《擔任がやたらくっついてくるんだが……》好きです……からの
姉さんがすっと目を細める。ただそれだけの事なのに、僕はのすくむ思いがした。こ、これは……小學生の時、家に來てた姉さんの友達に間違えて『お姉ちゃん』っと言ってしまった時の顔だ。確かあの時、罰として一週間お風呂で背中を流す羽目になったっけ……。
そのまま姉さんは先生の服裝を訝しげな目で見ながら、やや低めの聲を発した。
「もしかして裕くんは……擔任の先生にメイド服を著せる趣味があるの?私には一回もお願いしたことないのに?ねえ、おかしくないかな?かな?」
「いや、これは文化祭の練習を……それとその語尾は止めた方が……」
「……そうです。これは、教育の一環です」
「教育、ですか……メイド服で?」
「はい」
「…………」
どうしてこの人は自信満々に肯定できるんだろう……。
姉さんはさらに目を細め、先生との距離を詰めた。
「……何の教育をするのかな?しかも何で先生の家で?學校でよくない?ねえ、裕くん、裕くん……」
「えっと……その……」
怖い怖い怖い怖い!!このお姉さん、弟に対してヤンデレみたいなオーラだしてるよ!!
心臓に刃を突きつけられたような気分になりながら、僕は誤解を解くための言葉を探した。
……ていうか、誤解ではない気がするような……。
「裕くん?怒らないから、早く浮気の理由を聞かせてくれないかな?」
その言葉は間違いなく噓だろう。もう既に怒りのオーラがビシバシ伝わってくる。
……ていうか浮気て。
「ほらほら、今ここで言いにくいなら、お風呂で聞いてあげるよ?」
「いやいや、一緒にる気なの!?」
絶対に嫌だ!今年こそは拒否したい……。
ちなみに去年はどうだったのかという質問はナシの方向でお願いします。
隣にいる先生がやたらこっちを見ている気がするが、今は気にしないでおくしかない……あとで何か聞かれそうだけど。
「お姉さん」
すると、先生が僕にではなく、姉さんに聲をかけた。
「さすがに大學生のお姉さんが、高校生の裕一君と一緒にお風呂にるのはどうかと思いますが……」
「いいんですぅ~。これが淺野家のハウスルールなんですぅ~」
おかしい。
ハウスルールなのに僕は全然知らない。
ウチにはそんなルールがあったのかー、きっと母さんも知らないんだろうなー。
「姉さん、そんなしょうもない噓ついても絶対らないから」
「えぇぇっ!?」
何故マ○オさん風?
先生は額に手を當て、考え込む仕草を見せた。ごめんなさい……本當申し訳ないです。
夏の暑さのせいか、別の何かのせいか……背中にじわりと嫌な汗をかくのをじる。とりあえず場所を変えよう。
「あの……よかったら中で話しませんか?」
「「そうね」」
二人の綺麗な聲がピッタリと揃う。
「「…………」」
そして、それが気まずかったのか、二人は目を合わせてから、すぐ逸らした。
*******
「ど、どうぞ、お茶です」
「「ありがとう」」
実はこの二人、仲がいいんじゃなかろうか。今はそれすら言いづらい空気だけど。
二人はあっという間に麥茶を飲み干し、真っ直ぐに見つめ合った。
「先生」
「何でしょうか?お義姉さん」
「裕くんとは……ん?今なんか変なじがしましたけど……」
「気のせいではありませんか」
「……ならいいですけど」
ちなみに、僕も聞いてて変なじがしたけど、そこに関しては深くつっこまない事にした。
「あの……単刀直に聞きます。あなたは裕くんが好きなんですか?」
「ちょっ……姉さん!?」
突然何言いだすのだろうか。
よりによって一番……いや、それよりも先生どう答えるつもりなんだろう?「好きです」……え?
い、今……何て言った?
「い、今……何て言いました?」
姉さんが僕とは違い、はっきりと疑問を震えながら口にした。
「好きです」
「なっ……!!」
「…………」
……や、やばい。
今度はしっかりと聞こえた。聞いてしまった。
先生が……ぼ、僕の事、を……。
本來なら「えぇっ!?」とか「はぁっ!?」とか、派手なリアクションするべきなんだろうけど、本當に驚いた時に人は案外何もできないらしい。
どうしよう……何て言えば……。
「生徒として」
「「…………」」
ですよねー。
いやわかってましたけど。
「ちょっ……紛らわしい真似しないでくださいよ!あー、びっくりしたぁ」
姉さんが本気で安心している。それくらい先生の表からが読み取りづらいということだろう。
しかし、もしさっきのが告白だったら、僕は……。
そんなありえない事を考えながら先生の橫顔を見ていると、姉さんが立ち上がった。
「このままじゃ埒が明かないから、私もメイド服に著替えてくるわね」
「わかった……ん?」
今メイド服って……何で?
*******
言っちゃった、言っちゃった、言っちゃった!!
好きって言っちゃった!!
でも自分から取り消しちゃった……ああ、もう!つ、次は絶対に……。
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