「……」

「どうかしました？」

後ろに立っていた彼は、いつもの彼とは違っていた。

青のビキニに上には俺と同じようにパーカーを羽織っており、なんというか、の子と言うよりもというじで、俺は思わずドキッとっしてしまった。

「先輩？」

「あ、ごめん……」

「なんですかぁ〜？　私の水著に見とれちゃいました？」

「いや、馬子にも裝だなって思って」

「先輩、怒りますよ？」

そうは言った俺だが、心はすごく似合っていると思った。

いつもの學生服ではじなかった大人っぽさがあり、子高生だと言うことを忘れてしまいそうだった。

「聞いてます？」

「え？　あぁ、ごめん全然」

「フン！」

「いっでぇぇぇ！！」

「今のは先輩が悪いです」

「……ご、ごもっともです……」

俺は実ちゃんに、足を踏まれ、その場にうずくまる。

かなり痛かった。

「んで、何する？」

俺はまだひりひりする足を引きずって、実ちゃんと屋外プールに來ていた。

パラソルのあるベンチに座り、俺は彼に尋ねる。

「そうですねぇ……スライダーとか乗っちゃいます？」

「良いけど、二人で？」

「はい！」

「……」

俺は実ちゃんにそう言われ、スライダーの方を見る。

スライダーに並んでいるのは、ほとんどがカップル。

しかも二人でる場合は、一人がもう一人をの間に挾み、腰を持ってるような格好になる。

そんな格好になれば、彼とかなり著してしまうし、先輩としての威厳を無くしてしまう恐れがあった。

いや、絶対に俺の息子が大人しくしてる訳無いじゃん……。

「一人づつなら……」

「いや、二人で來てるのに、なんで一人でる必要が？」

「もっともな意見だけど、あの勢は仲に無い男がするのは々とまずい気がする」

「あぁ、先輩興して立っちゃいますもんね」

「下品な事を言うんじゃありません」

「もぉ〜バイトの後輩をスケベな目で見るなんて〜。先輩は変態ですねぇ〜」

「本能って怖いよね。何とも思って無くても、の子ってだけで反応するから」

「いや、何とも思ってなかったら反応しませんよね？　起しませんよね？」

「だから、下品な事を言うのはやめなさい」

「先輩の方が下品ですよ？　特に存在が」

「今回は俺が怒ってもいいよね？」

「私は先輩が起しても気にしませんから！　行きましょうよ！」

「だから、下品な事を言わないの！！」

そんな論爭が続いた結果……。

「先輩、二十分待ちですって」

「ソウダネー」

俺は結局実ちゃんに負け、一緒にスライダーをる事になってしまった。

正直言うと、俺は自分の息子を抑え込む自信が無い。

「大丈夫ですって、先輩が私のをってこようが、間を大きくさせようが、私気にしませんから！」

「気遣いありがとう……でも本人はかなり気にするんだよ」

「おっぱいれてラッキー！　くらいに思ったらどうです？」

「まぁ、好きな子とかならそう思うかもね……」

「えい」

「イダダダダ！！　痛い！　離して！　離して！！」

俺の言った事が気にらなかったのか、実ちゃんは俺のお腹を思いっきりつねる。

そんなに怒らなくてもいい気がするんだが……。

「それにしても、なかなか進みませんねぇ〜」

「人も多いしね……それに、上の方は結構高いし、るのにも勇気がいるんじゃない？」

「みんな、結構渋ってますもんね」

「の子の方が渋ってるっぽいね」

そんな事を話しながら、順番を待っていると、り降りた來た大學生と思われる二人組の一人がんだ。

「キャー！！」

俺は何事かと思って、見て見ると、んだの子がを両手で隠していた。

どうやらり落ちて來た衝撃で、水著が取れてしまったらしい。

慌ててもう一人のが、水著を見つけてその子に持って行っていた。

「イデデデ！！　な、なにするの！？」

「いやぁ〜、の子と一緒に來てて、他のの子をやらしい目で見てるとムカつきますよね？」

「お、俺は別にそんな……」

なんて事を言いながら、周りを見てみると、他の連れの男達も腹を抓られたり、足を踏まれたりしていた。