《高校生は蛇になる》110話 骸骨ノ疑問
「まあ、ここまでは予想通りと言ったところか」
白としか表現出來ないその空間で、唯一、漆黒の骸骨は呟いた。
「1つだけ、たった1つだけのイレギュラーが有るが」
骸骨の見る映像には、一人の人間が映し出されている。
いや、人間と言うのは間違っているだろう。
なぜならそれは、姿形こそは人間と相違無いが、その中は全くの別、神なのだから。
「ヴァル・アストリオス。現人神である貴様が、なぜ、試練に関わってくるのか。いや、技能魔王と関わろうとするのか」
骸骨には理解出來なかった。
現人神と技能魔王、一見無関係に見えるこの二つの存在が、まるで舊知の仲のように関わっているのかが。
「分からないことを気にしても仕方ない。試練に関わってくるのであれば、現人神としての力を封じさせて貰う。ただそれだけだ」
低級の神ならば問題なく殺せる。そんな骸骨だからこそ出せる決斷だった。
「々頑張るといい。弱き神よ」
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