《男がほとんどいない世界に転生したんですけど》最良なケースと最悪なケース
「それとな、これからは苗字ではなくて下の名前で呼べ。これは生徒會長命令だ!」
「あ、はい。分かりました。」
まぁ、九重先輩と言うと大地先輩も反応してしまうからな。
「おっと、そろそろ私は行くが……最後に宣言しておく。
我が生徒會では真面目に規律正しく、そして楽しくをモットーに活している。お前が男だからと言って特別待遇とか、特別扱いはしない。むしろ、力があるようだからこき使う予定だ。一応、覚悟はしておけよ。」
指を刺されながら宣言をされる。
「は、はい……一杯頑張ります。」
まぁ、むしろそっちの方がいいかもな。だって、この世界に転生してきてからずっと特別扱い。そろそろそれにも嫌気が刺してきたのだ。
空先輩に言われ、が引き締まる。
「じゃあ、私は行くぞ。これから大地から晝ご飯を貰いに行かなければならないかな。」
謎のいらん報を言いながら、教室のドアに向かって踵を返す空先輩。
「あ!そう言えば、生徒會室に今日の放課後來るようにな。臨時の生徒會があるんだ。それじゃあ、また後でな。來なかったら……分かってるよな?」
そう言い殘し、空先輩は教室からそそくさと出ていった。
「…………………」
俺も、周りにいたクラスのの子達もぽかんと口を開けていた。
((((それって1番大事な報だろうが!先に言えよ!))))
クラスにいるほぼ全員がそう思ったとか……
クラスのもう1人の生徒會の夜依も揺をしているというかかなり呆れていた。
「はぁ……本當に大丈夫なのか?」
あんな自由奔放とした人が人を引っ張れるのか?
今見たじだと俺はそうは思えない。
今の所、生徒會にった事に若干後悔しているんだけど。
今から委員會を変えることは、何とかすれば行けるだろう。生徒同士でまだ挨拶をしていないし、書類もまだ通っていないはずだからだ。
でも、そうして逃げれば空先輩がここにわざわざ來た時間が無駄になるし、俺のレッテルと信頼に傷が著く。それに夜依と一緒になった意味も無くなってしまう。
 
それだけは嫌だったので委員會を変えるという選択肢は破棄した。
☆☆☆
──ピロリンッ!!!
「うおっッ!!」
もう、チャイムが鳴り、奈緒先生がいつ來てもおかしくない頃なのに………ヤバいって!
月ノ高校はスマホが極力使用止だ。
もし、それがバレたら怒られる。1発で生徒指導だ。
音がしたってことは、攜帯をマナーモードにしていなかったという事だ。
急いでスマホをカバンから取り出しマナーモードに設定した。
「ふふっ♪」
あ、前の席の春香から笑われた。
恥ずいな。
もう……いいや。
ついでにメールの中を見よう。
1番後ろの席だから別に奈緒先生が來てもちょっとやそっとではバレないだろう。
俺はメールの畫面を開く。
あ、お母さんからだ。
もしかして、時計の事か?
そう予想して容を見たが、予想通りメールの容は時計のGPS機能の事だった。
お母さんの褒めて褒めての文は流し読みし、容をしっかりと読み取る。
えっ、見つかったの?時計は壊れているけど、GPS機能は壊れてなかったのか!
あれ……でもこれって明らかにおかしく無いか?
だって、お母さんが一緒に送ってきたGPSを示す地図は、どう考えても雫の家では無いと思われる違う場所を表示していた。
雫の家は俺の家から近いって前に聞いていたから、このGPSの表示は考えられないのだ。
「…………………ッ!」
俺はつい、無意識に立ち上がってしまう。
クラス中の視線が、俺に集中するが……今の俺には全く気にならない。
俺はつい深く考えてしまう。最良なケース~最悪なケースまで々と……
例えば、雫は風邪で病院にでも行っているのかな?
でも、それなら學校に親が電話ぐらいすると思うし俺や由香子にも連絡をするはずだ。それに……病院に俺の壊れて使いにならない時計を持っていくか、普通?
俺だったら持って行かない。例え持って行っても何の役にもたたない。
それか間違って俺の時計を捨てたのか?でも、ありえない。雫はそんな奴じゃない。まだ1週間くらいしか一緒に過ごしていない仲だけど、斷言できる。
でも、すぐにそれは理屈が通らないと分かる。
それで最良なケースがどんどん減って行き、最悪なケースが殘って行く。
もうダメだ!最良とか最悪とか考えていたら頭がパンクしてしまう。
もうなんなんだよ!?意味わかんないよ!?雫は一どこにいて、何をしてるんだよ!
雫と會えないだけでこんなにも頭が混するなんて思ってもみなかった。
突然、頭を抱え唸る俺にクラスのの子達は不自然に思う。春香や隣の子が俺に対して聲を掛けてくれるが、全く俺は反応できない。頭が混してそれ所ではないためだ。
「そうだ。このGPSが表示されたマップと俺のスマホの細かいマップ機能を連させて見てみれば何か分かるかもしれない。」
早速やって見た。電子機に疎い俺には難しい作だけど何とかでき、GPSの場所が正確に表示された。
連させて分かったのは、GPSの指す場所がとある住宅街の1軒家だということ。
病院とかだったら、心配もするけど安心は出來た。
だけど……この地図を見た瞬間から不安も増して、張が出て來た。
あぁ、おばあさんの家に行っているのか?でも……それだと土日に連絡が付かないのがおかしいし學校を休むのもおかしい。
──もしかして拐か!?最終的に思い至った俺の結論はそうだった。
もう最悪なケースとしか考えられなかった。
「はぁ……」
って、落ち著けよ俺。
深呼吸して気持ちを整える。だけど……全然収まらない。俺の考えすぎだ!と思いたい。
そんなのある訳ないよな。そうだよ。そうだよな!
そう何度も何度も自分に言い聞かせた。
「優馬君?どうしたの♪」
「──え、あ。ごめん、ごめん。ぼーっとしてた。」
「考え事?スマホ片手にそれは中々、大膽の行だ
ね♪」
「あ、あぁ!」
やばい、やばい。考え事をしててスマホを片手に握りしめていることを完全に忘れていた。
本當にマジで生徒指導を食らってしまう。
慌ててスマホをポケットにしまいこみ席に著く。
ふぅ……ようやくクラスの視線が俺から散らばり、落ち著く。
「それで、どうしたの♪何かあったの?さっきの優馬君は挙不審すぎたよ♪」
「えっと……ね。」
俺が春香に簡単に説明をしようと思った時、隣の子達の噂話が聞こえた。
「──ねぇねぇ聞いた?化學の毒牙先生の化學準備室からやばい薬品が沢山見つかったんだって。怖いよねー」
「それ聞いた聞いた。あの人前々からヤバい人だと思ってたけど本當だったとはね。」
「それでさ、その薬ってかなりに有害ですぐに學校が処分したらしいんだけど、毒牙先生音信不通じゃん。なんか事件を起こしてるかもって先生達焦ってたよ……」
この2人、確か榊原 真希まきさんと近藤 舞まいさんだ。クラス順位に上位に2人共っていたから印象深く覚えていた。
一旦、春香には待っていてもらい、2人の元に行く。
「ねぇ、話に割り込んで悪いけど、榊原さんと近藤さんが話してる事って本當なの?」
急に俺から聲を掛けられた2人は驚き、顔を真っ赤にするが俺は気にせずにグイグイ聞く。
「えっと、えっとね。私達の名前覚えててくれたの。すごい激。」
「私も私も。嬉しすぎて泣きそう。」
2人は途中で話が分斷されたのにも関わらず全く怒らず、良い笑顔でとても嬉しそうだった。
「當たり前だよ。それで、その話は本當なの?」
「う~ん。本當かは実際は分からないけど、職員室を通りかかった時に先生達が話している所をたまたま聞いたんだよね。だから多分本當かな。」
「本當に、やばいよね。」
…………っ。俺が予想した最悪なケース。その未來に徐々に近づいて行っている気がする。冷や汗が垂れ始め、顔のがすぅーっと引く。
「なるほどね。ありがとう。榊原さんと近藤さん。」
「うん。どういたしまして!」
「また、いつでも話しかけてきてね。」
俺は2人にお禮を言った。
そんな時、
────ガタァッ!!!!
「「「「ッ!?」」」」
勢いよく、教室にって來た奈緒先生にクラスの俺含めた全員が驚いた。
「優馬君!優馬君!ちょっといいですか?」
相當慌てふためく奈緒先生が俺の名前を連呼した。
「えっと、はい。なんですか?」
俺は返事をして立ち上がった。
なんだなんだ?
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