《異世界で始める人生改革 ~貴族編〜(公爵編→貴族編》第67話 フレンドリーな兄弟

結果、2時間に及ぶ説教をされた。

その後、プリムへのお手紙をしたためた。

俺は字が汚い。それはもう汚い。俺以外の人間には読めないくらい汚い。更には偶に俺でさえ読めないくらい汚い。生まれ変わってもなお治らず、リサさんの矯正により意識すれば何とか綺麗な字が書ける。

最初、1人で字の練習をしている時、お母様が俺の書いているものを見て、

「あら、よく描けてるわね。

でも絵を描く時は別のも使っていいのよ」

と言われた。

地味にショックな出來事だ。

「これ大人っぽい字に見えますかね?」

今、俺はカッコイイいけてる字を練習している最中だ。

「はい。先程から申し上げておりますが見えます」

「そうですか……。まあこれで大丈夫でしょう!よし、送りますか」

5回程書き直し傑作の1枚を書き上げる。

「では、この手紙をハーバー家に送ってください」

「畏まりました」

そして俺の手紙が運ばれ、ハーバー領へと旅立っていった。

そしてその後6日ほどかけて手紙が返って來た。

お母様に時期を報告して準備にかかる。

基本的な領の城壁の外には魔が彷徨いている。

オリオン領は魔狩りに積極的なので殆どいない。

他領にる程広い迷いの森がオリオン領の北西にあるのだが魔も殆ど出てこない。

本當にごく偶に、森の気まぐれかこの辺りにはいない、いわばレア魔が出てきて狩ってきた冒険者がお祭り騒ぎをしているのは見たことがある。

そのすぐ下に隣接するハドレ侯爵領へと繋ぐカーノ砦とカーノ渓谷がある。

出來るならカーノ渓谷を案したいところだ。

渓谷とは山に挾まれたところを言うのだが、カーノ渓谷は崖に挾まれている。ハドレ侯爵領とオリオン領を繋ぐ最短の道なので當然整備はされている。

その幅は100メートルと街道などに比べると幅があるが雨の日は崖崩れの心配から通行止だ。

両端を崖で挾まれているというのは、初めてくるとなかなか圧巻な場所なので是非とも行きたい。

と、オリオン家の名所を紙に書き出している。

業なんてもちろんないので自分で調べたり人から聞いたりした場所を書き出してコースを決める。

よし!準備は完了!

プリムが來る日が待ち遠しい。

そして數日が経ちプリムがやってくる日。

俺は辺りをウロウロしながら外を見ては

「まだか〜まだなのか〜」

と焦れている。

「まだですね」

とコウが即答する。

「うるさいね」

別に返答を求めて呟いたわけじゃない。

「まだですね?」

と何も言ってないのにメイが言ってきた。

「知ってるよ」

それは待っているやつのセリフで來ても來なくても構わないお前のセリフじゃない。

「あ!」

と突然コウが聲をあげた。

「な?!き!來たか!!」

俺は高速で外を見る。

「こんなところにゴミが」

と言ってしゃがみ、落ちていた髪のを摘み外に捨てる。

「それからしてお前の髪のだろーが!!」

コウとメイの髪のは金髪だがし茶っぽいくすみがある。

俺の髪は純金髪なので明るい所で見ればすぐわかる。

「レイン様レイン様!!」

とメイが俺の肩を叩いてきた。

「今度はなんだ?くだらない事だったらチョップするかんね?」

するとメイは鼻をフンッと鳴らし、自信満々に

「あれは僕の髪のです」

ガッ!

「アダッ!!」

「くだらない事言ったらチョップするっつたよね?」

何故あの前置きをしたのに自信満々の顔で言えんだよ。

「レイン様!今メイは兄である僕の名譽を守る為に毆られる事を覚悟の上でレイン様に進言したのです!これはくだらない事でしょうか?わたくしはそうは思いません。彼の勇敢さは讃えられるべき行です!!」

とコウが言ってきた。

「何言ってんだお前。なんでこんな時に突然やる気出してんだよ…」

よくわからない事に真剣になってんじゃないよ。

「今、メイは叩かれた事によりHPが2減りました!彼の崇高なる行いに免じて醫務室への搬送許可を!」

……。

「ヒール」

別の意味で聞き屆けてやる。

「「なん、だと……?」」

とコウメイが息を呑んだ音が聞こえた。

なんだとじゃねーよ。

いや、うん、もう何がしたいのかわかったけどね。

「「レイン様……」」

そんな悲観した顔で俺を見るな。

わかってんよ。

待つのに飽きたのね。

まだ20分しか経ってないよ?

「ハァ……。俺の部屋にあるお菓子食ってていいぞ」

「「ありがとうございます!」」

び、猛ダッシュして行ってしまった。

「なんて薄な奴らなんだ……」

スクナとアイナはリサさんと一緒に買いに行っている。

せいぜい俺を置いて行った事を叱られるがいい。

「それからしばらくして遠くに馬車が見えてきた。旗の紋章からハーバー士爵のだとすぐにわかる。付いてきている騎士は、というか騎士じゃないんじゃないか?普通の従者ってじだ。4人程がそれぞれ馬に乗っている。

そして馬車に二頭の合計6頭だな。

なるほど〜、あの馬車にプリムが乗っているんだな。

だがあんな風にこれ見よがしに旗を立てていくのはどうかと僕は思います。

盜賊とかいたらここに貴族がいますよ〜って言っているようなものじゃないですか。

それにハーバー領までの道程は魔もいるのですからもっと気を付けて頂きたい。

彼らには貴族も平民もありませんから。

そう思いませんか?」

とその場にいる人に聞く。

「は、はぁ…、そう思います」

と同意してくれる。

「それにあの従者、それ程ガッチリした格には見えませんね。

実は魔法使いとかでなければレベル30はいってないのではないでしょうか?

やれやれ、僕が前に襲われたコマンドゴブリンのような聖級以上の魔はそうそういませんが一度あった以上、萬が一がありえます。

事故とはそういうです。

もうし気を付けて頂きたい。

そうは思いませんか?」

「そう思います」

とまたしても同意してくれる。

「ですよね」

だよな。ちゃんと注意しなければ。

「あ、あの」

「え?何ですか?」

突然なんだろうか?

「お城の方にお帰りになられてはどうでしょうか?」

「え?」

今?プリムが目前にいるのに?

「お供も連れずにこのような場所まで來られては」

「お供?お供ならいるではありませんか。ほら」

と言って連れてきた1人のメイドを指差す。リサさんとは違って貴族の娘で見習いとしてオリオン家にきたの子を連れてきた。らかでやはり小さい頃から訓練をけてきただけあって素晴らしい立ち居振る舞いだ。年は16、レベルは8である。

今は、若干挙不審だが。

「いえ、そちらではなく騎士様方の方です」

「ああ、そちらですか。堅苦しいので置いてきました」

「はぁ……、いやどうやってお城を抜け出してきたのですか?」

「え?それはもちろんですよ」

別に大したことはない。

神眼で兵の位置を確認する。

んで、タイミングを見計らって裏口から抜ける。

は連れ出したのではなく、元から外を歩いていて用事から帰る途中に出くわしたのだ。

正確には此方から赴いて、連れてきた。お供を連れないとうるさいからな。

「よし、ではそろそろ城門前に行きますか」

といって“城壁”を降りる。

城門前は混んでいるので外に出て、順番待ちをしているハーバー士爵の馬車に此方から近づく。

「こんにちわ」

とお付きの従者に無難に挨拶をする。

「ん?これはこれは貴族の坊ちゃんですかな?

此方はハーバー士爵様の馬車ですが何か旦那様に用ですかな?」

といってくる。

初顔だったか。

「いえ、中にいるプリムさんの方に用があってきました」

お父さんの方はぶっちゃけどうでもいいです。

「プリム様でございますか?

申し訳ありませんがどちら様でございますでしょうか?」

「オリオン家長男、レイン・デュク・ド・オリオンと申します」

「ハッハッハ!坊ちゃん!あまり大人をからかうではありませんよ。

それと、オリオン家の長男なんて冗談でも噓をついてはいけませんよ」

注意をけてしまった。

仕方ない。

「え〜いへ〜い!!」

「「ハッ!!」」

城壁の上の時からついてきた衛兵に指示する。

「彼等を中に案してください」

「「畏まりました!」」

と言って彼等は、

「では、此方に」

と言って案する。

俺はメイドを引き連れ先にズンズンと城門の方に進んでいく。

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