「ダメだ！！　絶対許さないからな！！」

「わかった、わかった。宮岡は極力見ないようにする」

「そういうことじゃねぇーよ！！」

高志は覗きに斷固反対だった。

他の男子生徒に紗彌のを見せる事が一番嫌だったが、なんだか人として大切なを失いそうな気がしたからだ。

「全くわがままな奴だ」

「どっちがだよ！！」

「で、これが風呂場の見取り図だ」

「聞けよ！！」

「フム………湯船がデカいな……」

「なんで見取り図なんて持ってるんだよ……」

高志を放って、覗き賛派の男達は作戦會議を開始する。

全員いつになく真剣な顔で見取り図を見ながら相談を始める。

「俺、ゴーグル持ってるぞ？　潛って覗くってのはどうだ？」

「持ってきたのかよ……」

「湯が濁っていて見えないだろう」

「それじゃあ、やっぱり隙間を探すしか……」

「お前ら……そんなんだからモテねーんだよ……」

高志はもう勝手にしろというじで、著替えを用意し風呂に向かう用意を始める。

＊

高志達と別れた紗彌と由華は、自分たちの部屋に來ていた。

紗彌達は、同じ部屋の子生徒達と修學旅行の寫真を見せ合ったり、寫真を撮ったりと修學旅行を満喫していた。

「紗彌は八重の寫真ばっかりだねぇ～。あ、ツーショットもか」

「そうかな？　そんなつもりはないんだけど？」

「いや、多いよ。まぁ気持ちはわかるけど」

「そういう朋華も……なんか赤西の寫真がちらほらと……」

「き、気のせいよ！！　あの馬鹿が騒ぐから、んなとこに寫ってるだけよ！」

顔を赤くしながら話す朋華の事をクラスメイトの子二人はニヤニヤしながら見ていた。

「由華の寫真は、なんか修學旅行ってじね～」

「まぁね～、良いじでしょ？」

「あ！　後でこの泉君の寫真頂戴！」

「え？　うん、良いけど……泉君ってやっぱりうちのクラスで人気なんだ」

「うちのクラス以外でも人気だよ！　カッコイイし、優しいし！」

「明日と明後日は大変だろうね～」

「え？　どういうこと？」

紗彌は同室の子生徒二人に尋ねる。

「修學旅行だよ？　告白だよ告白ぅ～」

「告白？」

「うん、修學旅行で高まった思いを好きな人に伝える！」

「修學旅行で付き合うカップルも多いのよ～」

ニヤニヤしながら紗彌にそう話す二人。

しかし、ながら紗彌には関係無い。

紗彌にはもう高志という彼氏がいるからだ。

「なんでも良いけど、そろそろお風呂行こうよ」

「そうね、ご飯の後じゃ人も多くなりそうだしね」

由華の提案で六人はお風呂の準備を始める。

お風呂の時間は旅館の自由時間ならいつっても大丈夫なのだが、食事と消燈の時間は指定されていた。

六人は著替えを持って大浴場に向かう。

「あ、良かったあんまり人居ないみたいだね」

「まぁ、皆寢る前とかにるんじゃない？」

「まぁ、だよね……って、何よ……」

「うーん……良いしてるわねぇ～朋華ぁ～」

クラスメイトの子は朋華が服をぎ始めた時、素早く背後に回り朋華のをむ。

「な！　何すんのよ！」

「良いじゃん良いじゃん！　同士だしぃ～、それにしても赤って……派手ね」

「うっさいわね！！」

そんな二人を見ながら、紗彌は咄嗟にをタオルで隠し周囲を確認する。

「どうしたの紗彌？」

「え、あ……いや……由華も同じような事をしてくるんじゃないかと思って……」

「えぇ～、私はしないよぉ～」

「じゃあ、その手のきは？」

紗彌にそう言う由華の指は、クモの足のようにワキワキと奇妙にかしていた。

紗彌達は服をぐと浴場にって行く。

「おぉー本當に広いねぇー！」

「天風呂ってのも良いよねぇ～」

紗彌と由華は湯船に浸かり、ゆっくりとを休め始める。

他にも生徒がいたが、そこまえ人は多くなく、ゆっくりと手足をばす事が出來る。

「あぁ～いい気もちぃ～！！」

「そうねぇ～歩いてばっかりだったからきもちぃ～」

「あの馬鹿……お風呂ちゃんとれるのかしら？」

心配そうに呟く朋華、そんな朋華を見た由華はニヤリと笑って朋華の側に寄る。

「そんなに赤西君が心配なら、混浴でもしてきたら～？」

「な！　なんで私があんな馬鹿と混浴なんか！！」

「ふぅ～ん……でも最近ますます仲が良いよねぇ～、たまに名前で呼んでるしぃ～」

「い、良いでしょ別に！　昔は名前で呼んでたし……」

「しかも、この前告白された時に、好きな人が居るって言って告白斷ってたでしょう～？　それってもしかしてぇ～……」

「う、うっさいわよ！　ゆっくりさせなさいよ……」

「顔真っ赤だよ？」

「え！　の、のぼせたのよ！！」

顔を真っ赤にしながらそう言う朋華。

しつこく付きまとってきた由華の側を離れ、隅の方に避難する。

「朋華も素直じゃないねぇ～」

「照れてるのよ、あんまりからかっちゃダメよ？」

「いやぁ～八重に告る前の紗彌を思い出しちゃってさぁ～」

「わ、私はちゃんとハッキリ言ったもん……」

「う～ん！　紗彌は相変わらず可いなぁ～」

由華は紗彌にそう言うと、紗彌を背後から抱きしめをみ始める。

「ちょっ！　ちょっと！！　は、話して……あん！」

「可い聲が出ましたにゃぁ～……うーむ、このおっぱいが八重の好きなようにされると思うと……」

「い、いい加減に……やん！　は、離してよ……」

「いやぁ～……ちょっと無理だわ……」

由華は夢中で紗彌のをみ続ける。

そんな由華を払いのけようと、紗彌は必死に由華をふりほどこうとする。

「ほらほら～逃げられないよぉ～……あうっ！」

「やめなさいって」

「う～……何するのよぉ～朋華ぁ～」

「アンタが馬鹿みたいなことやってるからよ、しはゆっくり……ってキャッ！！」

「おぉー！　意外にらかい……」

「意外って何よ！　意外って！！」

由華は今度は朋華の背後に周り、朋華のをみ始める。