《これって悪役令嬢?!私の生き方貫きます!》豪華客船にて2
マリーが、目を覚ますと、外は真っ暗になっていた。
「あれっ?私、ルーファスと飲んでてそれから....」
隣を見ると、ルーファスは気持ちよさそうに、眠っている。マリーはベッドから起きると、ガウンを羽織る。床を見るとぎ散らかしたドレスが散していた。
「頭、いたっ....そんなに飲んだかしら?それにこんなにぎ捨てて....」
音にルーファスも目を覚ます。
「マリー、目覚めたのか?」
「今ね。し、頭痛いわ」
マリーはドレスを拾い、ドレッサーにしまう。
「私、暑くていだのかしら?」
「まさか、覚えてないのか?」
「うん、そうだね.....」
どんな失態をしたのだろう?でもルーファスだしね。気にする事もないか。
「あんなに、激しく求めてきたのにな....」
「えっ、激しくって、私が?」
「ああ、そうたぞ。たまには、一緒に飲むのもいいな。だが外で飲むのは止だ」
「何それ!せっかく香と帰ったら飲もうと思ってたのに!」
「子會ってやつか?」
「あら、よくご存知で」
「日本でまりは、よく子會だと言って飲みに行ってたからな。俺は家で待ってる時、心配でしょうがなかったがな」
「そうだっけ?」
「ああ、そうだ」
「せっかく、楽しみ見つけたのよ。香となら子會しても問題ないでしょ」
「いや、ダメだ。そんなに飲みたいなら、俺も一緒だ」
「私って、信用ないのね?隨分、束縛するのね....」
マリーの顔が険しくなっていく。ルーファスはそんな様子に気付き
「いや、あれだっ。城で開くならいいぞ。俺の目の屆く所でしてくれよ?」
ルーファスは完全ににひかれている。
「そうだよね!帰ったら、土産話しと子會しよっ。楽しみが増えたな~」
マリーは、機嫌を直すと
「ねえ、外に出て見ない?きっと星が綺麗だよ」
「そうしてみるか」
二人は著替えを済ますと、部屋から出る。何処からか音楽の演奏している音が聞こえる。
「何かやってるの?」
「ああ、毎日、ホールで、演奏されていて、ダンスを楽しんでいるんだ」
「凄いね」
「ずっと船に乗ってるのも、飽きるしな」
「そういえば、ライルは?」
「マリー様、ここです」
「うわっ!ビックリした」
ライルは、常に二人の後をついていた。
「ちょっと、気配消すの上手すぎ。忍者ばりよ」
「はて、忍者とは。マリー様の故郷のですか?」
マリーは、忍者について説明をする。
「それは、栄です。私、忍者になります」
ライルは、くそがつく程まじめなのだ。
「そうね。いいかもね....」
「かしこまりましたっ」
マリーは、可笑しくなって笑ってしまう。
「ねえ、せっかくだから皆で食事しない?」
「マリーまた食べるのか?」
「さっきは晝だから、今は夜ごはんよっ」
「いえ、私ご一緒する訳には」
「も~、ライルって本當まじめなんだから」
マリーはライルの手を引くと無理矢理席に座らせる。ライルは、ルーファスを見ると、
「気にするな、ライルも楽しめばいい」
「はっ、ありがとうございます」
三人は食事と音楽を楽しみ、食事も終わると席を立つ。
デッキに出ると、星が輝いて、明かりがいらない程だ。
「凄い。まるで、ミルキーウェイみたい」
マリーは日本の彥星と織姫の話しをする。
「なんだか、悲しいな。怠慢になったとはいえ、一年に一度しか會えないのか?」
「そうよ。私達も決して怠慢になって、國を忘れてはダメと言う戒めよ。一緒になったんだから、より良い國にして行かなくちゃね」
「もちろんだ。マリーが側にいると思うと、頑張れるんだ」
「そう?ありがとう」
ルーファスはマリーの肩を抱く。マリーもルーファスにもたれかかる。二人は星が輝く中キスをした。
それから、數日が過ぎ、
「ルーファス、まだ到著しないのかしら?」
「もうすぐだ。もう飽きたのか?」
「飽きたわけじゃないけど、が鈍ってきちゃって。そうだ、ライルに剣の稽古でもしてもらおうっと」
マリーは、荷から木刀を取り出す。
「マリー、わざわざそれを持って來たのか?」
「もちろんよ。何処で何があるか分からないじゃない」
「その前に、俺が守るけどな....」
「分かってるよ。結局ルーファスには敵わないの知ってるし」
ルーファスは、小さな頃から、ライルに剣を習っているので、ライルには敵わないが、相當な腕前なのだ。
マリーはライルを連れて、デッキに出る。
「ライル、行くわよっ!今日は手加減は無しよっ」
「ええ、何処からかでもどうぞ」
「いいわ、余裕なのも、今のうちよっ。どりゃ~」
マリーはライルに突進する。ライルはヒラリとマリーの剣をかわす。
「それでは、忍者になれませんぞっ」
「誰が忍者になるって言ったのよ!」
マリーは、諦めず、ライルに向かって行く。
「とりゃ~!」
「まだまだ、つめが甘いっ!」
ライルのスイッチもって來たようで、容赦がない。
「くっそ~、とりゃ~」
マリーは相當負けず嫌いなのである。
「ハアハア、本気のライルってまじで強いわ。だけどここで諦めたらの名がすたるっつうのっ!」
ポツポツと雨が降ってくる。ルーファスは雨が降りだしたのを気付き、デッキにやってくる。
「おいっ、マリーもライルもその辺で、終わらせろ。雨が強くなってくるぞ」
マリーは空を見上げると、真っ黒な分厚い雲が空を覆いだしている。
「うわっ、本當だ。風の流れが早いから、本降りになるわね。ライル、決著はお預けよっ。命びろいしたわねっ!」
「ええ、マリー様、助かりました」
ライルは、息ひとつさず、笑顔で返事をする。
三人は空を見上げ、船に戻るのだった。
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