《異世界で始める人生改革 ~貴族編〜(公爵編→貴族編》第64話 帰還そして……
かなりあっさりと決著がついた。
正確な時間はわからないが日が顔を出す寸前だったので6時間は経っていないと思う。
「レイン様、あっさりと片が付きましたな」
とリベルトが話しかけてきた。
「あ、はい。そうですね。計畫通りに事が進みましたから當然と言えば當然ですが……」
「そうですな。流石はオリオン家次期當主。お見事です」
「ありがとうございます」
「あまり喜んではいないようですが、大丈夫ですかな?」
喜んでいないのかって?
喜んでいるさ。作戦がちゃんと上手くいって安堵と歓喜でいっぱいだ。
だけど日本人的覚だろうか。
人が死んだのに素直に表に出して喜んではいけないような気がだけだ。
「大丈夫ですよ。
ただ、まだ考えなければいけない事がありますからね
喜んでばかりは要られません」
と言っておく。
「おお!そうでした!流石です。勝ったその瞬間には次を見據えているという訳ですな」
うん。深読みありがとう。
「ありがとうございます。
第三陣をどうするか?ですね。
まさか隊を3つに分けてくるとは想定外ですよ」
予定外だ。どんだけ兵がいるんだよ。ポルネシアの総兵力と同等の兵數をそんなあっさり集めるなよ。
「輸送船200隻…でしたな。
はい。200の輸送船なら多くて3萬といったところであろう。
やれやれ、數は戦の基本とはいえ、數の暴力という言葉を思い知らされますな」
「全くの同です……。それでこれからどうするのでしょう?
こちらはそれほどやられていませんし、同じ方法でまた撃退しますか?
正直あまりお勧めはしませんが……」
電子通信機が存在しない以上、第三陣がこちらの戦い方を知っているなどと言うことは無い。だが、やはり同じ策を連続で使うのにはし躊躇してしまう。
「いえ、これ以上戦うのは無理でしょう。捕虜もかなりいますし、想定外の敵が現れた時は一旦引くのが定石です」
「そうですね。
では、コウに作戦は功とこれから撤退する事を伝えますね」
と言っても第三陣をこのまま迎え撃てと言われればそれまでなのだが……。
もちろんお父様がそんな事言うはずもなく、帰還許可とだけ返事が來た。
「帰還せよ、だそうです」
「でしょうな。捕虜も積んであった攻城機も幾つか手にりましたし予定外の敵と戦うメリットも見つかりませんからな」
「そうですね。
では、僕はもう必要ありませんから部屋に篭っていますね。
プリタリア様、お疲れ様でした」
「いえ、レイン様の方こそお疲れ様でした」
と言って自分の部屋に帰る。
もうする事が無いのだ。
帰りは霧で隠れながらの移はしない。
普通に太のあるに移、夜も天気と波の高さによるが移。
こちらのきが帝國の第一陣にバレてももう問題はない。追いかけられたらただ逃げるだけだしそもそも、敵を見つけた!よし攻撃しろ!とはならないからだ。
ただっ広い海でこちらを見つけるのがまず困難だし、こちらは翼人族による空からの監視もしている。
まず間違いなく敵の位置を知るのもこちらが先だ。
それから部屋に戻る。
「ふぅ〜、やれやれですよ」
「お疲れ様です」
と一緒に部屋に戻ったコウが話しかけてくる。
「コウ、ありがとうございます。
貴方もご苦労様でした」
「いえ、僕は何もしてませんから」
と謙遜しているコウの肩を叩き、
「お前がいてくれて本當に助かったよ」
とつい素で謝の言葉を述べてしまった。
コウはハッとした顔で固まっている。
「どうしました?」
「あ、いえ、レイン様が一瞬年上に見えましたのでビックリしました」
(年上だけどな)
「何歳に見えました?」
「え?!う〜ん……10〜…6…かな?」
「16ですか?ハッハッハッハ!!」
とつい大笑いしてしまう。
「あ、いえ、申し訳ありません!」
「いやいや、ククッ…、別に怒ってはいませんよ。それにしても16ですか。16に見えましたか。そうかそうか。すごいなコウは」
と言ってコウの髪をガシガシする。
「え?ありがとうございます」
「うんうん」
14。
前世で親友に裏切られた年。
そして自分の過ちに初めて気付いた年。
俺が前に進むのを辭めてしまった年。
「16……16ですか」
それはつまりこの6年で2年長出來たということだ。
十分だ。
わかっている。あくまでコウ基準だという事は。
それでもなんか嬉しいのだ。
それから途中帝國の哨戒船と思われる船を大きく避けながらも、特に何事もなく3日後晝頃、出港した港に著く。
港にはレインの知らない騎士団の隊長とその部隊がいた。北に行っている団長の代わりの部隊長らしい。
レインは港にいた騎士団の者達に合わず馬車に乗り込む。
捕虜などの管理は騎士団と水軍はにお任せしてさっさと王城に急ぐ事にする。
それから陸路で1日半程馬車で揺られ、日が昇る頃に王都の王城に著き、馬車の駐留場で馬車を降りる。
そこにいたのは騎士団長だった。
「レイン様、リベルト様お待ちしておりました」
と、靜かに呼ばれる。
「あれ?騎士団長?どうして此処に?」
団長は何かあった時の為に北辺りの海岸で待機していたはずだ。
「はい。報せを聞いて撤退しました」
「隨分お早いお帰りですね……」
「私も昨日帰ったばかりですよ。
さあ、王がお待ちです。こちらに」
そして団長に連れられて真っ直ぐ玉座の間に行く。
「コウは此処でお待ちを。
王様、お待たせいたしました
リベルト様、レイン様」
そう言って、ドアを開ける。
もちろんに來ているので靜かにる。
「おお!待っておったぞリベルト!レイン」
と王様が玉座から聲をかけてくる。
そしてリベルトとレインは膝を付く。
「ハハッ!お待たせ致しました王様!このリベルト、レイン殿と共に無事任務完了しました」
「そうかそうか!ご苦労だったな。
報せは空兵からけておる。
本當によくやった!!」
と喜びをわにした。
「「ありがとうございます」」
「うむ。本當にご苦労だった。これでリュミオンにも援軍を送れる。
既に準備は整えておるゆえ命令を送れば直ちに出発出來る」
とそこへ
「ロンド様がいらっしゃいました!」
とドアの前にいる騎士から聲がかかる。
「おお!丁度良かった!通せ!」
「ハッ!」
と言ってドアを開けると、鎧にを包んだロンドがいた。
「お父様!」
とついレインはつい聲をあげてロンドを呼ぶ。
「おお!レイン!無事だったか!!」
と言って小走りにレインに近づき抱擁する。
「お父様の方こそご無事で何よりです!」
「全く問題なかったぞ。そもそも戦ってすらおらんからな。お前の策のおかげだ!ワッハッハッハ!」
と無事を喜び合う。
レインたちが考えた策は、帝國の第二陣を撃退、その後、2、3日も連絡がなければ帝國側は明らかな異変に気付くだろう。
當然、第二陣に何があったか探りを強化する。
ロンドは功の報せから2日辺りを目安にポルネシアの伏兵が帝國の第二陣を撃破した報を流す。
レイン達は出港した時と違って真っ晝間に堂々と帰ってきたのだ。調べればすぐに噂は事実だと気付いただろう。
當然、目の前のポルネシア水軍は囮だと言うことも気付くがロンドは既に撤退。
陸戦に切り替えられては意味がない。
海上封鎖はあまりお勧め出來ない。
軍が海を封鎖していると聞けばまず商船は出ないし、そもそもそんな海賊行為を軍が行えば帝國本土にどれだけの赤字が出るか分からないからだ。商人の噂は千里を超えるというのは軍人でも知っている事だ。
結果、ポルネシア近海から撤退。
の予定だったのだが。
「オッホン、ロンド、気持ちはわかるがそろそろ」
と王様に気を使わせてしまったようだ。
「失禮致しました。つい嬉しくて場所も選ばず…」
「いや、それは良い。
で、報告を」
「畏まりました。予定通りこちらが撤退したすぐ後、あちらも撤退。
一応、足の速い船で追跡しましたがどうやら本當に撤退しているようですので私もこうして戻ってまいりました」
と報告する。
チラリとロンドが王様を見る。
ロンドも第3陣の話は詳しくは聞いていない。
第3陣の輸送船があれば帝國はまだ戦える事になり、第1陣が引かない可能があったのでヤキモキしていたのだ。
王様もロンドの目線に気付いたようで
「第3陣の事だな?」
「はい。私は2陣の件から學び第1陣が3陣を迎えに行き、合流したのでは?と考えておりましたが……」
「うむ。その件で皆に相談があるのだ。橫の會議室に移しよう」
そう言って王様は立ち上がり歩いてドアを開け出て行く。
(なら何故會議室に呼ばなかったのだろうか?)
そう思ってしまうレインだった。
すぐ後を追い、お父様と玉座の間を出る。
するとコウとメイがいた。
「メイ、お久しぶりですね」
「はい。お久しぶりです!」
「暫く船の上でしたが元気でやっていましたか?」
「はい。此方は特に何もなかったので。
レイン様こそお元気でしたか?」
「いや〜、まあ元気、と言えば元気だったかな〜」
と曖昧な表現になってしまう。
「ま、それはともかく此方はし長くなりそうなので先に帰っていてくださいな。お疲れでしょうし」
「いえ!お待ちしております」
そう元気に言うメイの眠そうだ。
「いや気持ちだけで十分嬉しいですよ。2人共本當にご苦労様でした」
と労う。
「「ありがとうございます」」
とだけ言ってレインは彼等に背を向けてロンドの後を追う。
そして會議室につき、全員が著席すると早速王様が口を開く。
「オッホン、では、皆が揃ったところで早速第3陣の話をさせて貰おう。騎士団長、よろしく頼む」
「畏まりました」
と言って騎士団長が立ち上がる。
その場にいる全員が耳を傾ける中こう言った。
「今から3日前、帝國の第3陣がどうやってかリュミオンの海上警備を抜け、リュミオン王國の北東部にある港を襲撃したとの事です」
「なんだと!」
とロンドがぶ。
「そして、城を落としながら南下しているそうです」
「「「は?!」」」
俺とロンドとリベルトの聲が重なった。
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