《人間嫌いな俺とビッチな》各々の悩みと頼りになる2人
「ねえ穂希、なんだか最近おかしいの」
「お姉ちゃんがおかしいのはいつも通りじゃないのー?」
失禮な!私は至って普通よ!
「なんかね、どうでもいいのよ?どうでもいいんだけどどうでもよくないっていうか......」
「なんの話をしてるのかなー?それとも誰の話って言った方がいいかなー?」
 穂希はニヤニヤしながら続ける。
「最近は薄化粧だったりー!買い出しに張り切ってたりー!誰かさんが風邪引いたと聞いた瞬間焦ってたりー!のことー?」
「わかってるのなら茶化さないでよ!」
「ふむふむ、あのお姉ちゃんがこんな可いをするんだねぇ」
「なに言ってるの穂希?誰がをしてるってー?私は鍋島を人に惚れさせるために頑張ってて、だけどなんか最近他の人と話してるのを見るとイライラするというかなんというか....」
「お姉ちゃん、それをって言うんじゃないのかなー?」
「勝手に決めないで話を聞いて!今日だって私頑張ってるのに好きじゃないってハッキリ言われるしでも一緒にいて楽しいとも!あーもう鍋島が何考えるかわかんないよぉ」
「うーん、お姉ちゃん経験富なくせになんでわかんないかなー?」
「今まで私に惚れなかった人なんていなかったからなぁ」
「その鍋島っ人、話聞く限りお姉ちゃんに惚れそうじゃないもんねぇ」
はぁ、やっぱり鍋島は私には惚れるようなことはないのかなー?
「あーごめん!まだそんなに落ち込まないでよ!」
「落ち込んでなんて.....うん、落ち込んでる。
どうしたら惚れてもらえるのかなー?」
「お姉ちゃんがどうして惚れてしいのかが分かったらきっとその人も惚れてくれる可能が出てくるんじゃないかなー?」
「どうして惚れてしいのかって、それはもちろん....」
あれ?なんでだろう?
 好みでも何でもない鍋島が私の噓告白を斷ったことから始まって、惚れさせて振ろうと思ってたけど鍋島にも悲しい過去があった。
 
その話を聞いて私はまた彼に人と関わってしいと思うようになって......
それなのに、彼が他の人と話すのがし嫌で......でもなんで嫌なんだろう?
「ほら、お姉ちゃん分からないでしょ?それがわかったらきっとそれが全部の答えだよ!」
「そっか、ま、穂希の言うこと信じてみるのもいいかもね!ありがとう!今日は一緒にお風呂ろっか♪」
「絶対嫌だからねー!」
 冗談のつもりだったけどここまで拒否されると流石に私も悲しい。
中學校に上がった頃からかずっと一緒にお風呂にはってくれない。
「なんでよー!たまにはいいじゃない!」
斷られればついムキになってしまう。
「お姉ちゃんに見られるとか恥ずかしい。私が妹なのに私の方が年上みたいで嫌なの」
「あ、もしかして穂希」
「言わなくていいからね!お姉ちゃんが先にってきていいから」
 どうやら穂希は穂希で思春期みたいね。
ま、なんだかわかんないけど高校祭もそれまでも私が一緒にいればいいだけだもんね!
……
「お姉ちゃん、なーんで自分の気持ちがわかんないかなぁ?ま、今までと違って自分に気持ちが向いてくれる可能も低いもんね」
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「なあ姉貴、姉貴には心から信頼できる人がいるか?」
「どうしたの睦月?いきなり」
「信頼できるってどう言うことなのかなってふと思っただけだ」
俺は心から1人の人間をずっと信じていた。
 そしてそれはいつしか心に変わり、俺は殘酷な事実を知った。
 そして再び人と関わろうとすれば、今日のように人の怖さを再確認してしまう。
「誰か信じたいと思う人が睦月にはいる?」
「さあな。だけど信じてみたいと思える人は
できたのかもしれない」
「そう、なら最後まで信じてみたらいいんじゃないの?」
「もしまたそれで裏切られたら?」
「その時は私がまた支えてあげるわよ」
 その答えが姉貴らしくて俺は笑ってしまう。
「なんか姉貴と話してたら悩むのが馬鹿らしくなるな」
「睦月、最近変わった。というかなんか前みたいに笑えるようになった?」
「そんなこと自分じゃわかんねーよ」
そんなことを言いながらも自分でもそれは自覚していた。
 
そして何故かという答えもわかっていた。
「そっか、いい睦月?裏切られるのは悲しいことだけどある意味仕方ないこと、だけど人を裏切るようなことはしちゃダメだからね!」
「姉貴に言われなくても分かってるよ。裏切られる悲しさは1番知ってるからな」
「ま、そういうのは分かってたけどね~」
「分かってんならいちいち言うなよ」
「はいはい、そろそろご飯食べよっか!」
 姉貴には俺の悩みはお見通しってわけか。
ほんと、いい姉貴を俺は持ったよ。 
 直接伝えることができない俺はそう心の中で
謝を述べたのだった。
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