《ボクの彼は頭がおかしい。》バンド
「バンド作ろう」
「いいけど、一つ條件がある」
「なに?」
「僕がボーカルね」
「そんなぁ!」
學校を休んでカラオケに行ってまでも歌手になろうとした彼。
バンドを結しようとすることなど、目に見えていた。
だから僕はそれに備えてここ數日、キーボードの練習をしていた。
中學生の頃までピアノを習っていた。
だからキーボードを弾くことなんて、どうにも容易い。
「さすが早瀬くん」
ほっぺにキスされた。
「あと3人見つかれば結だよ」
彼、ボーカル。
僕、キーボード。
あと3人。
つまり。
「ギターとベースとドラム?」
「その通り。スゴイ人たち見つけてくるから、早瀬くんは何も心配しないで」
5人組のバンド。
やっぱり東京事変か。
んあっ!!
待てよ。
東京事変に影響されて作るバンドってことは……
「メンバーって――」
「わたし以外、全員男にするつもり」
おいおい勘弁してくれ。
もしも変わってしまうなら
第二の詩集です。
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