《高校生は蛇になる》10話 この世界
あれから親父といろんなことを話した。
どうやらこの大陸の名前は『リーズヴェルテ』と言うらしい。
この名前の由來は、人間の支配地『リーズ』と、魔人の支配地『ヴェルテ』がこの大陸に存在しているからだそうだ。
ならこの世界の名前は無いのか?と聞いてみたところ、無いらしい。
前世に読んだ創作には有ることも多かったのだが、俺達の前世には有ったか?と聞き返されてしまった。
確かにそうだ。
『地球』は星の名前であって世界の名前ではない。
と言うことは世界の名前は存在しないのが普通なのかな?
人間の支配地の王國は『ラズワード』、魔人の支配地の帝國は『ヴォルバルフ』と言うことも教えてくれた。
殘念ながら人間と魔人でなぜ王國と帝國と呼び方が違うのかは
教えてくれなかった。
ちなみに親父はラズワードで王國騎士団団長をしているらしい。すげえな親父。
他には、人間と魔人は共存関係を結んでいることも教えてくれた。
これも、理由は教えてはくれなかった。
親父が説明を面倒臭がったので、聞き出せた報はこのぐらいだった。
そして、し話しをしていると、親父が突然
「やばっ、仕事部下に押し付けて來たんだった。」
と言い出した。
親父、何してんだ。
まあ親父が來てくれなかったら俺は死んでいたんだがな。
そこは謝するべきだろう。
「ちょっと俺もう帰るわ。」
「じゃーなー。」
「あ、健……じゃなくてカヴァタ。この世界で暮らす上で言語共通化は取っとけよ。」
「りょーかーい。」
「そんじゃまたな。……転移!」
親父が行ってしまった。
もうちょっと話したかったんだけどなー。
これじゃ分からないことが多すぎるわ。
だが、ただ1つ、俺がしっかり理解していることがある。
それは、
「この世界は楽しいな。」
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