《高校生は蛇になる》108話 逃走?空耳ダ
フィートと別れてから1日経った。
そして、今俺の前には大きなクレーターがある。
そのクレーターの底には、どこか見覚えのある影が。
……無視したい。無視したいけど向こうは俺に気づいたようだ。走って向かってくる。
「おいカヴァタ!何してくれてんだ!」
「あー、うん、確かにこっちに飛ばしたな」
親父だった。どうしよう、気まずい。逃げたい。
「確かにこっちに飛ばしたなじゃねぇーよ。どうしてくれんだよ。ここどこだよ」
……よし、逃げよう。
「用が有るんで、じゃ」
親父を大きく迂回して全力で逃げる。
いや、ここにはクレーターが有っただけで親父なんて居なかった。そう言うことにしよう。
「おいこら待て!」
空耳が聞こえる。
あはははは、早く試練に向かうか。
「このやろう。そう言えば、フィートって言ったっけ?あのフェニックスはどうしたんだ?」
 「あはははは」
何も聞こえなーい、何も聞こえなーい。
- 連載中329 章
平和の守護者(書籍版タイトル:創世のエブリオット・シード)
時は2010年。 第二次世界大戦末期に現れた『ES能力者』により、“本來”の歴史から大きく道を外れた世界。“本來”の世界から、異なる世界に変わってしまった世界。 人でありながら、人ならざる者とも呼ばれる『ES能力者』は、徐々にその數を増やしつつあった。世界各國で『ES能力者』の発掘、育成、保有が行われ、軍事バランスを大きく変動させていく。 そんな中、『空を飛びたい』と願う以外は普通の、一人の少年がいた。 だが、中學校生活も終わりに差し掛かった頃、國民の義務である『ES適性検査』を受けたことで“普通”の道から外れることとなる。 夢を追いかけ、様々な人々と出會い、時には笑い、時には爭う。 これは、“本來”は普通の世界で普通の人生を歩むはずだった少年――河原崎博孝の、普通ではなくなってしまった世界での道を歩む物語。 ※現実の歴史を辿っていたら、途中で現実とは異なる世界観へと変貌した現代ファンタジーです。ギャグとシリアスを半々ぐらいで描いていければと思います。 ※2015/5/30 訓練校編終了 2015/5/31 正規部隊編開始 2016/11/21 本編完結 ※「創世のエブリオット・シード 平和の守護者」というタイトルで書籍化いたしました。2015年2月28日より1巻が発売中です。 本編完結いたしました。 ご感想やご指摘、レビューや評価をいただきましてありがとうございました。
8 158 - 連載中16 章
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