《異世界で始める人生改革 ~貴族編〜(公爵編→貴族編》第89話 警戒
俺ら味方なのに攻撃してきそうな雰囲気を醸し出したながらこちらの方向をガン見してくる。
いや正確には見えてはいないのだが……。
後ろの子供はお姉ちゃんの方が妹の方をキツく抱き締めている。
ここだけみると俺ら完全に悪者だな。
ドア開けた瞬間に斬りかかってこないだろうな?
そう考えているうちに小屋の前まで著く。
どうするんだろうかと暫く見ていると、先頭のリュミオン人が、扉を三度叩き、
「我等がリュミオンに……」
と呟いた。
すると中の侍が
「栄を」
と言った。
ああ、やっぱり合言葉決めてたんすか。
中からゆっくりと扉が開けられ、侍だけが出てくる。
俺らは後ろに待機し様子を伺う。
侍は鋭い眼でこちらを一瞥しながら、「其方の方々、もうしお下がりください」と要求してきた。
シャウネの額にビキリと怒りのマークが浮かぶ。
やべっ!
そう思ったのだが、即座にランド隊長が、「畏まりました。皆!し下がりましょう」
と號令を掛けてくれる。
ナイスフォロー、流石ランド隊長。
気が利いているな。
シャウネも貴族なのでわかっているのだろう。
額に怒りマークを付けながらも黙ってそれに従う。
それから更に俺の方を指して、
「貴方、フードを取りなさい」
と言ってきた。
「ん……え?」
え?俺?
いや、まあ……そりゃそうか。
実際に怪しいもんな。長110センチ程のフードを目深に被り更には仮面までしている。
普通に怪しい。この世界だと子供と斷定することもできない。
それは分かるのだが……。
これを外すのにはお父様の許可がいる。
勝手に俺の顔を人に見せるわけにはいかない。
ランド隊長もそれをわかっているので「それは出來ません」と斷る。
すると侍の方も
「でしたら私は貴方方を王の元にご案するわけには行きません」
と斷言する。
そんなこと言われても……。
いやご案されなくとも俺は王様ガン見しているんだけどな。
どうしようか、とランド隊長とリサしんと顔を見合わせる。
だが、シァウネの堪忍袋は殘念ながら持たなかったようだ。
「ちょっと貴!幾ら何でも失禮ではありませんの?
私達は貴方を助ける為にわざわざ兵を出しているのですわ。それに対して貴の態度には謝の言葉はまだなのかしら?」
それに対し、シャウネに負けず劣らず侍の方も、
「貴達が私達を助けるのは自國の利益の為でしょう!
それに対して謝なぞおこがましいとは思わないのですか?」
と反論してきた。
うわー痛いとこついてきたな〜。
これは痛い。
確かに俺らは自國の利益の為にやってきている。
そこをつかれたら何も言えない。
のかと思いきやシャウネは、
「だとしたら何?」
と平然と開き直って見せた。
でたー!!最強の言葉。
「だから何?」
これはキツイ。
案の定侍はウグッ!といったじで押し黙ってしまう。
その侍の態度に興気味にシャウネが更に畳み掛ける。
「貴達、私達の助けを無しにどうやってこれから生きていくのかしら?
貴達二人で王様方を護っていけるのかしら?
私達が怪しいかどうかは関係ないじゃない。
そんな事も分からないのかしら。
だとしたらだから貴達は……」
いや、シャウネさん!それ以上はマズイ!
そう思い俺が口を開こうとした瞬間、
「シャウネ!!」
ランド隊長が俺が聞いた事もないような大聲でびシャウネを止める。
それで我に帰ったシャウネさんは
「申し訳ありませんでしたわ」
とランド隊長に謝っている。
それに対し、ランド隊長は
「私ではなく彼らリュミオンの民に謝りなさい」と諭す。
「誇り高きリュミオンの方々。
前言を撤回し、先程の非禮お詫び申し上げます」
そう言って先程とは比べにならない程優雅に頭を下げる。
流石貴族。謝り方も優雅だ。
それをみたランド隊長が、
「シャウネのご無禮、大変失禮致しました。ですが、こちらのフードを被った年は我々の最重要機となっております。
オリオン総帥のご許可無しに顔をお見せするわけにはいかないのです。
ですが、こちらの方は元はハッキリとしております。
ご理解いただけると幸いです」
低姿勢からの謝罪。
すると、侍も
「こちらこそ大変失禮致しました」
そう言って一禮し、謝罪をする。
「ですが、こちらとしても顔を分からない方を王様に近付かせるわけには行きません」
俺を斷固會わせない姿勢を保つ。
だが、それについて俺はちょっと思うところがある。
「顔が見えている事がそんなに大切なのでしょうか?」
そう聞かずにはいられない。
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