《異世界で始める人生改革 ~貴族編〜(公爵編→貴族編》第117話 巻
「そ、それで、息子の病気についてなんだが……」
コルディア公爵が質問してくる。
「「……」」
因みに今はまだ食事中だ。
話の合間合間に息子の病気を治す方法について聞いて來ようとするのだ。
はやる気持ちはわかるけど貴族ならもうし落ち著きなさいよ。
「はぁ……分かった。では、早速本題にろう」
とうとう負けしたお父様が溜息を吐く。
「ほ、本當か!よし!お前達、出て行きなさい!」
「「「畏まりました」」」
給仕をしていた者達がコルディア公爵の呼びかけに一斉に応じて、さっと部屋を出ていく。
「さぁ教えてくれ!さぁ!さぁ!!」
立ち上がり、機から乗り出したコルディア公爵がお父様に迫る。
お父様がちらりと俺を見る。
だが、俺は目を閉じたまま何も言わない。
これはもちろん眠っているわけではなく、神眼で周りを見ているのだ。
そして、どこにも間者や覗いている人間がいないことを確認すると、目を開き、黙る。
お父様にはこれで十分だ。
俺の合図に気づいたお父様は、コルディア公爵に向き直り、
「これは、私がこの前の戦爭で手にれた戦利品の一つだ」
そう言って懐から一つの巻を取り出す。
「そ、それは?」
「魔の巻については當然知っているな?」
「あ、ああもちろんだとも」
巻、とはこの世界の各地にあるダンジョンで稀に取れるもので、その中には一つだけ魔法が封じられている。
どんな強力な魔法でもMPを使うことなく使用することができ、呪文を唱える必要もないから、即使用可能という素晴らしい品だ。
だがしかし、これらは一度使ってしまうと消えてしまう。
それに便利なだけあって需要は多いのだが、供給量には限りがある。
それ故、一つ一つが非常に高価な代だった。
「中に封じられている魔法は水レベル9魔法『オールヒール』」
「オ、オールヒール!?そ、それって國寶級の代なんじゃ……」
「もちろんそうだ。本來ならば陛下に獻上すべきだと思ったのだが、今回は特別にお前に回そうと思ってな」
「そ、それは……法に定められてはいないが……」
戦場で手にったものは手にれた人間のである。
基本的に國寶級の代は報告をし、それ相応の対価で國が買い取るという『慣例』はあるものの、法によって定められた『義務』ではない。
「慣例は所詮慣例。困っている者が使うべきだと思ってな」
因みに、もちろんレベル9魔法が封じられた巻というのは噓である。
今更ではあるが、俺の能力はなのだ。
というかレベル9の水魔法が八歳で使えるとか信じてもらえるとは思えない。
そんなことはつゆ知らず、コルディア公爵はお父様の親切心を素直にけ取り、涙ながらに喜んでいた。
「謝する。ロンド」
「構わないさ。私とお前の仲ではないか」
(へー、結構仲のいい友人だったんだー)
などと俺が心で心していたのもつかの間、コルディア公爵が昔のお父様との関係を口にする。
「授業に來ないロンド達のためにノートをとってあげただけの仲の私にそこまで……」
「「……」」
(それは友達とは言わないんじゃないか?)
俺はじっとりとした視線でお父様を見る。
お父様も、そういえばそうだった、みたいな顔をしてんじゃないよ。
そんなものは友達でもなんともない。
単なるクラスメイトである。
「と、とにかくだ。これでお前の息子を治そう」
「分かった!早速部屋に 案しよう!」
コルディア公爵は先程までの鬱な表からは想像ができないほどハキハキと歩き出し、ドアを出て行った。
「お父様……」
「レイン、何も言うな。若かりし頃の至りだ」
コルディア公爵……。
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