《一兵士では終わらない異世界ライフ》卒舎の試験
〈トーラの町・街道〉
ザワザワ……ザワザワと町の人々は領主邸より続いている大通りを歩く集団を見て、めき立っていた。
集団の先頭に立つのは、男にしては長めな黒髪をしているが……それでも々しさというものはなく、むしろ威厳をじさせる風格がある。その男、ギルダブ・セインバースト……『剣聖』と呼ばれる剣の達人級マスターであり、ここトーラの町一帯を領地に持つ領主だ。
その男の隣には、とても綺麗な金髪を腰にまでばしたしいが歩いている。その、アリステリア・ノルス・イガーラといい、公爵令嬢である。
そして、その後ろを追従する六人の集団は『花に集う戦乙ワルキューレ』と呼ばれる、アリステリアの護衛騎士だ。その護衛騎士達の先頭を歩くのが、『花に集う戦乙ワルキューレ』の隊長であるアフィリア・フォンマター……亜麻の髪を背の中程までにばし、その髪をひと束三つ編みで結っている。真紅の瞳は鋭く、まさに戦乙……。
と、そのアフィリアの後ろを歩く騎士達はこんなことをボヤいた。
「なーんでアタシ達がガキのお守りなんてしないとなんないのよー」
「……」
アフィリアはそう言った騎士の失言を咎めようと口を開きかけたが、事実彼も本音ではそう思っていた。どうしてアリステリアの護衛騎士である我々『花に集う戦乙ワルキューレ』が學生の試験で……しかも、六対一の試合などをしなければならないのか……アフィリアはそれが不満だった。
一対一ならば分かる。だが、まさかの多対一だ。納得しろという方が無理な話だ。
彼達はアリステリアの護衛として高いプライドがある。何の説明もなしに、昨日突然護衛対象であるアリステリアから、「この方と試合をしていただきます」と命じられたのだ。命令だからと割り切っていたが、それでもプライドが傷つくような試合をしろとはどういうことか……アフィリアは説明がしかった。
そんな不満たらたらなアフィリアの顔を橫目で見たアリステリアは、困ったような笑みを浮かべて言った。
「……不満ですか?」
「……いいえと言ったら噓になります」
「正直ですわね」
アリステリアはまあ仕方がないと思いつつ、続けた。
「しかし、きっと今回の試合は貴達にとって良い経験となると思いますわ」
「そこまで……なのですか?そのグレーシュ・エスォンスという人は」
訊かれて、アリステリアは顎に指先を當てて逡巡する仕草をとってから答えた。
「さあ……どうなのでしょう?」
「ど、どうなのでしょうって……」
アフィリアは呆気にとられるしかなかったが、アリステリアの方は実に楽しそうだ。
「楽しみですわね!ギル……」
そう言いながら、手を後ろに組んで隣を歩くギルダブの稱を呼んだ。ギルダブはチラッと視線だけアリステリアに向けると、ふっと笑って再び視線を前に戻した。
アフィリアはそんな二人を後ろから眺め、溜息を一つ零した。
グレーシュ・エスォンス……どのような人かは知らないが、アリステリアやギルダブが評価するような人間だ。だから、アフィリアは一途の期待をに、トーラ學舎を目指した。
〈グレーシュ・エスォンス〉
妙なことになったなぁ……と、俺は闘技場の控え室のソファの上に仰向けになって溜息を吐いきつつ、そんなことを思った。
俺が昨日帰ってきてから進んでいたらしい卒舎の試験容は『花に集う戦乙ワルキューレ』に加えて、エドワード先生とギシリス先生……計八人を相手にする試合形式の実戦試験だ。
しかも、俺が今日顔を見せにくることを見越して既に準備しているとはさすがの手腕ですよねぇ……エドワード先生は。
まあ……非公式の試合で闘技場は開いてないからしかいない闘いになるわけだ。観客がいないなら、無用な心配もいらないだろう。ある程度・・・・なら本気が出せそうだ。
………………なんだかなぁ。この五年で自分で言うのも何だが、しの気が多くなった気がする。嫌だわぁ……の気の多い男ってモテないらしいし。
俺がそんなふざけた思考に耽っていると、控え室の扉が徐に開かれて、仰向けに寢ながらも視線だけ出り口へ向けた。
「あ!ギシリス先生!」
俺は向けた視線の先にいたのがギシリス先生だと分かって、直ぐに起き上がってパタパタと近寄った。
「うむ……久しいな」
「はい!先生は……お変わりないようで何よりです!」
ギシリス先生は相変わらずフサフサな耳と尾をお持ちで、健康的な褐はいつ見てもすぃ。しいのではない……すぃのだ。
どうでもいいな……。
「お前は大きくなったな」
「はい!五年も経ちましたから」
「そうだな……」
ギシリス先生は頷きながら、ゆっくりと俺に近づいてきて優しく肩をポンポンと叩いた。先生ーこういう時はー的な抱擁?とかがーテンプレだとー思うんすよぉー。
俺が殘念な気分になっているところで、ギシリス先生はし嬉しそうに笑って言った。
「ほぉ……も隨分としっかりしているな。全く幹がブレていない……頑張ったのだな」
「ギシリス先生……」
よし……このままギシリス先生に抱きついても流れ的に問題ないよね?いいよね?でゅふ……。
いや、アカンやろ。
俺は自重して、頭をブンブン橫に振ってからギシリス先生に向き直った。
「まあ、僕の長は試合の中でしっかりとお見せしますから」
「うむ……八対一か。大きく出たものだな。楽しみにしているぞ」
「はい!」
それだけ言って、ギシリス先生は控え室を後にした。五年ぶりに再會したのに隨分と呆気ない……が、ギシリス先生はもともと言葉で語るタイプの人ではない。彼は己の剣で語る熱い人だからな……そんなギシリス先生の熱い剣に負けないように俺も頑張らないとな。
それから暫くして、準備が整ったというエドワード先生の連絡をけた俺は舞臺に上がった。
※
舞臺に上がった俺は、まず目の前に立つ集団を目にして目ん玉を飛び出させた。
「うがぁぁあ!」
文字通り、本當に目ん玉が飛び出しそうになって神経が悲鳴を上げ、俺も悲鳴を上げた。危ない危ない……これも敵の作戦か……引っかかるところだったよ。マジ。
視線を上げて、観客席の方を見るとVIP席に懐かしいギルダブ先輩とアリステリア様が並んで座っていらっしゃる。本當に仲がよろしい……と、アリステリア様が手を振ってくれたので俺も振り返したら集団に、凄い剣幕で睨まれた。
ふえぇぇ……怖いよぉ〜。
「ふ……まさか當日になって八対一になっているとはな……嘗められたものだ」
と、『花に集う戦乙ワルキューレ』の一人がそう言った。
いやぁ〜俺も出來れば舐めたいんだけどねぇ。ぺろぺろと……そして、「あ、アマァイィ!」とかってんじゃう。
よし、自重しようか!
「アタシ達を愚弄したことを後悔させてやる!」
ひえぇぇ……と、ギシリス先生とエドワード先生に目を向けると二人は既に戦闘態勢だ。
いつでも來いってわけか……。
『花に集う戦乙ワルキューレ』の達も、剣を抜いて構えをとった。
俺はそんな八人を相手に素手・・で構えた。その瞬間、またまたさん方がギャーギャー騒ぎ出した。
「す、素手だと!どこまで私達を馬鹿にすればっ」
と、そのが言いかけたところで『花に集う戦乙ワルキューレ』の人の中でも特に強そうな、亜麻の髪をしたがそれを遮って言った。
「油斷するな……の使い手かもしれない」
その意見にハッとなったようだが、俺のことを知っているギシリス先生とエドワード先生は訝しげな視線を送ってくる。
まあ……なんでもいいさ。まずは小手調と行かせてもらおうかな……俺がどれだけ強くなったのかのね。
俺は挑発するために、ちょいちょいと手招きした。すると単細胞なのか、集団が躍起になって突っ込んできた。短絡的だ……しかし、踏み込みは鋭く早い。一気に間合いを詰められた。
俺は意識を切り替えて、戦闘モードへ移行する。視點が一人稱だったものから三人稱へと切り替わり、視界がオープンになる。
右左と……前後を達が囲み、俺の視線を撹するためにきながら攻撃の隙を伺っているようだ。
「速い……」
思わず俺は舌を巻いた。連攜もさることながら、きは軽やかで蝶が舞うが如しだ。個々の力も総じてレベルが高いことが見けられる。挑発したとしても、簡単に突っ込んではきてくれないみたいだ。
俺は油斷なく構え、『花に集う戦乙ワルキューレ』が仕掛けるのを待ち……一人が背後から襲いかかってきた気配をじた俺は、振り向きざまに足を大きくスイングさせて回し蹴りを放った。
完璧な反応とタイミングだったが、『花に集う戦乙ワルキューレ』の騎士も素晴らしい反応速度で、上を反らしてスレスレで俺の蹴りを躱した。
回し蹴りのモーションの終點の俺へと他の騎士達が鋭い剣を四方から浴びせかけてくる。なるほど……攻撃の終わりを狙っていたのか。まんまと引っかかってしまったが、なぁに……大したことはない。
俺は大きくスイングしていた右足を止めずに、勢いそのままにまずは一人の剣を上から叩き落とし、支えの足を曲げて重心を落として地面に手をつき逆立つと、足を開腳させて地面についた手を起點にを回す……開腳した足が四方から襲いかかってきた騎士達を薙ぎ払っていく。
初級イージー風屬技【嵐腳】……風邪を纏って回転する俺を中心に突風が巻き起こる。
「くぅ……」
それで騎士達は、後退を余儀なくされて後ろに飛び退き、俺から距離を取った。
「よっと……」
俺は逆立ちの姿勢から戻ってから手を払い、目の前にいる騎士達と先生二人を見據えてボヤいた。
「なるほどー……さすがにギルダブ先輩が教えているだけあって良いきをしますね。連攜もさることながら、個々の力も高い……しかし、この中で俺と真面に戦えるのはそこの亜麻の髪の騎士さんと先生くらいですかね」
またもや挑発気味に言った俺に対して、『花に集う戦乙ワルキューレ』達は憤怒した。あら……ごめんあそばせ?
「エドワード……見たか」
「うむ……まさかとは」
何やら後ろの方でギシリス先生とエドワード先生が話し始めたな……要注意かね。俺の中でもはや『花に集う戦乙ワルキューレ』が記憶の隅に追いやられそうになった時、先ほどの亜麻の髪の騎士が前に躍り出てきて言った。
「我が名はアフィリア・フォンマターだ。我々がここまで侮辱されたのは初めてだ……」
そうですか……そりゃあ今までされなかっただろうな。ギルダブ先輩から剣を教えられ、アリステリア様の護衛なんだから……でもな、あんたらはし固すぎるよ。お高くとまってるだけじゃ、アリステリア様の護衛なんざ務まらないぜ?
俺はそれを口にこそ出さなかったが、表だけで表し、それを読み取ったアフィリアという騎士はやる気になったのか鋭い視線で俺を抜き、剣を構えた。他の騎士も同様に剣を構えた。
さっきまではお互いにウォーミングアップ……互いに互いの力をある程度測るための茶番だ。
ここからは俺もギアを上げていく……そうして俺は手を前に突き出してから魔力保有領域ゲートを解放した。
「【錬】」
俺が使うのは錬だ。これもこの五年で學んできた技である。
俺の命令に従い、魔力が地面へと流れていって、唯の土塊から質な真っ黒の剣を作り出した。
そいつが地面から飛び出してきたのと同時に柄を摑んで決めポーズ……決まった。最高にかっくうぃいぜ……。
「よぉし……」
俺は超合金製の片手剣を右手に握り、計八名と向き合う……ちょっと挑発し過ぎたかな?殺気をじるよぉ……ふえぇぇ。
「……しっ!!」
俺が構えて暫くして、一人が剣を振って突っ込んできた。やっぱり速い……しかし、その程度ならけ流せる。
俺は軽いじで構えて、突っ込んできた騎士の攻撃を全てけ流す。速さもあるが重みもあって、けていてはやられてしまうかもしれない。
そうやって俺が一人の相手をしているところに左右から二人が挾撃してくる気配をじ取り、一度後ろに回避する。だが、後ろからもくる気配をじたので振り向きざまに柄の先で脇腹を強打した。
「がはっ……」
騎士の一人はその一撃で沈黙……まずは一人。
「くっ……上級ハード闇屬剣技【ネガブレイク】!やあぁぁぁ!!」
先ほど、正面から攻めてきた騎士が仲間をやられて焦ったのか剣技を使って再び突っ込んできた。
あらら……。
「バカッ!よせ!」
アフィリアの怒號が轟くが、剣技というのは途中で止めることが出來ない。それが剣技の弱點でもあり、これにカウンターを喰らってしまえば致命的だ。
だからこそ、剣技や技といった類いの技はここぞという時以外に使うと痛い目に遭う。
俺は【ネガブレイク】を放ってきた騎士の攻撃をヒラリと躱し、すれ違い様に再び柄の先で腹部を強打して気絶させた。
「はい、二人目……おほほ〜」 
俺は余裕こいて高笑いしてみたのだが、騎士達の顔が真剣そのものになっていて全然けなかった。悲しい……。
仕方ない……おふざけはここまでだ。こっからは真面目にやるぞ……。
殘り六人。
次はギシリス先生が突っ込んできて、俺との鍔迫り合いに持ち込んでくる。ギシリス先生はとはいえ獣人……力では殘念ながら人間である俺は敵わない。だからこそ、【ブースト】のドーピングが必要だが、敢えて使わずにギシリス先生の力を利用してバランスを崩した。
「はっ!」
「……っ!」
バランスが崩れたところを狙って剣を振り下ろしたが、さすがはギシリス先生といったところで、直ぐに勢を立て直すとギリギリで俺の剣を躱して、直ぐに反撃してきた。
剣を振り下ろしている俺には防げない上半への攻撃……俺は上を屈めて避けて、上を起こす勢いで右腕に力を込めて斜めに斬り上げた。
風鳴りが鼓を震わせ、ギシリス先生のを僅かばかり掠る……上を反らして避けられたようだ。そこからギシリス先生は、反らしたを前に持って行って前傾になり、両手で握る剣をズバンッと鋭い踏み込みとともに放ってきた。
常人の反応速度では到底反応し得ない速度だったが、俺には見えていたし反応出來た。
ギシリス先生の放った攻撃を半になってギリギリで躱し、迫する距離で剣を振るった。
しかし、俺の振るった剣はギシリス先生が引き戻した剣で遮られ、そのまま激しい打ち込み合いとなった。
アカン……ギシリス先生の相手をするので手一杯だな……ここでエドワード先生の援護がると非常にまずいですわね!
あ、これフラグ建築しちゃってね?
案の定、エドワード先生が詠唱して放った中級ノーマル氷屬魔【アイススピア】……氷の槍が幾つも俺に向かって飛來してきた。
ギシリス先生は俺を最後まで引き付けてから離れ、殘された俺は【アイススピア】の迎撃のために剣を振るった。
「はっ!」
短い気合いの後に、次々に飛んでくる氷の槍を剣の腹でるようにしてけ流していく。この程度の弾幕なんざ慣れたものだ。某幻想シューティングに比べたら甘い甘い!
氷の槍を全てけ切った後、間髪れずに『花に集う戦乙ワルキューレ』が背後から襲ってきたのをじた。俺は大きく跳躍し、宙返りしながら背後にいた騎士のさらに背後へ著地し、首筋に手刀を打ち込んで気絶させる。
これで三人……。
「グレーシュは相手の位置を正確に察知する能力がある。迂闊に死角に回って攻撃するのは控えた方がいい」
ギシリス先生は俺に鋭い視線を向けたまま、『花に集う戦乙ワルキューレ』の殘りに言った。ありゃーバラされちゃった。あのまま背後を……死角を狙われていれば、そのまま全員倒せたのに。
「……エーデルバイカ殿」
と、アフィリアは俺に剣先を向けながら隣に立つギシリス先生の名前を呼んだ。
「どうした」
ギシリス先生は目線だけアフィリアに向けて、依然として俺への警戒は怠っていない。むぅ……隙がない。
「この試合……『花に集う戦乙ワルキューレ』として勝利して同然だと……そう思っていた。しかし、我々は既に半分がやられてしまった……あの男一人に。ここからは我らの誇りを賭けて本気を出すが……宜しいか?」
アフィリアの瞳の中にが宿り、空気が変わったのを俺はじた。ギシリス先生もそれに気が付き、目線を俺に戻してから頷いた。
アフィリアはそれを確認すると、深く腰を落としてんだ。
「固有剣技……【剎那】」
その瞬間、俺の視界からアフィリアが消え、代わりに気配が直ぐ近くにまで來ていることを確認し、反的に気配のした方向に剣を構えてアフィリアの攻撃を防いだ。
なんだ今のはっ……!
アフィリアと鍔迫り合いになり、強引に押し込もうとするが、さすがに剣の練級エキスパートだ。足腰がしっかりしていて、力押しが出來ない。
アフィリアは俺を引き付けている間に、殘った騎士達に命令を下す。
「全員……【剎那】の使用を許可する。この男を本気で叩くぞ」
おっと……目がマジだ。ついに本気にさせてしまったようだな。
今まで簡単にやれていたのは相手が俺のことを格下だと決め付けていたおだ。しかし、今はそんな侮りはなくした『花に集う戦乙ワルキューレ』は、本來の力をフルに使ってくる……本気で來る前にもうし減らして置きたかったんだけどねぇ……。
俺は前後左右を高速移する騎士達について行けず、一度目の前のアフィリアと間合いを取る為に飛び退いた。
あの【剎那】という剣技……一瞬で加速して敵との間合いを詰めるのか。恐らくはギルダブ先輩の固有剣技……厄介なことこの上ないな。
本気になった彼達を剣で相手にするには骨が折れる……そろそろ俺も本気を出そう。
俺は前後左右を駆け回る『花に集う戦乙ワルキューレ』が斬りかかってくる前にことを済ませるために、迅速に行を開始した。 
「【錬】」
俺は魔力保有領域ゲートを解放して、黒い剣を別のものに作り変える……作り出すは弓……そして矢と矢筒だ。
俺は數秒の間に全ての準備を整えて、弓を構えた。
「弓だと……?この速さの我ら當たるはずがない!」
騎士の一人が駆け回りながら言った。さて……それはどうかな?
俺は黒い弓に黒い矢を番え、高速で俺に迫る一人の頭の橫スレスレを狙って放った。
「えっ……」
俺の放った矢は、狙い通りに頭の直ぐ近くを通り過ぎると、矢が通り過ぎた衝撃だけで騎士は気絶してしまった。
これで四人……。
「このっ!」
またもや【剎那】という剣技でもう一人が突っ込んできたので、俺はそれを躱して通り過ぎていく騎士の首っこを摑んで地に叩きつけた。
これで五人だな。
俺は弓を構えながら、殘った三人に向けて言った。
「さぁて……あと三人ですね」
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【書籍版①発売中&②は6/25発売予定】【第8回オーバーラップ文庫大賞『銀賞』受賞】 夜で固定された世界。 陽光で魔力を生み出す人類は、宵闇で魔力を生み出す魔族との戦爭に敗北。 人類の生き殘りは城塞都市を建造し、そこに逃げ込んだ。 それからどれだけの時が流れたろう。 人工太陽によって魔力を生み出すことも出來ない人間は、壁の外に追放される時代。 ヤクモは五歳の時に放り出された。本來であれば、魔物に食われて終わり。 だが、ヤクモはそれから十年間も生き延びた。 自分を兄と慕う少女と共に戦い続けたヤクモに、ある日チャンスが降ってくる。 都市內で年に一度行われる大會に參加しないかという誘い。 優勝すれば、都市內で暮らせる。 兄妹は迷わず參加を決めた。自らの力で、幸福を摑もうと。 ※最高順位【アクション】日間1位、週間2位、月間3位※ ※カクヨムにも掲載※
8 193【本編完結済】 拝啓勇者様。幼女に転生したので、もう國には戻れません! ~伝説の魔女は二度目の人生でも最強でした~ 【書籍発売中&コミカライズ企畫進行中】
【本編完結済】 2022年4月5日 ぶんか社BKブックスより書籍第1巻が発売になりました。続けて第2巻も9月5日に発売予定です。 また、コミカライズ企畫も進行中。 これもひとえに皆様の応援のおかげです。本當にありがとうございました。 低身長金髪ロリ魔女が暴れまくる成り上がりの物語。 元チート級魔女の生き殘りを賭けた戦いの記録。 212歳の最強魔女アニエスは、魔王討伐の最終決戦で深手を負って死にかける。 仲間を逃がすために自ら犠牲になったアニエスは転生魔法によって生き返りを図るが、なぜか転生先は三歳の幼女だった!? これまで魔法と王國のためだけに己の人生を捧げて來た、元最強魔女が歩む第二の人生とは。 見た目は幼女、中身は212歳。 ロリババアな魔女をめぐる様々な出來事と策略、陰謀、そして周囲の人間たちの思惑を描いていきます。 第一部「幼女期編」完結しました。 150話までお付き合いいただき、ありがとうございました。 第二部「少女期編」始まりました。 低身長童顔ロリ細身巨乳金髪ドリル縦ロールにクラスチェンジした、老害リタの橫暴ぶりを引き続きお楽しみください。 2021年9月28日 特集ページ「今日の一冊」に掲載されました。 書籍化&コミカライズ決まりました。 これもひとえに皆様の応援のおかげです。ありがとうございました。 2022年2月17日 書籍化に伴いまして、タイトルを変更しました。 舊タイトルは「ロリババアと愉快な仲間たち ――転生したら幼女だった!? 老害ロリ魔女無雙で生き殘る!! ぬぉー!!」です。 2022年2月23日 本編完結しました。 長らくのお付き合いに感謝いたします。ありがとうございました。 900萬PVありがとうございました。こうして書き続けられるのも、読者の皆様のおかげです。 この作品は「カクヨム」「ハーメルン」にも投稿しています。 ※本作品は「黒井ちくわ」の著作物であり、無斷転載、複製、改変等は禁止します。
8 112【書籍化】初戀の人との晴れの日に令嬢は裏切りを知る〜拗らせ公爵は愛を乞う〜
一人目の婚約者から婚約破棄され、もう結婚はできないであろうと思っていた所に幼い頃から憧れていた王國騎士団団長であるレオン=レグルス公爵に求婚されたティツィアーノ(ティツィ)=サルヴィリオ。 しかし、レオン=レグルス公爵との結婚式當日、彼に戀人がいる事を聞いてしまう。 更に、この結婚自體が、「お前のような戦で剣を振り回すような野猿と結婚などしたくない。」と、その他諸々の暴言と言いがかりをつけ、婚約破棄を言い渡して來た元婚約者のアントニオ皇子の工作による物だった事を知る。 この結婚に愛がないことを知ったティツィアーノはある行動に出た。 國境を守るサルヴィリオ辺境伯の娘として、幼い頃からダンスや刺繍などではなく剣を持って育った、令嬢らしからぬ令嬢と、戀をしたことのないハイスペック公爵の勘違いが勘違いを呼び、誤解とすれ違いで空回りする両片思いのドタバタラブコメディです。 ※ティツィアーノと、レオン視點で物語が進んでいきます。 ※ざまぁはおまけ程度ですので、ご了承ください。 ✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎ 8/7、8/8 日間ランキング(異世界戀愛)にて5位と表紙入りすることが出來ました。 読んでいただいた皆様に本當に感謝です。 ✳︎✳︎✳︎ 『書籍化』が決まりました。 ひとえに読んでくださった皆様、応援してくださった皆様のおかげです! ありがとうございます! 詳しい情報はまた後日お伝えできるようになったら掲載致します!! 本當にありがとうございました…
8 190Skill・Chain Online 《スキル・チェイン オンライン》
Skill Chain Online(スキルチェイン・オンライン)『世界初のVRMMORPG遂に登場』 2123年、FD(フルダイブ)を可能にするVRギアが開発されてからニ年。 物語の様な世界に期待し、いつか來ると思い続けてきた日本のゲーマー達は、そのニュースを見た瞬間に震撼した。 主人公・テルもその一人だった。 さらにそこから、ゲリラで開催された僅か千人であるβテストの募集を、瞬殺されながらもなんとかその資格を勝ち取ったテルは、早速テスターとしてゲームに參加し、すぐにその魅力にはまってしまう。 體験したSCOの世界はあまりにも、今までの『殘念ソフト』と言われていたVRゲームと比べて、全てにおいて一線を害していたのだ。 來る日も來る日もβテスターとしてSCOの世界にログインする。 SCOの正式オープンを向かえていよいよゲームが始まるその日。SCO専用の付屬部品を頭のVRギアに取り付けて仮想世界へとログインした。 ログインしてすぐ、始まりの街で言い渡されるデスゲーム開始の合図。 SCOを購入する際についてきた付屬部品は解除不可能の小型爆弾だったのだ。 『ルールは簡単! このゲームをクリアすること!』 初回販売を手に入れた、主人公を含む約千人のβテスターと約九千人の非βテスター約一萬人のゲーマー達は、その日、デスゲームに囚われたのだった。
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