《G ワールド オンライン ~ユニークすぎるユニークスキル~》第二十三話 魔法適
ユウトが初めての冒険者任務をこなした次の日。
ユウトは再び冒険館に向かおうとしていた矢先、王から呼び出しを食らった。
それによりユウトは今、王の間にいる。
「ユウト君、気分転換はどうだったかな?」
「最高です」
ストレスが溜まる場面もあったが結果的にはそれを込みで発散することが出來たユウトは満面の笑みで答える。
「そうか、それはよかった」
「ですので、今日も行こうと思っていたのですが」
「今日はすまんが、ワシたちと一緒に來てもらいたいところがあってな」
「たち?」
ユウトは疑問を投げかける。
ここには王ファオ以外がいなかったからだ。
すると、今この部屋にってくる人がいた。
お馴染みのジャックである。
「おお、待っておったぞ」
「すいません、し遅れてしまいました」
王を待たせるなんて、なんて大。
まあファオが寛大なだけだろうが。
「では行こうか」
「行くってどこへ?」
ユウトだけが事を知らないようで、ジャックとファオは何の説明もなしに移しようとしていた。
「言っていないんですか?」
「忘れっておったわ、ユウト君は魔法に興味があるのだろう? そこでワシもユウト君の魔法に興味がある、ということで今からワシと一緒にジャックの研究所へ行こうと言うことになったのだよ」
「そ、それはどうも」
ただ単にファオの都合に合わされただけのようにじるユウトだがとりあえずは禮を言っておく。
一応ユウトが魔法に興味があるのは正しいからだ。
「ジャック、案を頼むぞ」
「はい、お任せ下さい」
ジャックを筆頭にファオとユウトは城の中を進んでいく。
というか王はそんな簡単に私用で行して良いのかと、ユウトは思いながら歩く。
「著きました、ここです」
ジャックに連れられてきた場所は、城の両脇に建っている塔の右側だ。
どうやらここが魔法研究所のようだ。
「僕の研究所はもうし奧です」
ジャック、ファオ、ユウトは作業をしている研究者のような人たちに頭を下げられながら進む。
そりゃあ、この國のトップである王様とこの研究所のトップが一緒に歩いているとなると、頭が上がるわけもない。
ユウトはその間、気まずそうに頭を下げながら二人について行っていた。
「到著です、どうぞ」
ようやくジャックの研究所に著き、その中へとはいる。
中はかなり広く、よく分からないものがたくさん置いてあった。
なくとも、魔の壺のようなものはない。
「陛下、ユウト君にまだしてない魔法の説明をするんですが、その間どうします?」
「ならワシは々なところを回ってくるとしよう」
ファオはそう言い、部屋から出て行った。
あまり々なところに行って迷をかけないでしいものだ。
そう思うのも、王様がいるだけで気をつかうからである。
なら、部屋から出さない方が良かったのだろうが、ジャックは全然気にする素振りがなかった。
「あの、何の説明を?」
「昨日は、大雑把な説明だったからね、今日は屬魔法についてしようか」
屬魔法は実のところユウトは結構気になっていたものだ。
というよりは全部に興味があるので何でも良いというのが真実ではあるが。
「まず、屬魔法を大きく分けると、水、火、木、土、雷が基本だ」
「それだけですか?」
「いや、あくまで基本の屬だね、氷や風なんてものもある」
聞けば聞くほど興味をそそられる話題にユウトのは高鳴る。
「後は、闇と魔法というのもあるんだが、あれは屬と言って良いか微妙でね」
「何故です?」
「屬魔法っていうのは、ただ事象を起こすだけのもの、例えば火をおこしたり水を出したりね、でもと闇はそれだけじゃないんだ、闇を例に挙げるとただ単に辺りを暗くするっていうだけじゃなく、質を崩壊させる能力も持っているらしい、そう言う効果があるのは屬じゃなくて創造魔法の分類だからね」
闇と魔法は話しを聞く限りでは屬魔法の事象と創造魔法の作用を合わせたものということだ。
闇でいえば、暗くするのが屬魔法の事象、崩壊させるのが創造魔法の作用だ。
その二つの効果を持っているためと闇の魔法は強力かつ危険といわれている。
「魔法は何の効果が?」
「魔法は大昔にしか目撃されてないから詳しくは知らないんだけど、闇に対なる力と言い伝えられているから、恐らく創造の力だと思う」
破壊と創造。
もはやこの力は神の領域である。
だが、魔法の話しを聞く限り使える人は今はいなさそうだ。
「今は使い手がいないんですよね?」
ユウトのその問いにジャックは顔を暗くした。
その表にユウトは揺する。
もしいるとすれば、その人が暴走するだけで世界が崩壊しかねないからだ。
「実はね、魔王がその闇魔法の使い手だと言われているんだ」
「ま、魔王がですか!?」
最強な魔法の一角が魔王に備わっているならば、勝ち目がないのではないか。
それにその対なるが発見されていないなら、魔王は無敵ともいえる。
「でも、いくら闇魔法の使い手だからって一人では世界は侵略出來ないよ、一対一では無敵だろうけど」
「そ、そうですよね」
ジャックが言うように、どれだけ強い力を持っていても數の暴力には勝てないとユウトはホットする。
みんな魔法が使えるわけであり、屬魔法を放ちながら他の人が創造魔法を放てば効果は一緒になる。
「話しが線したね、屬魔法は適があってね、僕は特に水に適があるんだ」
「適がある魔法しか使えないんですか?」
「いや、そんなことはないよ、でも適がある魔法に比べて、質は落ちるんだ」
屬の適もユウトの世界でのラノベ系に出る話でユウトはワクワクしていた。
さっきとは一転してハイテンションである。
「じゃあさっそく調べようか」
「はい! でもどうやって?」
よくあるやつは、水晶とかだろうなとユウトは思っていたのだが、ジャックが手を頭に乗せてきたので、ユウトは若干殘念に思ってしまった。
「鑑定終了、ユウト君の適は――」
ジャックの次の言葉を待つ。
寶くじの発表を待つ気分だ。
いや、合格発表を待つ気分の方が近い。
「雷だね」
「雷!? 強そうですね」
思いのほか、辺りだと思える屬を引き當てたとユウトはガッツポーズをする。
てっきり複數の屬持ちかもと期待していたのはおこがましいのでユウトは心の中に封印する。
「まぁ、雷はどちらかといえばユウト君にあってるかもね」
ジャックの言葉に首をかしげるユウト。
「えっと、ユウト君の手の事で言ったと思うけど、繊細な魔法が得意なんだよユウト君は、だから大規模魔法が多い火は合わない、木と土は微妙と言ったところか、でも水と雷は一點集中系が多いからね、ユウト君との相は良いよ、羨ましいなぁ、僕は大規模魔法が得意だから水はあまり相がよくないんだ」
ジャックの話しを聞いてユウトのテンションはさらに上がる。
雷という格好いい屬も引き當て、質の相も良いときたなら喜ぶのは當然だろう。
まあ、使いこなせるかどうかは別の話だが。
「さっそくやりましょう!」
「落ち著いて、陛下が帰ってきてからね」
興するユウトを苦笑いで諫めるジャック。
思わずんでしまったユウトはしまったとばかりにはにかんだ。
「じゃ、帰ってくるまで僕の魔法でも見てみるかい?」
「はい!」
ジャックの提案に元気よくユウトは答える。
「では……」
ジャックは手の平を上にして前に出す。
次第に、水の塊が集まってきていた。
間違いなく魔法である。
ジャックは次にその水の塊の形を々変える。
だが、ちょっと歪になっているのはジャックの質が影響しているのだろう。
「繊細さはなくてごめんね」
「いえ、十分です」
そうしてジャックの魔法を見たユウトは、期待にを膨らませるのだった。
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