《ボクの彼は頭がおかしい。》10月28日
木曜日。
喧嘩というものは長引かせれば長引かせるほど良くないと思う。
サッとやってサッと終わる。
それがベストだ。
ちなみに昨晩、五月からの連絡は一切なかった。
(僕は僕で直接謝ることしか考えていなかったため、何の問題もないことですが)
そして晝休み。
若干の張を攜え、五月の教室に向かう。
すぐに到著した。
ドアの前で深呼吸する。
大丈夫、ちゃんと伝えられれば彼はきっと分かってくれるはず。
僕さえしっかりしていれば、なんてことはない。
よし。
勢い良くドアを開ける――
僕は固まった。
五月が、知らない男とキスをしていた。
あれ、どうなってるんだろう、などとぼんやり考える。
キスしてる相手の男……前田くんじゃん。
聴覚がその機能を果たさなくなり、歪んだ視界に五月の姿を捉える。
全てがスローモーションの世界。
椅子に座っている五月。
その彼にをかがめてキスをしている前田くん。
なにこれ。
意味わかんない。
そう思った次の瞬間には、五月が前田くんを突き飛ばしていた。
機にぶつかりながら餅をついた彼はなんだか笑っていて、それを見下ろす五月は今にも泣き出しそうな顔をしている。
五月に駆け寄るの子たち。
キスをした前田くんに近づき、彼を取り囲む野郎ども。
目の前で起こっている出來事をただ見ているだけの僕。
そして――五月と目が合った。
彼は大きく目を見開き、こちらに向かって凄い勢いで突進してくる。
どうしよう、け止めてあげればいいのかな。
「五月――」
しかし彼は、僕のすぐ橫を走り抜けていった。
その後僕は五月を追いかけようとしたけれど、彼のクラスメートたちに捕まってしまった。
こういう時はあたしたちに任せなさい、とか何とか言われて。
そして狀況を説明してもらう。
「五月ちゃん、昨日から様子がおかしかったんだよね」
「なんか元気無くて、ボーッとしてるじ」
「目が死んでたもんね」
「うん……それでね、タイミング悪くアイツが五月ちゃん口説きに來ちゃって…」
「時々來るのよ」
「そうそう。それで今日は五月ちゃん隙だらけだったみたいで、無理やりアイツがキスしたっていう」
子たちが蔑んだ目を吊るし上げられた前田くんに向ける。
僕もその視線を追う。
彼のグッタリした様子を見て、殘念な人だなと、その程度にしか思うことはなかった。
「放課後になったらもう一回來てみて。たぶんその頃には五月ちゃんも落ちついてると思うから」
言われるがままに自分の教室へと戻った。
思ったほど揺していない自分にちょっと驚く。
五月が知らない男にキスされ、そのまま教室を飛び出していって現在行方不明。
行方不明っていうのは大げさか。
だけど狀況は悪くなる一方で。
…うん。
放課後、どんな顔して彼に會えばいいのだろう。
まずは挨拶して、それから謝って…いや、先になぐさめるべきかな。
あんな変態にキスされたんだから、彼もショックだろう。
――なんて大した実行もない計畫を立てている自分が、ものすごくおかしかった。
しかし放課後になって、五月が早退したという事実を知ってから焦りや不安にあっさりと飲み込まれてしまうことになる。
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