《異世界で始める人生改革 ~貴族編〜(公爵編→貴族編》第69話 俺の青春 中編
次の日
非常に快活な朝を迎える。
パッと目が覚めた瞬間グワッと起き上がり、バッと橫を見て、
「オッッハーー!!リサさん!今日もその髪型!決まってますね!!」
無駄にテンションをあげてみた。
「おはようございますレイン様。
本日もお元気そうで何よりです」
冷靜に対処されてしまった。
「僕のテンションについてはノーコメントですか?」
なので、俺の方から聞いてみた。
「お元気そうで何よりですと申しましたが?」
質問を質問で返されてしまった。
「それは毎朝聞いてますよ」
「そうです。レイン様は毎日お元気ではありませんか」
そらこんな健康的な生活してたら元気にもなるよ。
毎日、3食(強制的に食べさせられる)お野菜付きに、弓と(弓だけでいいって言ったのに無理やりやらされた)剣の修行、(本を読んでいる最中、就寢時間だと取り上げられて、燈りを消され、しかも監視付きの)充分すぎる睡眠と前世では考えられない生活をしているんだからな。
「僕の今の生活に言いたい事がいろいろありますが、まあそれは置いておいて。
もっとバリエーションがしいです」
「バリエーションですか。
例えば何かありますか?」
「例えばですか?
わかりました。いきます!
れ、れ、れ、レイン様!と、と、突然どうされたのですか!?お、お、おの調子にな、なにか問題でも!!??
みたいな」
するとリサさんは真顔で返してくる。
「畏まりました。では、次からそのように起こしますね?」
「……いえ、遠慮させていただきます」
朝から渾のボケを検討されてしまった。
分かるだろうか?ボケをマジで返された時のこの気持ち。
「一度そういうリサさんを見てみたいという求と、そんなリサさんは見たくないという忌避、その相反する気持ちが僕の心に渦巻いている。
見てしまったらもう元には戻れない。だが僕は……」
「レイン様、そろそろお時間です。獨り言はそろそろお辭めになってお著替え下さい」
……。
服を著替え、朝ご飯を食べに行く。
するとそこには朝は弱いはずのプリムが既に席に著いていた。
「プリムさん、おはようございます。
お早いですね」
するとプリムも俺に挨拶を返してくる。
「おはようございますレイン様!」
咲き誇る様な笑顔である。
目が輝いている。
そんなに俺に會いたかったのか。
嬉しいかぎりだ。
そして俺もプリムの橫の席に著く。
そして食事が運ばれてくる。
すぐに橫から
「フワァーーー……」
と言う聲が聞こえてくる。
聲のした方を見ると先程の2倍くらいの咲き誇る笑顔で料理をみるプリムがいた。
料理に負けた。
し傷付いた俺はいつもよりし豪華な食事をちびちび食べる。
まあうまいんだけどさ。
俺がチビチビと食べていると橫から視線をじる。
見てみるとプリムが俺をじっと見ていた。
いや違う!プリムが見ているのは俺のお皿だ。
「食べますか?」
と言って食べてる皿をプリムの方に寄せる。
「頂きます!」
と言って俺の皿を自分の方に持っていく。
すると流石に良くないと思ったのかハーバー夫人がプリムを注意する。
「プリム!はしたないですよ!
ハーバー家として恥ずかしくない最低限のマナーは持ちなさい!」
プリムはそれでシュンとしてしまい俺の方に皿を戻してくる。
いかん!フォローしなくては!
「まあまあ、プリムさんも育ち盛りであれだけでは足りなかったのでしょう。
次からプリムさんの量は増やすように僕から料理長に伝えておきます。
それに僕から言い出したことです。
今回は僕に免じて許してあげてくださいませんか?」
するとハーバー夫人も仕方ないと言ったじで矛を収めてくれた。
「レイン様がそうおっしゃるなら……」
良かった良かった。
ですが、ハーバー家として、とか言い返されたらどうしようもなかったぜ。
そんな食事も終わり、いよいよデートである。
それから著替えて待ち合わせの場所に行く。
ずらりとフルアーマーの騎士がいた。
……。
「あの、いや、多い……」
騎士を50人もデートに連れて行くわけがない。
「戦時中ですのでこれでもない位です」
そんなこと言われても多いぜ〜。
まあプリムもいるしな。
ただ一つ問題があるな。
ちょっとちょっととリサさんを呼ぶ。
「あの、何かあった時、僕の魔法はですよね?
彼らは全員知っているんですか?」
「もちろんです。彼らは全員長らくオリオン家に仕えてきた鋭。信頼も出來ますしそこら辺は抜かりなく」
う〜む、流石に抜かりないなー。
減らせなかったか。
「流石ですね。まあ取り敢えず半分に減らしましょうか」
「いけません。でしたら今日のお出掛けはなしです」
いいじの流れで言ってもダメか。
と言う事で団行となった。
俺とプリムとリサさんとスクナとアイナは馬車に乗り込む。
コウメイは家で反省中だ。
乗り込んで暫くするとプリムが話しかけてくる。
「凄い人數の騎士様方ですね!
レイン様って本當に凄い方なのですね!」
凄い方なんですよ。
「凄い方なんですよ」
口で言ってみた。
そしたらリサさんに耳打ちされた。
「そういった事は口に出さない方がよろしいかと」
知ってる。言ってて自分でうわ〜、とか思ったし。
「わかりました」
と同意してプリムの方に向き直る。
「今のは冗談ですよ。
親の力ですので」
「それでもです!」
手をギュッと握りそう言った。
それでもですか〜。ですよね〜。
心デレデレだが、真面目な顔をキープして言った。
「ありがとうございます」
それから暫く俺が決めたルートを回る。
最初は人通りが多かったが次第になくなってきた。
大通りから離れたからだろう。
前にも言ったがこの世界には観業なんてものはない。
今から行くのは綺麗な湖なのだが、近くに村はあっても魔がらないような整備はされていないからだ。
念のため神眼は開けてあるがな。
湖に到著した。
そしたらゴブリンいた。
ナンカゴブゴブイタ。
10もいた。
合わせてゴブゴブゴブゴブゴブゴブゴブゴブゴブゴブだな。
いや本當に俺何言ってんだろうな?
俺がそんな馬鹿な事をやっている最中に騎士が即座に反応して10名程が突撃を開始する。
人數と騎馬をみて逃げ出したが、それに追いつき背中からゴブリンを攻撃し、一瞬で全滅してしまった。
俺は神眼で先に気付いたのでプリムは馬車の中に待たせて何があったかわかっていない。
「な、な、何かあったのでしょうか?」
「さあ?ちょっと聞いてみましょう。プリムさんはここにいてください」
と言って馬車から出る。
「如何されました?」
「レイン様、ゴブリンがいましたので掃討致しました」
「ですか。ご苦労様です」
そう言って前をみて、ゴブリンを倒した騎士を労おう。
「ご苦労様です」
を落としてこちらにやってきた騎士を労う。
「いえ、これくらいなんという事はありません」
「頼もしいです」
というかよく考えたら彼等は今の狀況をどう思っているんだろうか?
6歳児のデートの為に50人も呼び出されるなんて逆なら耐えられんな。
そして気付いた。
ゴブリンの死が放置されている事に。
「いや、あの、ゴブリンのごは片ずけていただかないと、プリムさんが怖がってしまいますよ」
ちゃんとそこは気を使ってしい。
「畏まりました」
と言って今度は20人程が向かっていき、馬を降りてゴブリンを片付ける。
そして片付いた所でプリムを馬車から降ろす。
するとプリムは目の前の景を見て口を大きく開けて言った。
「わぁぁぁ、すごい大きい湖ですね!」
「ですね〜」
人伝で聞いただけだったので俺も同意する。
なかなか大きくて、かつ明度の高い湖だった。
「っても大丈夫ですか?」
「あ、ちょっと待ってください」
湖の中にも魔がいる。
危ないので俺を中心に湖底から湖面ギリギリまで半徑20メートルの半円を描くように土魔法の壁を作る。
小さくズズズという音が聞こえた。
「はわわわ、何の音でしょう?」
とプリムが慌てている。
「何でもありませんよ。では行きましょう」
と言って湖にる。
「さあ、どうぞ」
と手を差し出しエスコートする。
するとプリムはし顔を赤くしてそれを握る。
「あ、ありがとうございましゅ」
噛んでる。
練習した甲斐があった。
作戦通りだぜ。
それから湖デートを終えて次に行く。
元の大通りに戻りしばらく平地を進むと砦が見えてくる。
カーノ砦だ。
オリオン家の管轄で隣國からオリオン領を守る最初の関門。
 
幅100メートルの崖に囲まれた道の終わりのオリオン領側に砦を築いている。
力をれているのが一目でわかるずっしりとした砦だ。
高さ15メートル、橫幅は當然100、縦幅はオリオン領側から弓で攻撃できるように40メートルもない。
5メートル近い門は外門と呼ばれる崖側の門と門と呼ばれるオリオン領側の門の2基ある。
外門を破っても更に門で時間稼ぎが出來るというわけだ。
前にしか空きがないから奇襲の心配もないし、幅が100メートルしかないから敵は広く展開できない。
隠れられるものは當然撤去している為降り注ぐ矢を盾で防ぎながら突撃しなければならない。
故にカーノ砦は難攻不落の砦である。
プリムと馬車の窓を開け砦を見上げる。
「いつ見ても高いな〜……」
俺はもう何度も來たが見る度におお〜と思う。
そして門を抜けると両側にそびえ立つ壁が見える。
カーノ渓谷を抜け、また大通りから逸れる。
そして最後の目的地に著く。
俺が最初に出てプリムをエスコートする。
目的のものが見えないように馬車の位置に気をつける。
そして、橫にしずれ、
「では、プリムさん、後ろを見てください」
と言ってプリムを振り返させる。
「わぁぁぁ!!!」
口を大きく開け、その景を見やる。
そこにあったのは彩りの花が咲き誇る花畑だ。
するとプリムは駆け出して花畑にいく。
俺もすぐ後について行ってプリムの橫に立つ。
プリムはしゃがんで花の匂いを嗅いでいる。
それから一緒に花飾りを作ってプレゼントし合って帰宅だ。
花畑から馬車に乗り込む瞬間、プリムが満面の笑顔で
「ありがとうございますレイン様」
と言った。
それが俺の今日1番の収穫だ。
- 連載中30 章
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