《一兵士では終わらない異世界ライフ》地上全ての正義なり
ノーラントのびに応じ、『正義の國』は顕現する。
黃金の都は土塊から生まれ出で、巨大な黃金の城は遙か上空までその背をばして全てを見下ろし、見守り、監視し、裁く。その城へ続く直線の通りにて、ノーラントはこれまた黃金の鎧にを包み、さらには黃金の剣を杖のように地面へ突き立て佇む。
黃金の都、正義の國……これぞノーラントが全てを守り、全てを払うために顕現させた【地上全ての正義ノムル・マンドゥルク】である。
黒い人間擬きは黃金の都……ノーラントが佇む通りに立ち、今まさにエリリーを庇うように立つノーラントをその魔の手に掛けようと一歩一歩、徐々に近づく。だが、その手がノーラントへれる前に……この正義の國に変化が訪れた。
黃金の都は時が経つにつれ、その輝かしさを増し行く。黃金から発せられるが、まさに正義の喝采が、萬雷の拍手がノーラントに降り注ぐように、賞賛が送られるように、神々しい黃金の輝きの全てがノーラントが突き立てる黃金の剣へと集まって行く。
ノーラントはその剣を右手に握り、天に掲げる。そうすると、さらにが収束する速度が激しくなる。まるで臺風の目のように、中心へ向かって集まる。中心に立つノーラントは、高らかにんだ。
「【正義の化たる劔レーヴァテイン】!」
ノーラントは天に掲げた黃金の剣を振り下ろす。収束していたが、黃金の輝きの本流がエネルギーの束という束となってこの世の悪とも言える黒い人間を消滅させる。この世から、一片のカケラも存在も。
ズガーンッという音が轟き、ノーラントが剣を振るった直線上の全てが消え去っていた。それと同時に、いつのまにかノーラントが顕現させていた黃金の都は消失し、その場に殘っていたのはノーラントとエリリー……それに、全を黃金のに包まれたバートゥのみだった。
剣の一振りで消失した部分は限りなく遠く、目に見えるずっと先までの広大な大地が抉れて消えてしまっていた。
ノーラントは力を使いすぎたか、それで力なく倒れ臥す。そんなノーラントをエリリーが抱き留めた。その景を呆然と見ていたシャルラッハは、斷頭聖母がの合わせてとなって消えてから呟くように言った。
「…………伝説持ちじゃったのか」
シャルラッハの思わず呟いた聲に反応する者は、誰一人としていない。みながみな、一様にして目の前の現実離れした……否、日夜現実離れした戦闘をしている非現実的な彼たちから見て――非現実離れした慘狀に、誰も口がかなかったからだ。
「あぁ……この私、わたワタわたしワタシ私がっ消えるぅうぅぅ……きひ、きひひひひ……きぃ……ぃ」
不死を現し、死の化となった男……バートゥ・リベリエイジはノーラントの正義の下に消滅した。今度こそ、完なきまで、この世の果てまで、圧倒的に、一片の塵も無く……バートゥ・リベリエイジは死んだ。
☆☆☆
『伝説』
そう彼らが呼ばれるには所以がある。勿論、それは尋常ならざる逸話を殘したかどうかということだ。だが、伝説のなるにはまだ必要ないものがある。逸話程度・・ならば、そこらの達人でも作れる。
伝説が真に伝説たる所以……それは伝説の在り方に癒著している。伝説はなろうと思ってなるものでもなく、なりたいと思ってなれるものでもなく、かの稱號は生また時からなるべくしてなる存在なのだ。
伝説となるべき者の深層意識の中には伝説となるための資格……『伝説』を持つ。それは伝説という階級にいる彼らにしか分からないもので、その伝説たるベルリガウスとシャルラッハ曰く……今は失われし神話エンシェント級の魔だという。それが彼らが持つ『伝説』という切り札。『伝説』は彼らの力、能力そのものの化のようなものなのである。
バートゥ・リベリエイジの『伝説』は【腐と骸の皿ヴァイス・ディカルゴ】だ。あれはバートゥの不死の能力を現した化とも呼ぶべき魔だ。あれこそが伝説が伝説たる所以……『伝説』である。
そして此度の戦いにて、ノーラント・アークエイは『伝説』を持っていることを示した。それは即ち、ノーラント・アークエイが伝説となる資格を持っているということである。
エリリー・スカラペジュムはグレーシュ・エフォンスの隣のベッドで橫たわるノーラント・アークエイの橫に座り、その頭を優しくでる。
結局、エキドナはグレーシュのから離れて獨立したようだ。グレーシュのの安全も大事だが、今は皆グレーシュをどうこうしようとする雰囲気でもないし、なによりも今は伝説となる資格を持つノーラントにご執心らしい。先程、エリリーがノーラントの看病をするために部屋を訪れるまでエキドナは、ノーラントのを弄るようにその足の手を蠢かせていたのだ。
「ノーラ……」
エリリーは深い眠りにつくノーラの名をらかな聲音で呼ぶ……そして、反応がないと見るや自分の手をノーラントの頬へ添える。
エリリーはさらにそのまま自の顔を近づけて……流れるように頬へ添えた手をエリリーはノーラントの首へ運び、その首を絞めた。
「きひひ……きひひひひひ」
エリリーはノーラントの首を絞めつけながら、そんな奇怪な聲で笑う。嗤う。そしてその嗤う聲は、バートゥ以外にあり得ない。その嗤い方はバートゥ以外にあり得ない。
ノーラントに完なきまでに消されたのは確かだった。だが、足りなかった。たしかにバートゥは既に亡き者であるにしても、今の彼は殘留怨念……いわば恨みや妬みなどの悪がそのまま現化したような存在。詰まる所、ノーラントだけでも道連れにしてやるという、バートゥ・リベリエイジの意地のようなものだった。
ギギと絞めつけが強くなる。眠るノーラントの表はどこまでも安らかで、苦しそうな雰囲気もない。やがて、バートゥが乗っ取ったエリリーので本気で力を込めた時……スッとノーラントの首を絞めるエリリーの手を橫から誰かの手が摑み上げ、絞めていた手を解いた。
「きひ?」
と、バートゥはその手を辿って見ると……ベッドから上半だけ起き上がらせたグレーシュ・エフォンスがその手を摑んでいた。
グレーシュは呆れた目でバートゥを見つめながら、スッと口を開く。
「しつこいのも時には徳だがな……アンタのはし見苦しい。これ以上、俺の馴染に悲しい想いをさせてみろ。死を超越したアンタでも後悔する目に遭わせてやる」
☆☆☆
「……あ……れ?」
ふと、エリリー・スカラペジュムは目を覚ました。パッと顔を上げると、すぐ目の前には橫たわるノーラントとグレーシュの姿が見えた。どうやらノーラントの看病をしている間にベッドに突っ伏して眠ってしまっていたらしい。
エリリーは窓から差し込む日のをけ、夜が明けたようだと微笑む。し悪い夢を見ていた気分だが、何となく……グレーシュに助けられた気がしていた。勿論、グレーシュは現在昏睡狀態でそんなことあり得ないのだが……仄かに手に殘るグレーシュの暖かさは本だとじたからだ。
馴染にして、目標……今は遙かに彼方に置いてきてしまった初の彼。今はそんな彼よりも、エリリーはノーラント・アークエイという最の家族にして、最強のライバルにして、最大の目標の方が大事なのだ。今暫くは、ノーラント共にこの世を出來る限り平穏に……幸せに生きていたいと願うばかりである。
そんな些細な願いが葉うように、今日はいい天気である。
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