《後輩は積極的》第4話
*
合コン當日、俺は小山君に選んで貰った服でカラオケに向かっていた。
「張するな……」
知らないの子と話すとなると、なんだか今から張してくる。
俺は電車に乗り、駅前のカラオケ店に急ぐ。
「よっ! 次郎」
「おう、またせたな」
カラオケ店の前には、既に友人達が集まっていた。
今日の合コンは4対4と結構な大人數で行われる。
みんな気合いのった服裝で、なんだかいつもと雰囲気まで違って見える。
「おまえら、かなり気合いってるのな」
「その言葉、お前にそのまま返すよ」
「それよりも今日はすげーよな! なんたって現役のJKだぜ!」
「は? JK?」
「あれ? 次郎聞いてないのか? 今日の合コンは子高生が二人參加してんだよ」
「はぁ!? 俺、そんな話し聞いてねーぞ!」
「別に良いだろ? 高三だし、そんな年も変わんねーって」
「いや、子高生って……大丈夫なのか?」
「まぁ、酒は無しって先に言ってあるし、大丈夫じゃね?」
まさかの真実に俺は驚愕した。
てっきり、どこぞの子大生とかが相手だと思っていたのだが、まさか相手の人數の半分が子高生なんて……。
そんなことを考えながら、俺はふと実ちゃんの顔をを思い浮かべてしまう。
いや、まさかな……。
そんな事を思いながら、俺達は來店し部屋に向かう。
もちろん相手はまだ來ていない。
「よし! 作戦會議といこうぜ!」
「は? 作戦會議?」
「あぁ、狙ってる子が被ったら大変だろ? だから、互いにの子を奪い合わないように打ち合わせるんだよ」
「なるほどな」
「そこで俺は考えた! 自分の席の前に來たの子を狙うってことでどうだ?」
カラオケの部屋の中は、対面で座れるようになっており、最初は男とで分かれようという話しになっていた。
「なるほどな、確かにそれなら恨みっこ無しだな!」
「それでいこう!」
「まぁ、俺も別に良いけど……」
子高生が目の前に來たらどうしようと考えながら、俺は席に座る。
ドキドキしながら、の子が來るのを待っていると、ゆっくりと部屋の扉が開いた。
「すいません、お待たせしました〜」
「今日はよろしくお願いしま〜す」
そう言ってってきたのは、同じ年位のの子が二人。
俺の友人達は思いっきり鼻の下をばしながら、の子に向かいの席に座るようにうながす。
そして、合コンに參加するメンバーが揃い、ついに合コンが始まった。
俺の目の前に居るの子は……。
「………」
「………」
「……せんぱ……」
「人違いです……」
なんと言うことであろう、俺の席の前には、あろう事か私服姿の実ちゃんが座っていた。
いや、いや!
なんで実ちゃんが居るんだよ!
偶然にしても出來すぎてるだろ!!
俺はそんな事を思いながら、顔を反らす。
「いや、絶対に先輩ですよね?」
「な、何を言ってるのか……ぼ、僕は君の事なんてし、知らないよ……」
バレたら絶対にからかわれる!
俺はそう思って、必死にごまかそうとする。
しかし、彼からは既にバレていた様子で、ニヤニヤしながらこちらをみていた。
あぁ、俺の始めての合コンは終わったんだと、俺はこの時察した。
*
私は、目の前に座っている人の顔を見て驚いた。
なんと、合コンの相手がまさか先輩だなんて思いもしなかったからだ。
どうせ、合コンなんて面白くないだろうと思い、いやいやついて來た私とって、この偶然はすごく嬉しかった。
私は、必死に顔を隠す先輩を見て、ついついからかいたくなってしまった。
「うふふ……お名前はなんて言うんですか〜?」
「えっと……た、太郎です」
「いや、お前は次郎だろ」
そうツッコんでいたのは、先輩の隣の男の人だった。
どうやら先輩のお友達のようで、先輩の肩を抱いて、ニヤニヤしながら私に話しを掛けてくる。
「ごめんねぇ〜、こいつ合コンなんて始めてだから、張してるみたいでさぁ〜」
「大丈夫ですよ〜、全然気にしませんし〜」
先輩は気まずそうな顔で、私をちらちら見ていた。
可い。
私は思わずそう思ってしまった。
きっと私にからかわれるのが嫌だったのだろう、だからあんな噓をついたのだ。
周りも盛り上がってきており、男と二人ずつで話しが弾み始めていた。
しかし、先輩だけは借りてきた貓のように大人しかった。
「次郎さんわぁ〜何かバイトとかしてるんですかぁ〜?」
私はわざとらしく先輩に尋ねる。
先輩はため息を吐いたあと、視線を反らしながら私に向かって答える。
「え、えっと……ふぁ、ファーストフード店で……」
「へぇ〜! 偶然ですね! 私もなんですよぉ〜」
そんな事は知っていると言いたげな様子で、先輩は私の事を睨んでくる。
そんな顔をするなら、私にだって考えがある。
「隣に座っても良いですかぁ?」
「だめです」
即答かよ……。
そんな事を私が思っていると、先輩の友達が席を譲ってくれた。
「こいつ恥ずかしがり屋だからさぁ〜、俺の席に座れば良いよ!」
「良いんですか? ありがとうございます!」
私が笑顔でそういうと、先輩の友達は先輩に親指を立ててどや顔をしていた。
しかし、先輩はすごく嫌そうな顔をしていた。
私はそんな先輩の隣に座り、小聲で先輩に言う。
「何やってるんですか先輩? 彼がしいんですか?」
「うるせぇ! なんで実ちゃんが居るんだよ!」
「私は友達に頼まれたんですぅー。で、先輩はそんなにの子に飢えてるんですかぁ〜? 今度からスケベ先輩って呼びますね」
「楽しそうだな君は……」
先輩はため息を吐きながら、私にそんな事を言ってくる。
これはチャンスだと私は思った。
バイト以外で先輩と會える數ないチャンス、これを生かさない手は無い。
私は更に先輩に近づき、先輩にもたれ掛かる。
「せんぱ〜い、まさか子高生にまで手を出しちゃうんですかぁ〜?」
「は、離れてくれない? あ、暑いから……」
「あっれぇ〜? もしかして張してますぅ〜?」
「す、するわけ無いだろ!」
これが噓だと私はすぐ分かった。
だって、先輩の顔が真っ赤何だもん。
私はそんな先輩を見て改めて気がつく、私が先輩を好きなんだという事に……
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