《異世界で始める人生改革 ~貴族編〜(公爵編→貴族編》閑話 コウとメイを買う
今日、俺は3歳になった。
このレイン・デュク・ド・オリオンとしてにも慣れ、もう全然猛ダッシュとかもできる様になったところだ。
お金が貯まったので、また今から奴隷を買いに行く予定だ。
因みに街に出歩くのはこれで3度目だったりする。
2回目は王國建國祭というのが3年に1度くらいのペース(1、2年たまにズレるらしい)であり、両親と一緒に行った。
だが特に話すような事は何もなかった。
いわゆる新年おめでとうみたいなノリで騒いだだけのお祭りで當時2歳児だった俺には如何でもいいことだ。
もちろん、お小遣いは貰い、1銅貨すら使わず隠してある。
三段式のタンスが俺の部屋にはある。
その一番下を外し、その中に敷き詰めておいてある。
俺が練りに練った本気の隠し場所だ。
結構自信がある。
その他にもお父様とお母様の言うことをきちんと聞いて真面目にしていたら、たまにお小遣いをくれる。
そんなこんなで金貨30枚まで貯まった。
この金額は俺としては「いやあげすぎじゃね?」と思うのだが、オリオン家は裕福だしな〜と思うとこんなものか?と思ってしまう。
前世で見た知識で貴族の子息が親のお金で無雙するバカ息子の話はたまにあったため、まあよくある話だろうと納得してしまう。
公爵家の子供の駄賃まで本に書いてあるはずがない。
(投資だと思ってくれ)
と心の中で謝しながら早速奴隷館に向かう。
今日は馬車を使う。
片方に大の大人が2人で腰掛けても余裕があるくらいの高級馬車だ。
歩くのはもう十分だ。
スクナとメイドを連れて行く。
スクナは付いてこなくていいと言ったのだが何故か付いて來たがった。
同僚かつ教育係になるのだから意見させていただきたいとのことだ。
(いや、君たちの意見は基本的には聞かないよ?)
神眼でいい奴隷を選ぶため、2人の意見を聞く気は全くない。
さっと決めてサッと買うつもりだ。
と暫くゴトゴト揺られていると聲がかかる。
「レイン様そろそろ著きます」
「わかりました」
と気を引き締め、最後の打ち合わせ、というか基本前回と同じでメイドが基本喋り、俺が必要な時に喋るじで行く。
そしてメイドと手を繋ぎながらスクナとともに奴隷館にる。
するとこの前と同じ奴隷商がいた。
「おお!これはこれはレイン様と侍様、それにスクナまで、よくぞおいで下さいました!」
「お久しぶりですね。
スクナはいい子に育ってくれています。
本日もよろしくお願いします」
「お久しぶりです!はい!それは何よりでございます!
こちらこそどうぞよろしくお願いします!」
と前よりも過剰なくらいの慇懃な挨拶をしてくる。
「では、早速ですがまた今度は戦闘もできる奴隷を買いに來たのですがオススメなどはございますか?」
(いや、メイドよ……いきなりオススメは早いぜ。
せめて希年齢とか戦闘系か家庭系がしいのかくらいは言おうぜ)
と思ったがとりあえず黙っておく。
レベルが高くて魔法才能があったとしても30代のおっさんとか紹介されたらノーセンキューだ。
「はい!もちろんございます!希年齢は前回と同じでよろしいのでしょうか?」
(おお!奴隷商ナイスアシストっす!)
「そうですね。これは失禮しました。
下は5歳で上は10まで、種族不問、別不問でお願いします」
「おお!畏まりました!
ちょうど7歳の兄弟でオススメの商品が荷したのですよ!」
といい、裏に早歩きで戻っていく。
「レイン様、オススメだそうです」
「オススメか……。これは期待ができますね」
幾ら何でも空気を読まないことに定評がある(前世でいじめられた一因なのだが)俺でも神眼で先見はしない。
待つことを覚えるのも必要だ。
そしてそのすぐ後に2人の兄弟を連れて奴隷商がやってくる。
「お待たせ致しました。
こちらの雙子の兄弟がこの奴隷館創立以來、指折りの奴隷となっております!
名前はコウとメイと言います」
と意気込んで俺に説明した。
この雙子の年は瓜二つな顔をしており金髪の髪に碧眼、そしてショタだった。
そして長なのだが見た所俺よりも小さい。
因みに俺は長105センチ位で、記憶が曖昧だが確か日本の子供の平均長より結構高い。
それに比べて彼らは1メートルどころか90センチ位じゃないか?という大きさだ。
早速神眼で見てみる。
[コウ/Lv. 6]
[男/AB/6531/7/12]
[小人族/奴隷]
[HP 103/103
MP 165/165
STR 38
VIT 45
AGI 46
[魔法]
風魔法    LV.1
[スキル]
レア6    雙子の加護
[メイ/Lv. 6]
[男/AB/6531/7/12]
[小人族/奴隷]
[HP 103/103
MP 165/165
STR 38
VIT 45
AGI 46
[魔法]
土魔法    LV.1
[スキル]
レア6    雙子の加護
と出た。
(雙子の加護?)
わからなかった為神眼で見る。
雙子の加護    レア度6
同じ日同じ時間同じ親から生まれた兄弟がいた場合のみ効果を発揮する。
互いへのHPなどの全ステータスの譲渡が可能になる。
ただし片方のHPが1になった場合、HPを譲渡することはできなくなる。
譲渡可能な範囲は存在せず、譲渡される側が生存している限り譲渡可能である)
(つ…強い…。
単純に強さが倍になるということだろう。
しかも生きている限りって…。
あ、いや弱點はあるな。
互いのステータスが見えないのだから片方が死んだのに気付かない可能があるし。
2人揃って加護の本領が発揮されるのか。
後、小人族ってここら辺にいたっけ?
確か西の大國辺りが生存地域のはずだが…)
流れてでも來たのだろうと思い直し、俺が考え事にふけっている間に商談が始まる。
聞き逃したのはどうやらスキル説明などで神眼で見た俺には関係ない部分だったようだ。
「では!ズバリ!お値段の方なのですが、特別大特価価格で2人で金貨35枚でお譲りいたします!!」
と今までで一番聲を張り上げそう告げた。
「安っ!!」
(あ、やべっ!)
つい聲が出てしまった。
(いや幾ら何でも安くね?2人でだろ?魔法才能が雙子でそれぞれ違いレア度6の雙子の加護がある奴隷がたった金貨35枚?
相場をよく分かっていない俺ですら安いとわかるぞ)
奴隷商は俺の言葉に一瞬驚いたが直ぐに気を取り直し、また微笑に戻る。
メイドが俺の言葉を代弁する。
「し安過ぎるのではないでしょうか?
格が破綻している者達をレイン様にお付けするわけにはいかないのですが……」
すると奴隷商が慌てて否定する。
「いえいえとんでもない!格は真面目でかつ非常に優秀な雙子です!我が商館の名譽にかけて斷言いたします!」
「では何故ここまで安いのでしょうか?」
とし言いずらそうにしながら
「そうですね、確かにこちらの奴隷は育てた後、出すところに出せば金貨100枚はくだらないでしょう。
ですが、私、レイン様のご分をお聞きしましてですね!はい!それに是非ともあやかりたいなと思いまして!
今回は特別大特価としてこちらの奴隷を提供させていただきます!」
(ああ、なるほど〜、俺の分聞いたのね。
これからこの領地を継ぐ第1候補である俺にしでも憶えをよくしたいということか。
長い目で見ればプラス収支かつ公爵家の威をしでもあやかれるという寸法ね)
流石に3歳となった俺の存在は隠せなくなり、公式ではないものの公爵家次期跡取りはレインであるという噂が既に商人達の間に流れている。
(人間を扱う商人が知らないわけがないわな)
だがそれでもお金が足りない。
あと金貨5枚足りないのである。
當然知っているメイドが
「すいません、今、手持ちに金貨30枚しかなく5枚ほど足りないのですがまけてくれませんか?」
と率直に言った。
(もうし隠して!足元見られる典型例だよ)
懐を曬すのがあまりにも早い。
「大変!大変申し訳ないのですがこればっかりちょっと…。
もう既に限界まで値段を下げておりますゆえ銅貨1枚とて安くするわけにはいきませぬ」
と申し訳なさそうにしながらもはっきりと告げた。
「では後日まで取っておくというのは?」
とメイドが提案した。
(おお!ナイスアイデア!)
と心の中で賞賛を送る。
「申し訳座いませんが日が経てば経つほど値段は急上昇します。
先程申し上げた通り、レベルも低く、魔法才能も1ゆえにこの値段でございます」
俺が聞いてなかった部分だ。
知ってはいるけど。
「…」
メイドが目線でどうしますか?と聞いてくる。
耳元に顔を近ずけツケで頼んでみる様に言う。
奴隷商からの答えは
「大変申し訳ないのですが、當店、というより奴隷を扱う商館はほぼ全てにおいて後払い、分割払いは止になっております。
理由は生きている者達を扱うため、次の日がどうなっているかわからないためです。
過去、実際にそれでめ事に発展いたしまして……」
明日急に病気になる可能もある。
支払いを終える前に逃げたしてしまう可能もある。
それで奴隷商に文句を言い支払いを取り止めさせるという事が実際にあった。
それからは一括払いかつ當人が手出しされていない場合に限り返品保証が付くようになった。
だが諦められるわけがない。
神眼で見た限り異常は特にない。
人間はいってもしょうがない。
俺がわかるわけがない。
なら買う!
どうやって、
やりたくはなかったが両親に頼む。
という訳で今日だけは値段を上げない約束をし、1度家に帰る。
そしてお母様の部屋の前に行き、1度深呼吸をしたあと、ノックをする。
中から返事があり、部屋にる。
「あら、レイン。お帰りなさい。
今日は確かまた奴隷を買いに行ったんですわよね?どうでしたか?」
早速來た!
「あ〜……えっとですね…その件でお母様にお話がありまして、ちょっとご相談があるのですが……」
「何かしら?」
オッホン!と一度咳払いをしそのあとで深呼吸をしたあと、勇気を出して話す。
「あ、あのお母様!す、しですね、お金が足りなくてですね……。
出來れば金貨5枚程貸していただきたいのですが……。
どうでしょうか?」
と言って頭を下げる。
土下座をしてもいいくらいだ。
と暫く沈黙が走る。
つい言葉を急かしそうになるが沈黙は金という言葉を思い出し頭を下げたまま口を閉ざす。
「わかりました。貸しましょう」
貸すっていうか全額元々両親のお金なんだが。
「ありがとうございます!!お母様!」
「ただし!!ただし條件があります」
とお母様が珍しく非常に真剣な表で俺に言う。
「まずは買った奴隷をこの家にふさわしいように私達で教育いたします!
次に貴方が15歳になるまで、彼等への指導方法は私が一任します。
貴方は貴方のするべき事をしなさい。
以上2點よ」
(ぐっ!厳しい條件をつけてきた!
しかもそれとなく俺を15歳まで縛っている。
家を出て冒険者をやる年齢はまだ決めてなかったからここで約束すると15歳以降という事になる)
この世界に來て、約束だけは絶対に破らないと誓ったのだ。
約束したら15まで殘らなくちゃならなくなる。
冒険者になる平均年齢としては丁度いいくらいなのだが、なんというか“縛られる”というのに若干の抵抗はある。
(だが…だが、コウとメイは今しか…)
と迷っていると
「では12にしましょう。
これ以上は無理です」
と言い放った。
最初に厳しい條件を出したあとでし緩めるという単純な作戦だ。
だが分かってはいても飛びつかずにはいられない。
バーゲンとか今しか!とかに弱いレインだった。
「わかりました。レイン・デュク・ド・オリオンの名に誓って約束します!」
と約束をしてしまった。
多分あれ以上の奴隷はない。
12歳なら問題ない(と思う)。
一つ目はそんな約束をしなくてもこの家に住む以上逆らえない。
だがスクナと同じ教育なら信用に値する。
そして俺は無事コウメイ兄弟を買ったのだった。
あまりにもテンションあげすぎてお母様に抱きついてしまったのはだ。
《書籍化&コミカライズ決定!》レベルの概念がない世界で、俺だけが【全自動レベルアップ】スキルで一秒ごとに強くなる 〜今の俺にとっては、一秒前の俺でさえただのザコ〜
【書籍化&コミカライズ決定!!】 アルバート・ヴァレスタインに授けられたのは、世界唯一の【全自動レベルアップ】スキルだった―― それはなにもしなくても自動的に経験値が溜まり、超高速でレベルアップしていく最強スキルである。 だがこの世界において、レベルという概念は存在しない。當の本人はもちろん、周囲の人間にもスキル內容がわからず―― 「使い方もわからない役立たず」という理由から、外れスキル認定されるのだった。 そんなアルバートに襲いかかる、何體もの難敵たち。 だがアルバート自身には戦闘経験がないため、デコピン一発で倒れていく強敵たちを「ただのザコ」としか思えない。 そうして無自覚に無雙を繰り広げながら、なんと王女様をも助け出してしまい――? これは、のんびり気ままに生きていたらいつの間にか世界を救ってしまっていた、ひとりの若者の物語である――!
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