幹線道路を走り、30分ほどで大きめのホームセンターに到著する。

大きめのカートを手にしたあとは、運転手である櫟原さんと共に店を見回ることにする。

「高槻様より、宮さんがアイロンを所したいと伺っておりますが――」

「はい。服をクリーニング店に出すのはもったいないので」

「そういう事でしたか。それと高槻様より、他に必要ながあれば一緒に購してもいい事を宮さんにお伝えするように託をけておりますが」

「そうなんですか？」

それは、嬉しい言葉。

じつのところ、生活がまるで無い母屋では必要な家庭用品が不足していたところだったので、洗濯を干すハンガーなどがしいと思っていた所なので、それらを幾つか購。

あとは剤や、キチンとした俎板や調理を一式購する。

足りないモノを考えながら購していた事もあり、カートの中は気が付けば一杯になっていた。

「えっと……買いすぎですか？」

「必要なだと私も思いますので、問題はないかと――」

許可をもらったので、レジで算を行う。

もちろん支払いは櫟原さんにお任せ。

荷を全てトランクに乗せたあと、帰りにスーパーに寄り食材を購してから家に戻る。

母屋まで荷を運んでもらったところで、

「それでは、私は高槻様をお迎えに上がりますので、これで失禮します」

その言葉に私は頷く。

一人殘されたあとは、家の掃除や夕飯の支度をする。

「新品は、使っていて気持ちいいよね」

新しい調理を使いながら、一人呟く。

夕食の仕度が終わったあとは、學校から出た宿題を終える。

そして――、一息ついたところで、櫟原さんに渡されていたスマートフォンが鳴る。

「はい。宮ですが」

「俺だ」

「……総司さんですか？」

一瞬、誰の聲が分からなかったけど、俺様系の知り合いは一人しかいないので、誰かはすぐに分かった。

「そうだ。今日は、帰りが遅くなるから俺の分の食事はいらない」

「分かりました」

短い業務連絡に近い電話を切ったあとは、高槻さんの帰りが遅くなるらしいのでお風呂にり一日の疲れを落したあと、夕食を一人で食べる。

「……」

もくもくと――、

「……」

いつもは、駄目な親だったけど父親と一緒に食べていた料理。

父親が失蹤してからは、高槻さんや櫟原さんと食事を摂っていたので一人で食べるのは、何となくだけど寂しい。

「はぁ……」

思わず溜息がれてしまう。

お母さんが生きていた頃は、お父さんも普通で普通に仕事をしていたしお酒を飲むことはあったけど嗜む程度だった。

――でも……いまは……。

私は頭を振る。

「もう過ぎたことだもの。もう……、終わったことだから……」

過去を振り返ったら前を向いて歩けなくなってしまう。

食事を摂り終えたあとは、食を洗い腰までばしている黒髪を纏めたあと、戸締りを確認したあと寢床にった。