《ボクの彼は頭がおかしい。》10月29日
金曜日。
五月は學校に來なかった。
いよいよ悪夢が本格化してきたらしい。
「早瀬と五月ちゃん別れたの?」
「おい、どうなってんだよ?」
「五月ちゃんが前田とキスしてたって噂聞いたんだけどあれ本當?」
「最近早瀬のとこに五月ちゃんが遊びに來ないのって、つまりそういうことなの?」
質問攻め。
なんか蕓能人になった気分。
全然嬉しくない。むしろ最悪。
楽しくない授業をけて、質問攻めにされる休み時間を過ごし、それを何度も何度も繰り返してようやく放課後になった。
あぁ…。
どうすりゃいいんだろ、前代未聞のこの狀況。
五月がいなきゃ何もできないなんて、本當にけないね。
「大丈夫?」
そんな普段以上にじめじめしている僕をめてくれたのは、小雪さんだった。
「五月、意外とデリケートなんだよね…」
「そうみたいですね」と、僕はうなずいた。
「悪いのは全部あの前田っていう人なのに、早瀬くん以外の男にキスされた自分が凄く許せないんだと思う。あたしだったらまず、大雪に相手の男殺してもらうけど」
あれ、小雪さんのイメージが。
「あの、僕は今何をすべきなんでしょうか」
「うーん……待ってあげることじゃない?」
「待つ?」
「そう。自分を責めてる今の五月に無理して近づこうとするのは多分逆効果だと思うんだ。だからそっとしておいてあげてしい」
「なるほど」
理屈は何となく分かります。
分かるんだけど…。
まず小雪さんは、數日前の出來事を知っているのだろうか?
こうなった原因を作り出したのが他でもない僕であるという事実を。
それを知った上での「待て」という言葉なのか、知らなくて「待て」と言っているのか。
前者と後者ではだいぶ意味合いが違ってくる。
「大丈夫、あたしに任せておいて。月曜にはきっと五月も元通りだから」
それから小雪さんと別れて家に帰った。
勉強する気などさらさらないが機に座る。
ふぅ。
目を閉じて彼の姿を思い描く。
描こうとする。
…だけど上手くできない。
なぜ?
ものすごく簡単な事であるはずなのに。
そして、同時にもう一つの疑問が持ち上がる。
こんな狀態になって一どれぐらい経ったんだろう、と。
彼と最後に楽しく會話したのって、いつだっけ。
2日前?3日前?それとも4日前?
いずれにせよ、僕にとっては遠い昔のことのようにじる。
なんだか自分でも知らないうちに事が大きくなってしまったらしい。
全ては僕の蒔いた種。
くそ。
『五月は自分を責めている』
小雪さんはそう言っていたけど、実際どうなんだろう。
彼は今、何を思っているのだろう。
キスされたことを後悔しているのか、それとも數日前の出來事を悲しんでいるのか。
正確なことは何も分からない。
ただ、一つだけ確実に言えることは、僕も自分を責めているということだ。
何であの時ちゃんと言えなかったのだろうと、そればかりが頭を駆け巡る。
『雫ちゃんのこと、どう思ってるの?』
そんなに難しい答えなんかいらなかったのに。
五月のことが好きだと、一言言えていればこんなややこしいことにはなっていなかったはずなのに。
はぁ…。本當にため息しか出ない。
笑顔の五月に會いたいと、切に思う。
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