《異世界戦國記》第八十一話・加納口の戦い7
「っ! 來たぞ! 構えろ!」
信秀の前方、佐久間信晴の後方に展開していた織田信康は萬が一、信晴が抜かれた時の為に間に展開していた。彼我の兵數から”最悪の想定”の為の展開だったがそれがまさに功を奏した形となった。佐久間信晴隊を壊走させた岸信周はそのまま織田信秀の首を取るべく兵八百を率いて稲葉山城を駆け下りていた。山を下って來た兵たちは疲れよりも兵の多い敵を倒したことによる高揚で溢れ士気はとても高かった。
しかし、それは信康の兵も同じである。自分たちの殿さまの下には向かわせない!という強い覚悟のもと、岸信周隊とぶつかる。槍同士が先陣の兵を貫き彼らの上空を矢が行きかう。槍を捨て刀を持ち白兵戦を行い目の前の兵を遮二無二切り捨てていく。とは言え今は日も昇らない深夜である。気づけば戦の様相を見せ同士討ちが両軍で多発し始めていた。足軽が背中に差している旗も敵かもしれない者の前で確認する余裕はなく兎に角目の前の敵と思われる者と切り合っていく。
「信康様! このままでは同士討ちで味方が……!」
「だが敵がここにいる事に違いはない! 日が昇るまでここで敵兵を足止めするのだ!」
「……そんな事をさせると思っているのか?」
信康が家臣に指示を出すとその會話に割り込むように聲が聞こえてくる。そちらに目を向ければ今まさに信康隊と戦を繰り広げている岸信周本人がいた。その後ろには彼の兵が五十人程いた。戦場を迂回して回り込んでいたのである。夜だからこそ出來る奇襲であった。更に現狀では総大將が出來る事は無いに等しかった。戦の為指示は行き屆かない為現場の判斷でくしか出來なかった。その為、岸信周はこの様に大膽にいていた。
「お前、大將首だな? それも織田一門と見た」
「……織田弾正忠信秀が弟織田信康だ。そう言うお前は岸信周だな?」
「ほう、織田當主の弟か。手柄としては申し分ないな」
岸信周はそう言うと槍を構える。絶対に信康をここで討ち取るという強いがにじみ出ておりその後ろにいる兵も同じような気配を出してそれぞれ武を構えている。ここで逃げても敵は後ろから攻撃を始めるだろうと予測した信康は刀を握り相対する。本陣の兵も信康を守るために槍を構え槍衾やりぶすまを敷く。本陣には百人ほどの兵が居り戦力差は明確だった。それでも、岸信周は戦う気の様で笑みを浮かべると槍衾に向かって突撃した。
「おらぁ!」
槍衾を敷く兵の一人を標的にすると自に向かってくる槍をしゃがむ事で避け足を狙い槍を放つ。放たれた槍は兵の右足に突き刺さり骨を砕く。
「あぐっ!?」
「つぎぃ!」
「ぎっ!? いぃっ!」
次々と兵の足を狙い槍を付く岸信周。槍衾の一角は瞬く間に崩れそこを狙って岸の兵が突撃する。足を怪我し立てなくなった信康兵に槍や刀を突き、振り下ろしていく。あっという間に瓦解する自軍を見て信康は覚悟を決めると岸信周が槍を放つタイミングを見計らい一気に前に出た。
「ふっ!」
「ちぃ!」
信康の大上段からの振り下ろしと岸信周が槍を引っ込め盾代わりにするのはほぼ同時だった。岸信周の槍を刀が切り進む。木製の槍なら信康の一撃で真っ二つに折れ岸信周のを切り裂くだろう。しかし、槍を切り裂く途中で堅いと同時に刀のきは止まった。
自の攻撃を木製の槍が防いだことに一瞬驚くもすぐにからくりを見抜く。
「鉄の棒がっているのか」
「ああ、そうさ。前に戦った頼蕓の家臣が持っていたでね。鉄槍に出來る程鉄も費用もなかったらしくこんなものになったのさ。だが、穂先の鋭さは逸品だぞ? 骨だろうと簡単に貫く事が出來るからなぁ!」
そう言いながら岸信周は力をれて信康を押し返すとすぐに突きを放つ。岸信周の言葉が真実ならその一撃は信康を簡単に殺す事が出來るものだ。それを刀を用いて弾く事で回避する信康。しかし、その時には信康の奇襲によって近づいた距離は開き、岸信周の槍の得意とする距離となっていた。
さらに周囲の兵は二人の一騎打ちを邪魔しないように互いにけん制しつつ戦いを始め二人が逃げるスペースは無くなっていた。信康は氏興以來の強敵に刀を構え、油斷なく出方を伺うのだった。
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