《ボクの彼は頭がおかしい。》後日談③
【上級生編】
明くる日。
再び三年生に呼び出された。苦い記憶がよみがえる。
なすも無くただただボコボコにされたあの忌まわしい経験。
だけど、と僕は思う。あの時の僕と今の僕じゃ一味も二味も違う。
髪を切ったし、貓背をやめようとしてるし、すぐ難しい表を作る癖だって……
そういう話じゃないか。
「わたしもついていくね」と、五月が言ってくれた。
「ありがとう。でも、一人で行くよ」
しかし斷る。
「これは僕の戦いだから」
よし、キマッた。
三年生の階。呼び出された教室の前。
扉を開く前に、戦闘準備を整える。
壯絶な罵倒にも耐え――
「何やってるの。ほら、早く行こうよ」
五月が大膽にドアを開放した。
なぜ君がここにいるのですか、という僕の疑問は放置されたまま、彼に手を引かれ中にる。
さぁくるぞ、大量の神攻撃が。思わず拳をギュッと握り締める。
「おめでとー!!」
「やったじゃん!」
「安心したよ!」
「マジで良かった!」
ところが、教室の景は僕の予想とははるかに異なるものだった。
前回訪れた時とは雰囲気が180度違っている。
あれ、どうなってるんだ。
僕もずいぶん驚いているけれど、それは隣にいる五月も同じらしかった。
「この間はバカどもがヒドいこと言っちゃったらしくて、本當にごめんね」
大勢いる三年生のうちの一人、リーダー格の(あ、人気投票で三位だった人だ)、
つまり三年生のマドンナ――が僕に向かって言った。
「あ、いや、え?」
張してしまって上手く言葉が出ない。
初対面で、年上で、しかも綺麗なの人と全く揺せずに話すためには、きっと莫大な量の自信と経験が必要だろう。
なんとなくそう思った。
「君、可いね」
そんな僕を見て笑っている先輩。
ますます顔を赤くする僕。
不機嫌になる五月。「先輩、早瀬くんをからかうのはやめてください」
「ごめんごめん」
先輩が五月に近づき、素早い作で五月の頭を抱きこむ。
「うわっ」
「相変わらず可いねぇ五月は!」
ニコニコしながら五月の髪をぐしゃぐしゃになでる先輩。
…豪快な人だ。
「あ、それで早瀬くん。わざわざ君にここまで來てもらったのはね、この間のことを謝りたかったっていうのと、それから、みんな君たちの事応援してるよって言いたかったからなの」
なおも五月をわしゃわしゃしてる先輩。
正直、話の容よりもそっちのほうが気になる。
五月をここまで押さえ込める人がこの學校にいたなんて。
「早瀬くんのこと悪く言ってる奴らは數派で、ほとんどの三年生は君の味方だから。もちろん私も含めてね」
なんかウインクされてしまった。
けっこう迫りくるものがあった。ごめん五月。
「ありがとうございます」それだけ言うのが一杯。
「もっと自分に自信持つといいよ。実は早瀬くん三年生の間で、あ、特に子なんだけど、かなり好評なんだから」
え、ほんとですか?ちょっとニヤけてしまう。
…うん、アレか。意外と年上にはモテるのかも。
(実際は全然モテてません。この時はなんか勘違いしちゃってました。本當にごめんなさい)
「あぁもう先輩!早瀬くんには手出さないでください」
なんとか先輩の腕から出したらしい五月。
頬が紅していて、しかも目が若干潤んでいる。可い。
「どうしよっかなー」
先輩は不気味にニヤニヤしている。
いやいやもうあなたのお茶目っぷりは十分分かったのでお願いですからこれ以上五月を興させないでください。
どうしよっかなーじゃなくて出すわけないでしょぐらい言ってください。
「私、早瀬くんみたいなタイプけっこう――」
「大好きだよ五月!」
僕は先輩の言葉をさえぎって、とにかくんだ。
これ以上五月にやきもちを妬かせるわけにはいかない。
家に帰ってから大変なことになってしまう。
ここで詳しく書くことはできないけど、それはもう悲慘なことに…。
で、それを防ぐことが出來れば何でも良かったわけだけれど、どうしてあんなにも恥ずかしい言葉が出てきたのだろう?
「ん、満足!」と、笑顔で抱きついてくる五月。
…まぁ、結果オーライみたいですね。
「うわお、アツいね」と、先輩は笑った。
五月の頭をなでながらあたりを見回す。
うん。
どの三年生も、『何か微笑ましいものを見るときの目』をしている。
…複雑な気分です。
「何かあったらいつでも頼ってね」と、先輩は言った。
「ありがとうございます。先輩、験頑張ってください」
お禮を言う僕。
當然だ。
三年生に良く思われてないっていうのが最大の悩みでもあったからね。
先輩のおかげでだいぶ救われた気がする。
ちょっと変わってるけど、なんだかんだ相當に良い人だ。
「君たちも子作り頑張ってね。あ、まだ早いか」
訂正。この先輩ただの変態だわ。
そして突然、「すでに頑張ってます!」と笑顔で答えるもっと変態の五月。
あはは。
さすがですね五月さん。
もう、お見事ですよほんとに。
週末にでも出家します。
50日間のデスゲーム
最も戦爭に最適な兵器とはなんだろうか。 それは敵の中に別の敵を仕込みそれと爭わせらせ、その上で制御可能な兵器だ。 我々が作ったのは正確に言うと少し違うが死者を操ることが可能な細菌兵器。 試算では50日以內で敵を壊滅可能だ。 これから始まるのはゲームだ、町にばらまきその町を壊滅させて見せよう。 さぁゲームの始まりだ ◆◆◆◆◆◆ この物語は主人公井上がバイオハザードが発生した町を生き抜くお話 感想隨時募集
8 151ルーズリアの王太子と、傾いた家を何とかしたいあたし
貧乏子爵家の長女として生まれたマリアはギャンブル好きの父、見栄をはる母、放蕩をする雙子の弟を抱え、二月後のデビュタントに頭を抱える14才。 祖父から堅実なお前にと譲られた遺品と鍵つきの祖父の部屋を與えられたものの、少しずつ減らさざるを得ない寶物に嘆きつつ何とかしたいと努力していたが、弟に部屋に侵入され、祖父の遺品を盜まれた時にブチキレた! 一応、途中の內容の為に、R15を入れさせていただきます。
8 181社長、それは忘れて下さい!?
勤め先の會社の社長・龍悟に長年想いを寄せる社長秘書の涼花。想いを秘めつつ秘書の仕事に打ち込む涼花には、人には言えない戀愛出來ない理由があった。 それは『自分を抱いた男性がその記憶を失ってしまう』こと。 心に傷を負った過去から戀愛のすべてを諦めていた涼花は、慕い続ける龍悟の傍で仕事が出來るだけで十分に満たされていた。 しかしあるきっかけから、過去の経験と自らの不思議な體質を龍悟に話してしまう。涼花は『そんなファンタジックな話など信じる訳がない』と思っていたが、龍悟は『俺は絶対に忘れない。だから俺が、お前を抱いてやる』と言い出して―― ★ 第14回らぶドロップス戀愛小説コンテストで最優秀賞を頂きました。 2022/5/23に竹書房・蜜夢文庫さまより書籍が刊行予定です! お読みくださった皆さま、ほんとうにありがとうございます。✧♡ ★ 設定はすべてフィクションです。実際の人物・企業・団體には一切関係ございません。 ★ ベリーズカフェにも同一內容のものを掲載しています。 またエブリスタ・ムーンライトノベルズにはR18版を掲載しています。
8 169超絶美人な女の子が転校して來た。
歴史に詳しいこと以外には何も取り柄がない主人公の クラスに突如超絶美人な転校生がやってくる。 そして運良く席が隣に。主人公と転校生はどうなって行くのか………
8 149冷徹御曹司の無駄に甘すぎる豹変愛
無駄に淫らにいやらしく 世界で一番無駄な戀を改稿しました! 元ピアノ講師倉田ひかりは、ふらりと參加した會社説明會で、ブリザードなみにクールなCEO烏丸憐と出會う。 「君は無駄のテンプレートだな」 彼に指摘された言葉はあたっているだけにショックで。 ところが、ひょんなことから憐と再會したひかりは、彼と関係を深めていく。 感情のない男と目標のない女のロマンティックラブ。
8 147男がほとんどいない世界に転生したんですけど
部活帰りに事故で死んでしまった主人公。 主人公は神様に転生させてもらうことになった。そして転生してみたらなんとそこは男が1度は想像したことがあるだろう圧倒的ハーレムな世界だった。 ここでの男女比は狂っている。 そんなおかしな世界で主人公は部活のやりすぎでしていなかった青春をこの世界でしていこうと決意する。次々に現れるヒロイン達や怪しい人、頭のおかしい人など色んな人達に主人公は振り回させながらも純粋に戀を楽しんだり、學校生活を楽しんでいく。 この話はその転生した世界で主人公がどう生きていくかのお話です。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ この作品はなろうやカクヨムなどでも連載しています。 こちらに掲載しているものは編集版です。 投稿は書き終わったらすぐに投稿するので不定期です。 必ず1週間に1回は投稿したいとは思ってはいます。 1話約3000文字以上くらいで書いています。 誤字脫字や表現が子供っぽいことが多々あると思います。それでも良ければ読んでくださるとありがたいです。 第一章が終わったので、ノベルバでこの作品を更新するのはストップさせていただきます。 作者の勝手で大変申し訳ないです。 続きを読みたいと言う人は……是非カクヨムなどで見て欲しいです。
8 197