《高校生は蛇になる》100話 不死ト闇

「……流石と言うべきか」

どこまで続いているのかすら分からない、漆黒の暗闇の中。

不死魔王は、ポツリと呟いた。

彼の前には、世界中の彼の配下から送られてくる、無數の映像が有った。

配下の視界を正方形に切り取ったものである。

そして今、映像の1つ、疾風魔王の視界が消えたところであった。

「新たなる神の力を使った瞬間移や、純粋な力による戦爭の鎮圧、異常なまでの能力。そのどれもが稱賛に価する。だが」

彼は映像の1つに目を向けた。彼自が監視のために送り出した、蝙蝠の視界だ。

その映像には、一匹の蛇が映し出されている。

「その全てが我に劣る。たとえ、最強の力、終焉神を手にれていたとしても、貴様はそれを、使いこなせてはいない」

彼は、漆黒に染まった手を見て言った。

「我を、闇に染まった我と言う壁を、乗り越えて見せよ。我の本質をけ継ぐものよ、技能魔神として覚醒せよ。その時は最後の魔王として、貴様の試練となってやろう」

そして最後に唱えた。

「《ダークイーター》」

次の瞬間には、膨大な闇は全て消え去った。

純白の空間に、漆黒の骸骨が佇んでいた。

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