《嫁ぎ先の旦那様に溺されています。》一つ屋の下での事4(13)
母屋へ到著。
「ただいま戻りました」
普段、滅多に早く帰ってこない高槻さん。
おかげで「ただいま」と、言う機會はない。
今日は、早く戻って來ている事と穂が一緒に居る事を伝える為に大きめに聲に出す。
「おかえり」
そうスマイルな笑みを浮かべて家奧から軽やかに登場したのは高槻総司さん。
私の雇用主であり3000萬円という、子高生ならありえない借金を私に押し付けてきた張本人。
「莉緒の親友の東間穂と言います」
「ようこそ。高槻総司です。莉緒からは常々、伺っています。どうぞ中へ――」
笑みを崩さずに家に上がるようにと促す高槻さん。
一、何を考えているのかまったくわからない。
「私が、彼の話し合い手になっているから、莉緒は普段著に著替えてくるといい」
彼が、普段著という言葉にし力を込めたのが何となく理解出來た。
その意図は、私が此処で仕事をしていると言う事を隠すというよりも、そういう場面を意図的に見せないという配慮だということを。
「分かりました」
2階に上がり、高槻さんに買ってもらった服に著替えたあと、1階に降りる。
高槻さんと穂が居たのは、囲爐裏のある――、いつも食事をしている居間。
その部屋に置かれているテーブルを挾んで高槻さんと穂が真正面から対峙していて――、空気が重いようにじる。
お茶を用意したあと、居間へ行き「ただいま戻りました」と二人に話しながら、それぞれ――、二人の前のテーブルの上にお茶を置く。
その際に、私に見えるように高槻さんが隣に座るようにと指差してきたので、私は高槻さんの隣に座る。
「――さて、櫟原から話は聞いた。東間さんは、莉緒の事に関して知りたいという事で良かったかな?」
「はい」
革新的な部分を切り出す高槻さん。
そして頷く穂。
「まず莉緒は、私と婚約をしている。これは、莉緒のお父様からも許可を得ている事で學校にも許可はもらっている。それと莉緒のお父様は、現在は他県に出張に行っていることから、私が彼の後継人も務めている」
本當は、高槻さんが本當の事を話すのでは? と、思ってしまっていたけれど違ったみたい。
「それって――! 莉緒の許可は得ているんですか?」
「それは當然です」
「莉緒!」
穂は高槻さんの話が信じられないと言った表で私を見てくるけど、ここで本當のことを言う訳にはいかない。
――だから……。
「穂、本當の事だから」
「それじゃ大和の事はどうでもいいの!?」
「え? どうして大和の名前が出てくるの?」
「だって! ……」
そこで穂が口を閉じてしまう。
言いたい事があるなら言ってくれればいいのに……。
――でも、本當の事を言わないのは私も同じで……、噓を噓で塗り固めているだけに過ぎない。
それでも神社を守るという目的があるから。
「……それじゃ……、莉緒は大和のことは何とも思ってないのね!?」
どうして、そんなに大和の事を引き合いに出してくるのか私には分からない。
「大和は、友達だよ? それ以上に何があるの?」
だから、私は率直に聞くことにしたけど、穂は「もういい!」と立ち上がると、足早に玄関まで行き出ていってしまった。
その後ろ姿を見送ったあと、私は何故か分からないけどが刺されるように痛みを覚えてしまう。
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