだぁ~」
「そ、そうなんだ……はぁ……」
赤西はため息を吐き、そして乾いた笑い聲を上げる。
「ハハハ……俺はさ……高志みたいに鈍じゃねーから……何となくわかったよ……」
どの口がそれを言うのかと思いながら、朋香は赤西の言葉を聞いていた。
「あぁ……信じたく無かったけど……あいつらの言ってた事って、本當だったのか……」
赤西はそう言って癒を睨み付ける。
「えぇー何その視線~、まさか彼を疑うのぉ~?」
「西城はなぁ……理由無く人を疑ったりしないんだよ……それに……ダチを信じないなんて……本當にってやつは周りを見えなくするな……」
「なに言ってるのぉ? あぁ~あ、折角付き合ってあげてたのにぃ~」
「うるせぇ!! この格ドブス!!」
「ど、ドブス!? わ、私が!?」
「あぁそうだよ! てめぇ見たいな奴はこっちから願い下げだ!!」
をひくひくさせながら癒は額に管を浮かべる。
「お、お兄ちゃん……」
「わかってるって、言われなくてもなぁ!」
癒が兄にそう言うと、男達は一斉に赤西に飛びかかる。
「こっちだ!」
「う、うん!」
赤西は朋香の手を引いて、工場を逃げ始める。
正面から向かって行ってもダメだとじた赤西は朋香を連れて工場からの出を計る。
しかし、直ぐに周り込まれてしまい、赤西達は囲まれてしまった。
「おいおい……勘弁して下さいよ、年下めて楽しいですか?」
「悪いなぁ~、こっちも妹からの頼みだからな!」
「仕方ない……俺も本気を出す時が來たようだ……フン!」
赤西は毆りかかってくる男達に立ち向かって行く。
朋香もそんな赤西の男らしい態度に一瞬ドキッとする。
しかし……。
「あひんっ!!」
「な、なんだこいつ……」
「クソ……弱い……」
「………期待した私が馬鹿だった………」
まさかの一発KOで赤西は地面に倒れ込む。
「アンタ……本気出すんじゃなかったの……」
「う、うるせぇ……俺は漫畫の主人公じゃねーんだ……喧嘩が強いわけねーだろ……」
ボロボロになり、地面に顔を付けながら赤西はそういう。
そんな赤西を放って、男達は朋香を捕まえる。
「ちょ、ちょっと! 離してよ!」
「まぁ、男の方はもうけないだろうし……後はこの子に楽しませてもらうか……」
「や、やめてよ……へ、変態!!」
男の手が朋香の元にびて行く。
男達はいやらしい笑みを浮かべ、そんな視線に朋香は恐怖をじる。
冥府
山中で夜間演習中だった陸上自衛隊の1個小隊が消息を絶った。 助け出そうと奔走する仲間たち、小隊を付け狙う地獄の使者、山中一帯に伝わる古い伝承。 刻々と死が迫る彼らを救い出すため、仲間たちは伝承に縋る。 しかしそれは、何の確証も一切ない賭けだった。 危機的狀況で生きあがく男たちの戦いを描きます。 カクヨムにも掲載しています。
8 140身代わり婚約者は生真面目社長に甘く愛される
ごく普通のOL本條あやめ(26)は、縁談前に逃げ出した本家令嬢の代わりに、デザイン會社社長の香月悠馬(31)との見合いの席に出ることになってしまう。 このまま解散かと思っていたのに、まさかの「婚約しましょう」と言われてしまい…!? 自分を偽ったまま悠馬のそばにいるうちに、彼のことが好きになってしまうあやめ。 そんな矢先、隠していた傷を見られて…。 身代わり婚約者になってしまった平凡なOL×生真面目でちょっと抜けている社長のヒミツの戀愛。
8 59Waving Life ~波瀾萬丈の日常~
※題名を変更しました。 主人公、蔭山 剣也(かげやま けんや)が多くのヒロインと引き起こす、波亂萬丈の青春ラブコメディー。 岸川 蘭華(きしかわ らんか)は、いつも一緒に遊んでいた幼馴染。 皆田 絵里(みなだ えり)は、実は小學校時代に不良の自分を救ってくれた恩人。 そんな2人から入學して僅かの間に告白される。 そして更に、蘭華は留學することになり更なる問題に直面する。 その他沢山の問題にぶつかっても挫けずに頑張る主人公やヒロイン達に注目! 多くのヒロインと関わることで、主人公の感情は変化していく! 戀愛もの好き必見‼︎ ジャンル別日間最高19位、週間65位の作品です。
8 197悪役令嬢は趣味に沒頭します
前世の記憶を持ったまま乙女ゲームの世界に転生した。 その転生先が何をしても死が待っている悪役令嬢。 いやいやいやいや、せっかく前世の記憶があるので 死亡フラグは回避させていただきたい。 そして、あわよくば前世の趣味だった音楽で有名になりたい。 この物語は、悪役令嬢のはずのリリア・エルディーナが フラグガン無視で自分の趣味に沒頭する物語です。 注:乙女ゲームのヒロインは途中から登場しますが物凄くイライラしますのでお気をつけください。 ですが、仕事や學校などなどいろんなストレスを抱えてる人にはすっきりできるくらいのざまぁwがございますので安心して下さいませ。(笑) ・ ただいま、アルファポリスにて最新話更新中
8 129先輩はわがまま
岬次郎(さきじろう)は、一人暮らしの大學二年生。 それなりに満喫していた大學生活で、彼には悩みがあった。 それは、わがままで自分勝手な先輩、間宮御子(まみやみこ)に事あるごとにちょっかいを出される事。 しかし、そんな先輩の様子がおかしい? 果たして、先輩と次郎に何があったのか! わがままで自分大好きな年上の先輩とのドタバタ日常ラブコメディー! 毎日更新中!
8 137乙女ゲームの悪役令嬢になったから、ヒロインと距離を置いて破滅フラグを回避しようと思ったら……なぜか攻略対象が私に夢中なんですけど!?
「イザベラ、お前との婚約を破棄する!」「はい?」悪役令嬢のイザベラは、婚約者のエドワード王子から婚約の破棄を言い渡されてしまった。男爵家令嬢のアリシアとの真実の愛に目覚めたという理由でだ。さらには義弟のフレッド、騎士見習いのカイン、氷魔法士のオスカーまでもがエドワード王子に同調し、イザベラを責める。そして正義感が暴走した彼らにより、イザベラは殺害されてしまった。「……はっ! ここは……」イザベラが次に目覚めたとき、彼女は七歳に若返っていた。そして、この世界が乙女ゲームだということに気づく。予知夢で見た十年後のバッドエンドを回避するため、七歳の彼女は動き出すのであった。
8 91