《される王の語》また出會う
「…ふふ、それではお茶會に戻りましょう。」
そうして何事もなかったかのように椅子に座りティーカップを傾ける姿を見て、私は信じられなかった。
その心に不服は募るものの、大人しく座り彼の出方を待った。
「アリナ様は相変わらず、おが弱いですわね。心配ですわ。公務など務まるのかしら。」
そんな、安すぎる心配らないのだが。
公務ができない貴方が言うか。
お父様がドミニカ様には任せられないと判斷し公務を一切任していない。それを本人は私が特別だからと勘違いしているようだが。
全く、その自信は何処からくるのやら。
「それに、ソフィア様も部屋から出てこないし…レオン様は大丈夫ですか?」
「…大丈夫とは何がでしょうか?」
「ほら、お寂しくじませんこと?そうですわね…私のことを母と思い、その寂しさを埋めても良いのですよ?どうぞ、遠慮なさらないでくださいまし。」
いえ、どちらかと言うと貴方をに埋めたいと思っておりますので遠慮しておきます。
「…お優しいですね。ご配慮ありがとうございます。」
ニコニコとり付けた笑顔のまま答え、早くこのお茶會という名の無駄な時間を終わらせようと思っていた。
そこに1人のが近づいてくる。
「おかあさま~!!!」
淑とは到底思えない程の大聲をあげ、ドタドタと走ってきている。
ピンクの髪にピンクの瞳でしふくよかなはそのまま思い切り、ドミニカ様に抱きついた。
「あら、ラベンナ。王子様の前ですよ。もっと著飾って來なきゃだめでしょう?」
注意するところはそこではない。と思ったのは私だけでは無いはずだ。
というか…本當にこの子が…?
このドミニカ様に抱きついたあと、こちらを見てキラキラとピンクの目をらしているこの子が第1王のラベンナ王?
初めて見たが……なぜ……?
彼の顔をじっと見ても答えが出ない。
帰ったら父上に聞いてみなければ…
なんとなく察しているだろうが、私は今日初めて後宮に立ち寄った。
今まで父上と母上に絶対に近づくなと言われていたが、今日ばかりは仕方がない。
今日は、私の社デビューの日なのだ。
まぁ、社デビューと言ってもまだ5歳なのでまともなことはしないだが、仮にも第1王子なので皆の見本に立たなければならない。
なので、例えどんなに嫌でも建前だけ、後宮に足を運ばなければならない理由があったのだ。
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