《高校生は蛇になる》105話 鳥ト骸骨、ソシテ蛇

一匹の蛇が去り、靜けさの殘る峽谷の一角。

疾風魔王の巣が有ったその場所には、今では一羽の鳥が佇んでいた。

「クルル……」

その鳥は、蛇が去った方向を見て、悲しげな聲を上げた。

再び靜寂の時間が流れる。

「……クルッ」

しばらくすると、鳥は何かを決心した。

辺りに散らばっていたグリフォンの死を平らげると、蛇が去った方向へ飛び立った。

その頃、その様子を観察する骸骨がいた。

「追い付けないと分かってはいても追いかける。憐れなことだ」

まるで本當にそう思っているように言った。

漆黒の空間とは違うが、それでもどこに何が有るのか分からない。そんな純白の空間に浮かんだ無數の映像の1つに、骸骨は目を向けた。

「我の與えた試練。それを乗り越え、我にたどり著け。今となっては、貴様だけが希なのだよ」

まるでその映像に映る一匹の蛇に、語り掛けているようであった。

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