《高校生は蛇になる》38話 神話、そして願い

何もない、ただ、虛無が広がるその次元に、別の次元の『神』と呼ばれる存在が、力を落とした。

その力は鼓し、鼓と共にその次元にを與えた。

やがて力は意思を持ち、思考能力を得た。

思考能力を得た力は、偶然か必然か、『創世神』と名乗った。

創世神は自にある使命が與えられていることを理解した。

そして、その使命のままに、創り始めた。

創世神はまず、『時刻神』を創った。

時刻神の力により、次元のき始めた。

次に、『炎神』『水神』を初めとする、數々の『素因の神』を創った。

素因の神達の力により、世界が生まれた。

そして創世神は、『生命神』を創った。

生命神の力により、世界に命が産み落とされた。

使命を達した創世神は満足した。

そして、長い、それこそ永劫とも言えるような時が過ぎた。

ある時、素因の神の一柱が呟いた。「死にたい」と。

それは、世界の中で産まれて死んでを繰り返す、そんな命を見て、そこに存在することに飽きた神が呟いた言葉だった。

そして、その思いは呟きを聞いた神達から大きく広がった。

その思いは創世神の耳にも屆いた。

そして、創世神でさえ、死にたいと思ってしまった。

しかし、神同士で殺しあおうとは考えなかった。

それは、神同士が殺しあい、どちらかが死んだとき、神の力が暴走し、世界を壊してしまうと理解していたから。それが、創世神に與えられた使命と反してしまうからだった。

創世神は新たな力に頼ることにした。

の力をねじ曲げ、神と反する力に変え、調和するようにした力を創った。

そして、その力を使い、『邪神』を創った。

邪神は、瘴気のエネルギー、即ち魔力を世界に放った。

世界に満ちた魔力は、魔を生み出し、命を魔人や魔獣、魔族に変質させた。

しかし、強大な力は生まれたものの、神を殺すに至る者は居なかった。

ただ、創世神にとっても予想外だったことが起きた。

命のごく一部、人間や、それが変質した魔人が、魔力を使いこなし、魔を倒して力を付けていったのだ。

創世神は、人の長力に期待した。

だが、神を倒せる力を持つ人は、いくら待っても現れなかった。

そこで創世神は、別の次元の世界に居る人を観察した。

すると、強い魂の力をめた人が何人も居た。

創世神は、その人達の命を呼び寄せ、自の世界の命に紛れさせた。

やがて、その人達は転生者として、強大な力を持った。

転生者の中には、神を殺す者も現れた。

創世神は歓喜した。

それと同時に、自らの失敗に気付いた。

素因の神が消えたのだ。それが何を意味するか。

例えば、星雲神が消えたことにより、満天の星空が消え去った。

例えば、巖盤神が消えたことにより、世界の各地に底無し沼、或いは底無し流砂が現れた。

世界が崩壊してしまうのだ。そしてそれは、使命に反する。

だが、創世神は、無から神を創る力を邪神を創る際に使い果たしてしまった。

そこで創世神は、世界に居る命の中から、最も神に適した命を神に変えた。そのための力は、ほとんど使わずに済んだからだ。

そして、多くの神が死に、生まれる中で、1度も死ななかった神がいた。

創世神と邪神だ。

創世神と邪神は、表裏一の存在で有りながら、それぞれ強大な力を持っていた。故に、死ぬことが無かったのだ。

創世神は転生者を生み出し続け、自を殺せる者を待ち続けた。

しかし邪神は違った。

邪神もいつしか、死にたいと思うようにっていた。

邪神は、強力な魔の命を大量に使い、完全な神にはらなかったが、『技能神』を生み出した。

技能神は、SPと呼ばれる力を生み出し、命にそれを與えた。

そして、SPを使い、スキルと呼ばれる力を命に創らせた。

同じように、邪神もスキルを創った。

しかしそれは、ただのスキルでは無かった。

『魔王の卵』それが邪神の生み出したスキルだった。

資格有る魔に與えられ、変質し、固有の卵となる。

その魔の努力により、その卵は孵化する。

邪神は世界に魔王を生み出した。

しかし、魔王が進化した存在、『魔神』が現れることは無かった。

邪神は悲しんだ。

魔神であれば自を殺せる可能があることを理解していたからであった。

技能神に邪神は頼んだ。

「殺してくれ。殺せる程の者を生み出してくれ」と。

技能神は、自の力の半分を使い、自の分とも言えるスキルを生み出した。

スキルを喰らい強くなるスキル、『技能魔王の卵』それが技能神の生み出したスキルの名前だった。

結果、技能神は力の多くを失い、魔王の1人へとり下がった。

そして、技能魔王の卵は、資格有る者を求めて世界へ旅立っていった。

元技能神の願いを乗せて……。

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