《高校生は蛇になる》116話 第二ノ試練 腐

臭い、臭すぎる。

四方八方腐の海、全まみれ。

の中に沈んで行かないようにするだけで一杯だ。

「――した、早――焉――の力――え」

時折遙か遠くに居るであろうゾンビの聲が聞こえるのだが、腐のせいでうまく聞き取れない。

くそ、どうしてこうなった。

俺はただ、腐なんてスライムと同じようなだと思い、ゾンビの下へ引き潰しながら向かえば大丈夫だろうと思っただけなんだ。

だが、腐は引き潰してもスライムのように四散せず、俺のに纏わり付いてきたのだ。まるで、命知らずのバーサーカーのように。いや実際そうなのだろう。

なぜなら、腐は腐った細胞、つまり死んだ細胞の集まりなのだから。

當然腐っているから臭い。

ああ、この匂いってちゃんと落ちるかな……?

まあそんなこんなで気付いた時にはもう遅く、腐の津波に飲み込まれてしまったという訳だ。

てかこんな狀況でよくこんなに冷靜な思考ができるな。

「は――私の――――屆い――ない――だ――」

くそ、とりあえずこの腐の海をどうしたらいいんだよ。口を開くと腐ってくるから誰かに聞くことすらできないよ。

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