「お兄さん、また來てね」

「おう、またな坊主」

そう言って今まで滯在していた村を出て、近くの森へと向かう。

やっぱり仕事辭めて旅を初めて正解だったな。

仕事に縛られてたんじゃあ全然楽しくない。

……王様を説得するのは大変だったけどな。

まあ結局は力さえ有れば良いんだ。

ちょっとした冗談で王都を滅ぼすぞっつたらすぐ認めてくれたし。

曲がりなりにも神である俺は止められないんだよ。

それにこの村で良い噂を聞けたしな。

何でも、違法に奴隷にされた奴等が森から挙ってこの村に來たらしい。

そいつらは鉱山で働かせられてたらしいんだけど、でかい蛇の魔が來て助けてくれたと。

それが元違法奴隷から聞いた噂だ。

まあ間違いなくけん……カヴァタだろうな。

善くもこの短い期間であのダンジョンからここまで來れたもんだ。

……さてと、この森を隈無く探すか。

久しぶりって程じゃないけど、１週間以上ぶりの再會だ。