《後輩は積極的》第28話
「実ちゃん、付いてるよ?」
「え? どこですか?」
「あぁ、良いよ」
先輩はそう言い、私の頬に手をばす。
「え……」
先輩は私の頬にれて付いていたクリームを取る。
そして先輩はそのままそのクリームを……。
「ん、甘いな」
「な、なにゃ!?」
「ん? どうかし……はっ!? ご、ごめん!!」
ぺろっと舐めてしまった。
いや、この人はなんでこう言う変な所でそう言う事をしてくるのだろうか?
自分の顔が今真っ赤だと分かるほど、私の頬は熱くなっていた。
「ほ、本當にごめん! あ、あの……つい、妹とにしてたのと同じ対応を……」
「え? 妹?」
私はまだ頬が熱いうちに、先輩の言った一言が引っかかった。
「先輩妹さん居るんですか?」
「え? あぁ、ちょうど実ちゃんと同い年だよ」
知らなかった、先輩に妹が居たなんて。
知り合って一年位になると言うのに、あまり先輩の家族の事を私は知らなかった。
「じゃあ、妹さんも今験なんじゃ……」
「そうだけど、あいつは頭も良いし、あんまり心配してはいないかな」
先輩の妹さん……全然想像出來ない。
しかし、だからこそ気になる。
どんな顔をなのか、どんな格なのか。
「寫真とか無いんですか!? 先輩の妹さん見て見たいです!!」
「寫真って言われてもなぁ……今年の正月に実家に帰った時の寫真が……あ、あった」
「見せて下さい!!」
先輩からスマホをけ取り、私はスマホの畫面を見る。
スマホには先輩ともう一人、著姿のの子が寫っていた。
茶髪っぽい髪で活発そうなじの子だった。
髪形はまとめていたのでよくわからなかったが、先輩にあまり似ていない、だった。
「可いですね、妹さん」
「可くなんてないよ、うるさいし、わがままだし……」
「そうなんですか?」
「あぁ、たまにこっちに遊びに來るけど、大変でさ」
「じゃあ、もし私と一緒に居るところを見られたら、誤解されそうですねぇ〜」
「確かに……あいつはうるさいからなぁ……」
「で、どんな気分ですか? 妹さんと同い年の子と今からちょっとエッチな映畫を見に行く気分は?」
「別に? ただ映畫見に行くだけだし」
「はぁ……先輩ってそう言う人でしたもんね」
先輩の回答に私はため息を吐く。
きっと私と先輩が同い年で、そこまで長いつきあいでなければ、先輩の反応も変わっていたのかもしれない。
プールやお化け屋敷での反応や、私をとして意識しない理由が、何となく分かってしまった。
「ようは、先輩の周りには距離の近いが多すぎるんですね……」
「いやいや、居ないって」
「はぁ……なんだかもう良いです。先輩は節の無い人でしたね、忘れてました」
「突然呼び出して、パフェまで奢ってくれる先輩にそれは失禮じゃね?」
なんだか先輩に怒っていた自分がバカらしくなってしまった。
別に先輩が悪い事でも無いし、彼でも無い私が先輩の関係に文句を言うのはお門違いだ。
でも……。
「……イヤだなぁ」
「え? 何か言った?」
「いえ、先輩がモテるのはムカつくって話しです」
「やっぱり俺に何か恨みでも!?」
*
俺と実ちゃんは店を出て映畫館に向かっていた。
「先輩、先輩!」
「何?」
「可い子高生とデートですよ? 手と繋ぎたいとか思いません?」
「思いません」
「先輩本當に男の人ですか?」
「男だよ」
「じゃあ、なんで私と手を繋ぎたくならないんですか!?」
「アホか」
なんだかよく分からないが、実ちゃんの機嫌が直った。
甘いものを食べたからだろうか?
まぁ、なんでも良いのだが。
「先輩、映畫見て興して、私をホテルに連れ込んじゃダメですよぉ〜」
「バカじゃないの?」
「え〜信じられなーい。の危険をじちゃいますぅ〜」
「……」
「なんですか? その可そうな子を見る目は?」
「いや、なんでも……」
「ムカつくのでもう一回踏んで良いですか?」
「おっと、それは勘弁」
俺はそう言って、実ちゃんから距離を取る。
いつものように俺をからかって遊んでくる実ちゃん。
これはこれでなんだか面倒くさい。
「おぉ、平日なのに以外に人がいますね」
「夏休みだからな」
映畫館に到著すると、俺と実ちゃんは付の列に並んだ。
平日の晝近くだというのに、結構人が並んでいる。
「いらっしゃいませ」
「えっと、學生二枚で三番シアターの十一時の映畫でお願いします」
「はい、それでは學生証のご提示をお願いします」
「はい」
「はいは〜い」
俺と実ちゃんは付で學生証を提示する。
これをしなくては、學割が適用されないので、し面倒だが仕方ない。
「はい、ありがとうございます。本日ですとカップルデーになっていますので、カップルシートの方がお得ですがいかがなさいますか?」
「あぁ、いえ普通の……」
「カップルシートでお願いします!!」
「え?」
「かしこまりました、それでは2200円になります」
流れでお金を渡してしまった。
いや、別に料金は変わらないから良いのだが、なんでカップルシート?
半券を持ちながら、俺は付から離れた所で実ちゃんに訪ねる。
「なんでカップルシート?」
「気になるじゃないですか!」
「別に俺は気にならないんだけど……」
「だってカップルシートなんて……先輩これを逃したら一生……」
「一生なんだって?」
「アイタタタ!! 先輩! 頭をグリグリするのはやめて下さいぃ〜」
なんだか無に腹が立った。
実ちゃんにお仕置きをした後、俺と実ちゃんは飲みとポップコーンを買って席に向かう。
「カップルシートって……ソファーなんだ」
「おぉーすごいですね! テンション上がりますね!」
実ちゃんはハイテンションで席に座り、俺はその隣に腰を下ろした。
「先輩なんでそんな端に居るんですか? もっとこっちに來て良いですよ?」
「いや、あんまり近いのも……」
「なんですか? もしかして、私と著して興しちゃいます?」
「いや、暑いし」
「なんででしょう、今先輩の顔面にこのポップコーンを叩きつけたくなりました」
「本當になんで?」
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