《される王の語》懺悔
突然亡くなったアリナは國民に大きな衝撃を與え、誰もが悲しんだ。
確かに公務は忙しく、時には厳しい人だったが、誰にでも分け隔てなく優しい所、そしてその真摯な立ち振る舞いは皆の心を奪っていた。
そんな母上の死をけ止められなったのは私もだった。
皆が並ぶお見送り葬式の時、涙ぐっと耐える私に、その不用な大きな手で優しくでてくれたのは父上だった。
その數日後もぽっかりと空いたは埋まらず、何事もやる気力が起きなかった。
父上に呼び出され、執政室にる。
「…これから後宮に行く。ソフィアに會いに行くのだが…行くか?」
ソフィア様とはもう1人の側妃の方だ。
そろそろご出産が近く、前の來訪の時には調が優れないそうだったので會いに行けなかった。
まだ會ったことのない側妃の方に會いに行く機會なのだから行くべきだろう。
「はい、行きます。」
せっかくなので行くことにした。
…なんだか、今のままでは勉學にも集中できないし。
そうして、訪れた久々の後宮はどこか慌ただしく、父上がいらっしゃったにも関わらず出迎えが遅かった。
「誠に申し訳ございません、國王陛下。
ですが、失禮ながらしお急ぎください。
そろそろお生まれになるのです。」
そういって出迎えそうそうに急ぎ走り出したのはメイド長だった。
どうやら、ソフィア様のお腹の子が産まれるらしい。なんとも大変なタイミングで來てしまった。
だが、引き返す訳にも行かずそのままソフィア様の部屋に向かう。
中からは沢山のメイドたちの勵ましの聲が聞こえ、の人の悲痛なび聲も響いていた。
そうして、わぁぁと歓聲が上がると共に赤子の泣き聲が響いた。
數分が立ち部屋に招かれる。
ベットにはし汗をかき、息絶えだえに橫たわるがいた。
ベットに散らばった銀の髪に、鮮やかな橙の瞳。そして、疲れているだろうにも関わらず綻ぶような笑顔に息を飲んだ。
しい人だと。
「産まれたのか」
「はい、陛下。こんな姿で申し訳ございません。……そちらはレオン王子様でいらっしゃいますか?」
父上の無想な言葉にも笑顔で返す。だが、やはり疲れているのかどこか弱々しい聲だった。
「は、はい。レオン・クラン・カスティリアと申します。」
「ソフィアですわ。こんな姿でごめんなさい。しっかりと挨拶も出來ずに……」
「いいえ、そんなことは。ご出産おめでとうございます。」
「…どうも、ありがとうございます」
「ご苦労だったな、ソフィア。…男か?か?」
「…の子でごさいます。申し訳ありません、私に力が足りず。」
「別によい。レオンがいるだろう。
……もしだったら、お前に名前を付けさせようと思っていたのだ。…どうする」
ソフィア様は目を見開くが嬉しそうに頬を染めた。
「…シルフィオーネなんて…どうでしょうか。」
「いい。……疲れただろう。寢たらどうだ?
落ち著いたらまた顔を見に來る。」
「はい……そうですね…っゴホっっゴホ」
突然、荒い咳をするとその右手には生々しい赤いが付著していた。
次の瞬間、よろけたを父上が咄嗟に支える。
「…ソフィア!!」
私は部屋から駆け出し、急いで醫師を呼びに行った。
隣の部屋に控えていた醫師は何事かと駆けつけ、直ぐにソフィア様の治療が始まる。
中からは酷く荒らげた醫師の聲が聞こえ、これが只事ではないのだとじた。
そうして、後に部屋から出てきた醫師は顔を真っ青にし、下をふいていた。
それで分かったのだ。
あの方も、私の母上のように逝ってしまったのだと。
私はその事を察すると、しばらくそこからけなくなる。
父上は黙って部屋にった。
正妃と共に側妃まで連れてなくなるのだから、國民の不安は高まった。
その不安を拭うため父上は執政に付きっきりになり、私ももうを押し殺すように元通りな日々を送った。
最早、は死んでいたと言っても過言ではないかもしれない。
後に、メイド長から母が誤って赤子を落としてしまい亡くなった。
という、訳の分からない話がきた。
だが、私も父上もその時には正気じゃなかった。
あぁ、赤子も死んだのか。と
それだけで片付けた、ただそれだけでだ。
わかるだろうか。
母親と、話したばかりの人を目の前で亡くす覚を。
人の命は呆気ない。
それは戦を知る父上も、それを學んだ私も分かってはいたのだ。
だが、大切な人を亡くすというのは知らなかった。
それほど大きいものだった。
なくとも私にとっては。
これが私と父上の最大の誤ちだろう。
その時に、赤子の、シルフィオーネの生死を確認しなかったのを。
酷く痛む心の中、憎い奴らが目に浮かぶ。
そして、その誤ちを犯した自分自にも。
ぶつけられない怒りをじた。
それを握りしめる手に込め、爪が食い込みが滲む。ピリッとした痛みが走る。だが、こんなものじゃない。この子がおってきた痛みはこんなものじゃないんだ。
すると、そっと小さな手が私の手にれた。
「…痛いですよ。…ね?」
眉を下げ、心配そうにこちらを見る。
その瞳は私と同じ青で、でもまん丸として可らしくて。
「…ごめんね」
それしか言えない自分がけなくて。
「……?」
何について謝っているのかわからないのだろう。泣きはらした赤い目をこちらに向け首を傾ける。
私の手に自分の手を合わせ、ぎゅっと握りしめてきた。
私もそっとその手を合わせる。
すると、嬉しそうに顔を綻ばせ喜ぶ姿にはソフィア様の面影が重なった。
攻略対象外だけど、好きなんです!
通り魔から少女を守って死んだ、25歳の乙女ゲームオタク。 なんと少女は神様の孫だったようで、お禮に願いを一つ葉えてもらえることに。 オタクの願いはただ一つ、「乙女ゲームのヒロインに転生したいです!」。 そして、ヒロインに転生し、イケメンを攻略しようとしたのだが…… 初投稿です。 この作品は、ノルン+ノネットが大好きな作者が書いたものです。ファンディスクのネタバレもしまくっていますので、ご注意を。 語彙力がないので、そこら辺はご了承くださいませ。
8 76右目を無くした少年の戀のお話
事故で右目を失った少年『春斗』は 高校三年間でどう生きるのか─ 卑屈な少年ととにかく明るい少女の戀の物語
8 59ボクの彼女は頭がおかしい。
「その消しゴム拾ったら、彼氏になってもらうけど大丈夫?」 「へ…?」 ある日突然、パーフェクト美少女に告白された普通すぎる高校生の僕。 クレデレ系(※)ヒロインに振り回される日常を、ゆるゆる描寫のオンパレードでお送りします。 つまりはラブコメです。はい。 ※クレイジー×デレ
8 150これって悪役令嬢?!私の生き方貫きます!
主人公まりが、車の衝突事故から異世界へ 転生してしまう。目覚めると典型的な だっさい悪役令嬢。性格も極悪。 そんな中、曲がった事は大嫌い!と 正しいと信じる道を貫くまり。 イケメン俺様王子にだって文句は 言わせないわっ! だんだんと、王子もまりの影響を受け まりを溺愛するように。 どんな困難も叩き切る! 正義の為なら、怖いものなんてないのよっ! どんどん、周りを幸せにしていくという、 少し、お節介、そして人情味あふれる ラブコメディ。 私の生き方を見せましてよっ! はじまり。はじまり~。 ※カクヨム、アクアポリスにて同時投稿
8 182婚約破棄された『妖精の取替え子』
『妖精の取替え子』であると伯爵家で信じられていたセシルは、療養という建前で実は領地で虐げられていた。王太子の婚約者となったことで急遽王都の學園に來ることになったが、すでに戀人のいた王太子は、爵位の低いセシルを蔑んで馬鹿にする。そして、卒業パーティの日、セシルはとうとう婚約破棄を告げられた…。 虐げられていた少女が幸せになる物語13話。 ★完結しました。誤字報告本當にありがとうございます。 番外編3話追加しました。全16話です。
8 103いじめられっ子の陰キャJKは自分を変えるため、ダンジョンに挑む〜底辺弱者は枕とレベルアップで強者へと駆け上がる〜
七瀬世羅、彼女の人生は後悔の連続。一度選択肢した人生は巻き戻す事の出來ない現実。 何度だってやり直したいと願い夢見た。その度に砕けそうになる思い。 この世界にはダンジョンと呼ばれるモノが存在し、全ての人間にレベルシステムとスキルシステムが適応される。 まだ謎が多いシステム達、世羅はとある日に〇〇を獲得する。 日頃の生活で培った耐性スキル以外に一つだけ、スキルが増えていた。 それをきっかけに、家の前にあるダンジョンに挑戦する。 ただの高校生だったのに、小さなきっかけでダンジョンに挑む。 そこで見た光景は、想像を超え、そして再び後悔する光景。 なんで來てしまったのか、どうしてこうなったのか、焦る思考の中考える。當然答えは無い。 足はすくみ、腰は抜け、動けないでいた。 恐怖の塊が近づいて來る。自分の彼女達と同じ経験をする──そう感じた時、颯爽と空を飛び恐怖の塊と戦おうとする勇敢な───枕が居た。 彼女の人生は【枕】から始まる。 いじめられっ子からの脫卻、毒親からの脫卻、貧乏からの脫卻。 この世界はレベルシステムにより簡単に強さの優劣が決まる。 分かりやすい世界だ。 あとは、運と実力と、最高の相棒(枕)が居れば十分だ。
8 111