《高校生は蛇になる》118話 第二ノ試練 合格

どこまでも続く荒野を、これまたどこまでも続く腐が覆っている。

荒野の面影は既に無く、腐の海としか表現できない、そんな異質な空間。その中心に、一匹の生きと一人の死がいた。

生きは、蛇の姿をしていた。

その蛇は、腐の海に呑まれていた。沈んで行ったり浮かんで來たり、まるでの様だった。

蛇は何も考えていなかった。いや、考えられなかった。

そして、その蛇の中で、何かが切れた。

蛇は暴れ、項垂れ落ちた。

――蛇の意識は、終焉神に、奪われた。

周りの腐を一瞬で消し去り、銀の巨大な鎧を纏った。

「ふー、カヴァタとの契約が薄かったことを、今だけは謝出來る」

鎧の頭を回しながら、終焉神は言った。

「儂の本が、これ以上汚されては、儂も困るからな」

終焉神は歩き出した。終焉神に包される力に耐えきれず、足下の地面が塵となり消えていく。

だが、終焉神はそれを気にした様子もなく空中を歩く。

「やれやれ、儂との一化が完全に済んでないのに、このような試練に挑戦するとは」

大量に襲い來る腐の津波は、終焉神にれること無く、オーラに阻まれ消えて行く。

「まあ、この試練はクリアしておいてやろう」

終焉神がそう言うと、おもむろに手を前に突き出した。すると、音も無く剣が現れた。鍔すら無い、ただの棒のような剣だ。

「ふっ」

終焉神が微かな呼吸と共にそれを振るうと、辺りが白銀の閃に包まれた。

が消え、そこに殘っていたのは、元の姿を取り戻した荒野と、高く聳え立つ一つの門。そして、力を無くしたように倒れる一匹の蛇の姿だった。

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